クラフトビールブーム真っ只中とも言われている昨今。各地に数多くのブルワリーがあるなかで、関西の注目すべきブルワリーを巡る旅に出ることにしました!
記念すべき第1回は、和歌山県の『平和クラフト』をご紹介するため、和歌山県海南市へ旅に行ってきました。創業90年を超える酒蔵がビールづくりに挑戦!その背景に迫ります。
創業90年を超える平和酒造株式会社
日本酒好きから愛される平和酒造は1928年(昭和3年)に創業してから醸造したのは、日本酒や果実酒のみ。数年前までビールの醸造は行っていませんでした。
日本酒づくりから“クラフトビール業界”への挑戦
日本酒「紀土」のイメージが強い平和酒造が、クラフトビールの醸造に挑戦し始めたのは、5年前の2014年です。
日本酒づくりは毎年10月頃から5月の連休前までが仕込みのシーズンになります。仕込み以外の期間で何か製造できるものはないかと考えたチャレンジ精神溢れる社風の平和酒造は、「日本酒だけじゃなく、通年して製造できるビールに挑戦してみよう!」とビール醸造へ挑戦することになりました。そして、社内でビール好きと知られていた髙木さんは、クラフトビール醸造の立ち上げメンバーに選ばれたのです。
髙木さん
東京農工大学出身で学生時代からお酒が大好きで、お酒づくりに関わりたいと思い、2011年に平和酒造へ入社し和歌山にやってきました。
入社して3年ほどは、日本酒づくりや社内で管理する田んぼの管理などをしていました。ビール醸造の立ち上げメンバーに選ばれてからは、醸造に必要な資格をすべて取得し、平和酒造らしい味を求め試行錯誤して、2年後の2016年にやっと1つ目の「平和クラフト ペールエール」の商品化まで漕ぎつけました。和歌山の自然を使用した、やわらかい飲みやすさ
ビールにおいて水の占める割合は大きく、平和クラフトでは、和歌山県の高野山を源流とする貴志川の水を使用しているので、「柔らかい・透明感」という特徴に仕上がっています。
髙木さん
平和クラフトでは、のどごしというよりは“飲みやすさ“をテーマにしたビールづくりをしています。食事に合う飲みやすさを追求しているので和食にも合いますし、ライトな味わいなので、ビールを飲んだら日本酒へ!という、両方を楽しんでいただくことができます。
―日本酒の前にというのは、日本酒づくりをする酒蔵ならではのビールですよね。ちなみに、ビールってどこで飲むことができるのでしょうか?
髙木さん
現在、樽生の販売はしておらず、小瓶(330ml)のみの販売をしています。
飲食店では、サーバーの置けないお店やお寿司屋さんなどで取り扱っていただいています。日本酒の前に一杯ということで、食事の始まりにオススメしていただいています。または、小売店や通販販売でお買い求めいただくことになります。
飲みやすい!シリーズ5種類全てをご紹介
現在、販売している平和クラフトのビール5種類を全てご紹介します!〇王道であり定番ビール
『平和クラフト PALE ALE』
〇アルコール度数:5.0%- 〇原材料:麦芽、ホップ
松村 七海
ホップが香り、キレが良くて飲みやすい味でした。髙木さんが言っていた、食事の邪魔をしない飲みやすさというのが非常に伝わります。
〇ビールの苦みが苦手な人にもおすすめ
『平和クラフト WHITE ALE』
〇アルコール度数:5.0%- 〇原材料:麦芽、ホップ、コリアンダー、オレンジピール、柚子ピール
松村 七海
和歌山県産の柚子ピールを使用したホワイトエールは、あっさりとした軽さで、苦いビールの種類がちょっという方にも「一回飲んでみて?」とオススメできる爽やかなビールです。
〇IPAだけど爽快で軽やか!
『平和クラフト I・P・A』
〇アルコール度数:6.0%- 〇原材料:麦芽、ホップ
松村 七海
IPAらしい苦みはしっかりとあるのですが、スッキリした爽快な味で飲みやすく、この飲みやすさが平和クラフトなのか!と飲んでいただければわかっていただけるかと思います。香りも楽しみながら飲むことができるビールでした。
「The International Beer Cup 2017」にて、「American-Style Strong Pale Ale」部門にて金賞を受賞した商品です。
〇栓を開けた瞬間からスパイシーな香り
『平和クラフト PORTER』
〇アルコール度数:6.0%- 〇原材料:麦芽、ホップ、ティーマサラ
松村 七海
「ティーマサラ」というスパイスを用いているので、栓を開けた瞬間から程よいスパイシーな香ばしい香りが漂います。飲むと、ホップの苦みを感じつつもクセになる味わいでした。
〇ビール?シャンパン?この春 新発売ビール
『平和クラフト SOUR ALE』
〇アルコール度数:5.0%- 〇原材料:麦芽、ホップ、南高梅(和歌山産)、果糖ブドウ糖液、食塩
松村 七海
2019年5月20日(月)に発売したばかりのサワーエール。本当に爽やかです。そして、和歌山といえば“梅”ですよね。南高梅を使用し、ほんのりと梅の酸っぱさを感じることができます。これから夏にゴクゴク飲むには持ってこい!のビールに仕上がっています。
一つ一つ思いを込めて醸造
そして、なんとビール1本1本のラベルは醸造の合間を縫って手作業で貼っているのだとか。ラベルを見比べるとちょっと傾き具合などが違うかもという手作り感が楽しめるかもしれません♪
平和酒造では直接小売販売・ネット販売は行っていません。また、主に日本酒を扱う小売店をメインに流通しているため、「販売店が分からないという方はお住いの地域を明記の上、HPのお問合せフォームよりお問合せください!」とのこと。
これからも、飲みやすいビールをつくり続けたいと話してくださった髙木さん。クラフトビールのイベントに出店する際には、地元和歌山の果物をふんだんに使用したビールを限定で販売することもあるのだそう。
ぜひ一度、平和クラフトのテーマである“飲みやすさ“を体感してみてくださいね。
平和酒造株式会社
〇住所:和歌山県海南市溝ノ口119番地
〇電話:073-487-0189
〇営業時間:9:00~17:00
〇定休日:日曜・祝日
〇URL:http://www.heiwashuzou.co.jp/#id0