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Bar 【東京・麻布十番】30タップからお気に入りを探す。ビールとカルチャーが交差する「FETISH CLUBⓇ Azabu-Juban」

2026/07/22

ネオンの光に、きらめくミラーボール。カウンターには30個のビールタップが並び、螺旋階段の先には、昔のアイドルやデコトラの写真集、感性をくすぐるカルチャー雑誌がずらり。

東京・芝大門に醸造所兼ビアバーを構える「FETISH CLUB」の新店舗「FETISH CLUBⓇ Azabu-Juban」が、東京都港区元麻布にオープンしました。


30種類の自社醸造クラフトビールの飲み比べをはじめ、ビールと相性のよいフード、レトロカルチャーに囲まれた店内空間を楽しめます。

FETISH CLUBは、2024年に醸造を開始し、東京都港区と山口県下松市の2拠点でクラフトビールを造るブルワリーです。以前「ビール女子」編集部は、「FETISH CLUB® Daimon」を訪問し、FETISH CLUBのビールづくりやお店の様子を詳しくご紹介しました。

今回は麻布十番店を実際に訪れ、店内の雰囲気やおすすめのクラフトビール、フードを体験。新店舗ならではの楽しみ方を、たっぷりお届けします。


ネオンの奥に、30タップの別世界


「FETISH CLUBⓇ Azabu-Juban」があるのは、麻布十番駅と六本木駅の間に位置する元麻布エリア。

お店の外観はガラス張りで、通りからも色とりどりの照明が輝く店内をのぞくことができます。まるで「楽しいから入っておいで」と誘われているような…、明るく開かれた雰囲気です。


扉を開けた瞬間、どこか懐かしいディスコを思わせる、賑やかなのにほっとする雰囲気。華やかで遊び心のある空間が、視界いっぱいに広がります。


カウンターには、30個ものクラフトビールタップがずらり。目を引くのは、タップハンドルに使われた、“デコトラ”のシフトノブ。ビアバーらしからぬ意外な組み合わせに驚きつつ、どのタップからどんなビールが注がれるのか…、期待が膨らみます。

螺旋階段の先には、スタッフの「好き」が詰まった空間


かわいらしい螺旋階段を上がった2階にも、客席がありました。

棚に並んでいるのは、昔のアイドルやデコトラの写真集、カルチャー雑誌など、さまざまなジャンルの書籍。スタッフそれぞれが選んだものだそうで、なかには20代のスタッフによるセレクトも含まれているとのこと。世代やジャンルも越えた、自由なラインナップが目を引きます。


そのほかにも、小さなブラウン管テレビや、実際に遊べるというインベーダーゲームのテーブルなどなど…。単にレトロなアイテムを並べたというより、それぞれの好みが自然に店内の空気をつくっているようでした。

クラフトビールを片手に写真集を眺めたり、気になるカルチャーについてスタッフの方と話したり。ビールを飲むだけではない過ごし方ができそうなのも、麻布十番店の魅力です。

30タップに迷ったら、クラフトビール3種の飲み比べから


さて、いざ30個ものビールタップを前にすると、「どれから飲もう」と迷ってしまうもの。

そこで今回は、3種類のクラフトビールを少しずつ楽しめる『飲み比べセット』1,320円(税込)をいただきました。かわいい困り顔のグラスで登場…!

少量ずつなので、最初の一杯を決めきれない人や、さまざまなビールに挑戦してみたい人にもおすすめです。

『SEASIDE FETISH CLUB』(Pint:1,650円/Glass:1,155円)※税込

最初にいただいたのは、定番人気の『SEASIDE FETISH CLUB』(DDH WEST COAST IPA)。口に含むと、イチゴを思わせる華やかな香りがふわりと鼻へ抜けていきます。甘やかな香りとは裏腹に、後味は軽やか。すっきりとキレがあって、すいすい飲み進められそうな一杯です。

『ULTRA』(Pint:1,771円/Glass:1,298円)※税込


金柑をふんだんに使った『ULTRA』(DDH KINKAN HAZY IPA)は、グラスを近づけた瞬間から、果実の鮮やかな香りがふわり。どこかチューペットを思わせる懐かしさがあり、“夏休み”を感じるような味わいです。

この香りを引き出すため、仕込みではたくさんの金柑を手作業で一つずつむいたのだそう。手間のかかる工程を聞くと、ひと口の印象もさらに鮮明になります…!

『CHANDELIER』(Pint:2,090円/Glass:1,595円)※税込



そして、取材メンバーからとくに人気を集めたのが『CHANDELIER』(DDH 梅干 SOUR HAZY DOUBLE IPA)。日本らしい素材を考えるなかで、梅に着目。さらに赤しそや昆布を組み合わせたといいます。

東京でレシピづくりを担うスタッフは、以前、化粧品メーカーで働いていた経歴を持ち、香りへの知識も豊富なのだそう。素材同士の相性や、香りが重なったときの印象を考えながら、ビールのアイデアへ落とし込んでいるのだそう。

梅の甘酸っぱさはどこかお菓子を思わせる親しみやすさがあり、昆布の旨みが味わいに奥行きを添えています。

雑味のないなめらかな口当たりで、これはビールの苦味が得意ではない人にもぜひ試してほしいところ。あまりのおいしさに杯が進みそうになりますが、アルコール度数は8%。ゆっくり、じっくり味わいたい一杯です。

レモンの酸味が爽快!夏に飲みたいクラフトビールも


飲み比べセットとは別に、塩とレモンを使ったビール『DARE』(DDH 塩レモン RICE IPA)もいただきました。

酸味が特徴的ですが、ビールそのものの酸っぱさというより、レモン由来のキュッと引き締まるような味わいです。たとえるなら、部活動やプールのあとに、ごくごく飲みたくなるような爽快感。みずみずしく、体にすっと入っていくような印象でした。

酸味のあるサワービールやフルーツビールを普段あまり飲まない人でも、これなら親しみやすく感じられそうです。


『CHANDELIER』と『DARE』は、それぞれ梅とレモンという異なる素材を使いながら、どちらも酸味がとても心地よく、体にすっと入っていくような感覚。取材メンバーからも「面白いね〜!」と、声が上がりました。

企画担当の方によると、「FETISH CLUB」では「おいしくできたから完成」ではなく、最初に思い描いた味や香りになっているかを大切にしているのだそう。醸造チームと何度もテイスティングし、細かくすり合わせながら、一杯ずつ仕上げていきます。


また、最後に缶でいただいた『VELVET ART』(SINGLE DH BITTER ORANGE IPA)は、熟れたオレンジの果肉を思わせるジューシーさと、ピールのほろ苦さが交互にやってくる味わい。

グレープフルーツやレモン、ハーブを思わせる香りも重なって、華やかでありながら後味はすっきり。個性豊かなサワーエールやフルーツビールを飲んだあとに味わうと、IPAらしい飲み応えに、なんだか「帰ってきた」ような安心感がありました。

おつまみからピザまで。ビールと楽しむフードも充実


個性豊かなビールに合わせるフードも、気になるところ。今回は、おつまみプレートやチキン、ピザをいただきました。

『おつまみプレート』2,480円(税込)は、ブルーチーズやカマンベールなどのチーズをはじめ、生ハム、サラミ、ドライフルーツ、キャロットラペなどが並んだ一皿。


塩気や酸味、甘みなど異なる味のおつまみがそろい、ビールとの組み合わせを考えるのも楽しくて、飲み比べセットと合わせると、それぞれの味の違いをさらに楽しめました。


続いていただいたのは、『ザクザクチキン(タルタルたまご)』1,880円(税込)。その名の通り、衣の小気味よい食感が魅力でした。ほどよい酸味のあるまろやかなタルタルソースがたっぷり乗った、自然とビールに手が伸びる一品です。

ピザは、『しらすとカラスミのミニピザ』(1,280円/税込)『生ハムミニピザ』(1,380円/税込)の2種類をチョイス。


直径約15cmほどの小ぶりなサイズながら、生地はもちもちとしていて食べ応えは十分。一人で楽しむにも、友人とシェアするにもほどよいサイズで、ほかの料理やビールとの組み合わせも広がります。

クラフトビールを何杯か飲むと、想像以上にお腹が満たされるもの。大きすぎず、気軽に注文できるサイズのピザがあることに、お店のさりげない心遣いを感じました。

麻布十番で見つけた、何度でも通いたくなるビアバー


30タップから気になるビールを選び、料理と合わせながら、店内に並ぶ写真集やインベーダーゲームに目を向ける。ビールを飲む時間の中に、いくつもの楽しみが自然に重なっていく「FETISH CLUBⓇ Azabu-Juban」。

個性豊かな一杯に出会えるのはもちろん、スタッフそれぞれの「好き」が詰まった空間を眺める時間も印象に残りました。


一人でゆっくり味わう日も、友人と飲み比べや料理を囲む日も、訪れるたびに違う楽しみ方が見つかりそうです。

次はどの一杯を選ぼうかな。店を出たあとにも、そんな余韻が残る場所でした。

 FETISH CLUBⓇ Azabu-Juban

住所:東京都港区元麻布3-10-2
アクセス:麻布十番駅徒歩7分/六本木駅徒歩7分/麻布十番駅から348m
営業時間:14:00 - 22:30 L.O. 22:00
公式Instagram:@fetishclubbeer


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すずきあゆみ ライター・編集者

ライター・編集者として、食やカルチャー、働き方など、さまざまな分野の記事を制作。美術家としても活動し、素材や人との出会いをたのしみながら作品をつくっています。クラフトビールは、味わいはもちろん、醸造の背景やお店ごとの空間まで含めて知りたい派。ビールと料理、その場に流れる時間も味わいながら、気になるお店を巡っています。

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