Bar 【東京・学芸大学駅】マイナスイオンが広がる、醸造所併設のビアバー『FIVE TREES』

東京都目黒区の、東急東横線・学芸大学駅。

改札を出るとどこか懐かしいような、親しみやすい雰囲気の商店街が広がり、誰もが知っているチェーン店の飲食店が並ぶ傍ら、個人営業の雰囲気あるお店がちらほら見える洗練された街です。

そんな街に、2年前の7月突如現れた、自社ビールを提供する醸造所併設のオシャレなタップルーム『FIVE  TREES（ファイブツリーズ）』。そこは、いろんな目的をもった人々が集い、ビールを通してお互いの考えやアイデアを交換しあえるような奥深い空間です。

そんなFIVE TREESの魅力を深掘りしてきたので、ご紹介します。

緑、みどり、ミドリ！植物に囲まれた「FIVE TREES」

学芸大学駅で下車し、線路沿いに5分ほど歩くと、何やら生い茂った建物が見えてきます。それこそが、今回の目的地『FIVE TREES』です。

お店は、遠目でもわかる緑いっぱいの建物の1階。ただでさえオシャレな街なのに、ここだけさらに何かちょっと違う、洗練されたオーラを放っています。

入口付近には緑に囲まれながら飲めるテラス席も。屋根がついているので、突然の雨でも大丈夫。

店内は、外まで滲み出ていた緑のオーラが充満した雰囲気と、なんだかホッとするようなアットホームさが入り混じったような空気感。

モルタル感のある床や天井と木や緑のバランスが絶妙で、小洒落たジャングルに迷い込んだかのよう。入店してすぐに、マイナスイオンで心が癒されます。


店内では現在オリジナルのビールを3種類醸造しており、大きな醸造用タンクも店内から眺めることができます。

ところで、なんで「FIVE TREES」？植物がいっぱいだから？と思われるかもしれませんが、店名は、お店のある目黒区中央町の「五本木」という場所に由来します。

地域に馴染みやすいよう、シンプルに。「この地域の人たちが集って、出会って、ビールを飲みながら会話を交わし、繋がりを広げられるような場所にしたい」という意味が込められているのだとか。

実際に近所の仕事終わりの方がふらっと一杯、というシーンで利用してくれる方が多いそうで、この日も常連さんが立ち寄ってスタンドでビールを楽しんでいました。

キッチンを持たないため料理は提供しておらず、おつまみの持ち込みが自由。ビールに合わせて好きなものを持参してOKです。ですが、店内の傍にはミックスナッツを1カップ100円で販売しているので、「ちょっとアテがあれば十分」という人は手ぶらで大丈夫！スパイシーなナッツで、ビールのおつまみにもってこいなお味です。

3つのキャラクターが際立つオリジナルビール

そんなFIVE TREES が造るオリジナルビール3種類はこちら。

ハーフ：税込700円、パイント：税込900円

『GOHONGI ALE』（ペールエール／6.0%）※写真左

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ふわっと甘い香りが漂う優しい麦と、爽やかなホップの香りをバランス良く楽しめる一杯。ビールを飲み慣れていない人でも飲みやすい味わいで、1杯目はもちろん、やさしい炭酸感なので最後にゆっくり楽しむのにもピッタリ。時間をかけて楽しんでいると、麦の香りどんどん強くなります。

『UN』（セッションIPA／4.0%）※写真中央

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鼻に抜けるホップの香りがふわっとなんとも爽やかな、軽快にごくごく飲めてしまうセッションIPA。3種類の中で1番炭酸が効いていて、キリッとしたおいしさでさっぱりと楽しめます。ライトな味わいを楽しみたい方にビッタリです。

『UNITE』（アメリカンダブルIPA／8.0%）※写真右

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最も重厚感があるダブルIPA。しっかりとボディ感のある味わいが好みの方はこちらがおすすめ。しっかりとした苦みに香るグレープフルーツのような香りで、飲むたびに違う表情を見せてくれるような1杯です。

オリジナルビール3種は全て、基本常に繋がっているので、ぜひ飲み比べてみてください！日によっては仕入れのビールも飲むことができます。将来的にはオリジナルビール3種に加え、仕入れのビール3〜4種を含め、全部で7タップほど繋げて楽しめるようになるとのこと。どんどん進化するFIVE TREESに乞うご期待です。


店内奥の冷蔵庫には、オリジナルビールのボトルも並んでいるので、お土産にお気に入りをお持ち帰りすることも可能。グラウラーを持っていけば量り売りで購入することもできます。

実は…元々“ものづくり”をしている会社なんです

FIVE TREESを運営する「株式会社トーシンコーポレーション」は、緑化事業やエクステリア事業を行なっている会社で、その新事業として2022年にこのクラフトビールの醸造をスタートしました。

エクステリアとビール……

交わらないように思えますが、“お店づくり”という観点では、大きな強み。実際にFIVE TREESを建てるときに使用した資材は、9割以上が自社で手配したもので造られていて、ビールだけではなく空間も全てセルフプロデュースして造り上げたというこだわりがあります。

店内にある一部のテーブルも、元は植物を植えるためのプランターなのですが、それを二段重ねしてテーブルに改造しているそう。すごいアイデア！

「FIVE TREES」の発起人・小渕さん（左）とスタッフの千夏さん（右）

「元々、トーシンコーポレーションのショールームを作ろうという話が発端となって、ただショールームを作るだけじゃ面白くないから、住宅設備関係のお客さんだけではなく、一般の人にも会社を知ってほしいと考え、最初はカフェをやろうという話になったんです。でも近所にはカフェはたくさんある…それでこの学芸大学前、五本木の街にある店を考えた時に、クラフトビールを造って提供している店というのが他に無かったんです。だからやってみようと思って。」と教えてくれたのは、FIVE TREES 発起人である、小渕さん。

小渕さんは、元々ビールメーカーや、横浜のブリューパブで働いていた経験があり、今回FIVE TREESをオープンするにあたっても、これまでの経験や人脈を辿ってたくさんの仲間に協力してもらいながら、答え合わせのようにお店を創り上げていったと言います。

ビールの醸造技術に関しては、小渕さん自身もこれまで経験がなかったため、お店のオープンが決定してから、メンバーの1人が横浜のブリューパブへ修行に赴き、約2年ほどでビールの知識をゼロから蓄え、オリジナルビールを造り上げていったのだそう。今は醸造に関してはその彼が主導となって進めています。

さらに、店内の一角には「Yard Works」という緑化事業を行なっている企業とのオシャレな協働オフィスが見えます。店内のあちこちに散りばめられたポイントとなる植物は、Yard Worksに協力してもらい設置しているもの。外観から緑いっぱいだった理由がわかります。

また、お手洗いの隣にある謎の「Meering Room」と書かれた扉を開けると……

ショールームが出てきました。ここではより詳しくエクステリア事業の製品を見ることもできます。取材時はショールームの準備中でしたが、玄関周りのインターホンやポストなどのエクステリアが展示される予定とのこと。

オシャレな空間を手がけるビアバーのショールームなんて、真似したくなる要素が多い予感…ビールを飲みに行くついでに暮らしのヒントを得られるなんて、ワクワクしてしまいます。

オシャレな雰囲気は、家具だけにとどまらず、壁画やトイレにまでかわいいイラストが散りばめられていたり…


愛らしいおじいさんのイラストが描かれたオリジナルビールのボトルは、なんと小渕さんが描いたのだとか！すごすぎる……

空間デザインだけでなく、イラストのデザインまで行う多彩なスタッフさんたち。洗練された感覚をもった皆さんが創造するお店は、きっとこれからも私たちの想像を超えるような、新しい“楽しい”“おいしい”を提供してくださるんだろうなと、今後の展開についても胸が高まります。

街の人たちが集い、ビール片手に繋がれる場所に

店内でビールを飲んでいると、どこかほっとするような安心感があります。ビールもインテリアも全て自分達の手で、空間を丸ごと「FIVETREES」らしさいっぱいに造り上げているところが、しっくりくるような、心地の良い世界観が造られている理由かもしれません。

「これからも地域の人たちが集って、ビールを通してお互いの考えやアイデアを交換して、人と人とが繋がれるような場所にしていきたい」と、小渕さん。

現在、大体月に2度のペースでそんな「繋がり」のきっかけになるようなイベントを開催しているそうで、音楽やアート・ポップアップショップやフリーマーケットのイベントなど、幅広くいろんなイベントを開催しています。それぞれのイベントの詳細はインスタグラムで発信しているので、気になる方は要チェックです。

目的がビールであれ、ショールームであれ、そこに集う人たちであれ。いろんな楽しみ方ができる心地の良い空間と、飽きのこない何度でも飲みたくなるビールが待つオリジナルに溢れた「FIVE TREES」へ、フラッと気軽に足を運んでみてくださいね。