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Bar 【東京・西早稲田】系列店は、二郎系ラーメン屋?!クラフトビールとコーヒーの店「DREAMSPARK Brewing WASEDA」に行ってきた

2025/08/05

東京都新宿区西早稲田。

早稲田大学を中心に発展した学生の街であり、学生向けの飲食店で賑わう一方、閑静な住宅街や緑の多い公園もあり、活気と静穏の二面性を持つエリアです。

特に、食べ盛りの学生が好むラーメン屋は超激戦区。高田馬場から早稲田にかけて、約20軒ものラーメン屋が点在しています。


そんな街の中にポツリと、2025年2月、1軒のクラフトビールとコーヒーの専門店が誕生しました。その名もDREAMSPARK Brewing Waseda(ドリームズパーク・ブルーイング ワセダ)」(以下、DREAMSPARK

なんと、同じく早稲田内にある二郎系ラーメン屋「Life is Better... from Yume Wo Katare」(以下、Life is Better...)の系列店なのです!

なぜ二郎系ラーメン屋がクラフトビール屋をはじめたのか。そこではどんなビールが楽しめるのか。その背景と魅力を探りに、お店に行ってきました!

駅から店まで徒歩6分


お店の場所は、東京地下鉄副都心線「西早稲田駅」から徒歩6分

早稲田大学をはじめ、慶應大学、上智大学、東京大学など、次世代のグローバル人材を目指す大学生・大学院生が入居する国際学生寮「U Share Student Nishi Waseda」の1階にあります。

営業時間は、13:00〜22:00(日曜のみ19:00迄、火曜定休日)なので、「昼からビール、夜までコーヒー」という自由奔放な楽しみ方ができるのも嬉しい。


お店を切り盛りするのは、叶あゆみさん(以下、あゆみさん)と平塚旦さん(以下、ダンさん)のご夫婦。

ダンさんは、Life is Better...の店長でもあるため、基本的にはあゆみさんがお店に立ち、ダンさんはお店を行き来しています。

とっても気さくで優しいお二人の人柄は、ビールを飲む前から『あ、来てよかったな』と思えるほど癒されます。


店内は約7坪で、席数は12席。立食にも対応しています。カウンターは、ビールを注いだりコーヒーを淹れたりする様子が見える特等席。


キュッとしている小さな空間ですが、座ると他の人と目が合わないテーブル配置になっているため、1人の時間を大切にしたい人も、周りを気にしすぎず自分の時間にゆっくり浸ることができるのが魅力的です。

お店の使い方にも寛大で、誰かとワイワイ会話をしに来る人も、ゆったり本を読みにくる人や勉強をする人もOK。店内にはWi-Fiや電源もあり、PCを開いて作業をすることも可能です。1人でも大人数でも、ペット連れも大歓迎!


店内BGMは、アナログレコードで流しているのも魅力の1つ。家にあるレコードを持ってくると流してくれます。


また、DREAMSPARKが入る建物「U Share Student Nishi Waseda」は、地下と屋上に貸切スペースを保有しています。


場所だけの貸切はもちろん、DREAMSPARKにビールや料理の提供を依頼することも可能です。さらに、BBQの機材も貸し出ししているので、都心の景色を一望できる屋上ではBBQを楽しむことも!

決まったプランはなく、使い方も予算も相談次第なので、気になる方はぜひDREAMSPARKに問い合わせてみてくださいね。


様々なブルワリーに出会えるラインナップ


ビールは、タップで4種類を提供。IPAを中心に様々なビアスタイルを提供しています。

世の中には素敵なビールやコーヒーの生産者がたくさんいることを、知ってもらう機会を作りたいという想いがあるため、来る度に違う銘柄を楽しめるように、頻繁にブルワリーや銘柄が変わるような仕組みにしているそう。


お店では、過去のラインナップも一覧で見ることができますが、確かにブルワリーが全く偏っておらず、幅広い印象。DREAMSPARKに来ると、新しい生産者(ブルワリー)と出会う機会が増えるかもしれません。

また、現在はゲストビールのみですが、ゆくゆくは自社でブルワリーを構えてオリジナルビールを醸造する予定で、ラインナップに加えて行くとのこと。

ちなみに、ビールの詳細が載っているこのカードは、あゆみさん作のオリジナルカード!ビールを頼むと必ず1枚もらえます。コーヒー屋さんの、飲んだコーヒーの情報が載ったカードを配る文化から着想を得たのだそう。ブルワリーやビールの味わいを表現したデザインが可愛くて、つい集めたくなっちゃいます。


この日おすすめでいただいたのは、GRANDLINE BREWING『Episode#02。ホップ由来のミルキーなフレーバーと柑橘香を楽しめる、滑らかな口当たりのヘイジーダブルIPA。アルコールは8.0%。奥深い味わいで飲みごたえは抜群ながらも、甘ったるさやしつこさは全くなく、アルコール8%を感じないほど軽やかな味わいです。

ちなみに、GRANDLINE BREWINGのブルワー 立花薫さんは、DREAMSPARKのビールの監修者としてお店に携わっています。

心地よい酸味のスペシャリティコーヒー


コーヒーは、常時8〜10種類ほど提供しています。

豆は、スペシャリティコーヒー(※1)に注力する代々木上原のコーヒーショップ「Acid Coffee Tokyo」で焙煎したものを使用。基本的に酸味のあるコーヒーが多いそうですが、酸化が原因ではなく、豆本来のフルーティな酸味を発酵の段階で引き出したものなので、ライチ、オレンジ、ストロベリー、メロン、パイナップル…など、豆によっていろんな酸味を楽しめるのが特徴です。

※1 栽培からカップに注がれるまで徹底した品質管理をし、生産地特有の個性や風味を最大限に引き出す高品質なコーヒーのこと。


ダンさんは、元々苦いコーヒーしか知らなかったものの、「Acid Coffee Tokyo」の元となる東中野のバー「COFFEE BAR GALLAGE」で新しいコーヒーの魅力を知り衝撃を受け、コーヒーに目覚めました。

そして、コーヒーを淹れる技術も上げたいと思い、月1.2回は「Acid Coffee Tokyo」に通い、3.4時間ほどコーヒーの淹れ方やおすすめの方法を勉強しているのだそう。せっかくの美味しい豆の良さを提供する段階で潰したくない、という信念に心を打たれます。


1つ1つ豆の香りを嗅がせてもらい、今回フィーリングで選んだのは、サンチュアリオ農園の「COLOMBIA。コロンビアで発見された希少なコーヒー豆の品種「アヒ(AGI)」をウォッシュドプロセス(※2)して、ライムやバジル、グレープフルーツピールのような味わいを引き出したものです。

※2 収穫したコーヒーチェリーから果肉を取り除き、水に浸して発酵させ、その後水で洗い流して乾燥させる方法。


一口飲んでみると、市販のコーヒーではなかなか味わえないフルーティなアロマと酸味が!飲み続けても全く疲れないような軽やかな味わいで、スッキリした印象ですが、何層にもなっている香りや味わいの奥深さを感じられます。

Life is Better...のラーメンとシメプレッソ
ちなみに Life is Better...でも、ラーメンを食べた後の“シメプレッソ”として Acid Coffee Tokyoのエスプレッソを提供しています。

ラーメンを食べた後にエスプレッソをキュッと飲む文化があったら面白いよねと、Acid Coffee Tokyoのオーナーが提案してくれたんです。確かにラーメンを食べ終わった後って、口の中が脂っこいからスッキリしたいじゃないですか。でも美味しいコーヒー屋さんが見つからず彷徨っているうちに、その気持ちが冷めてきちゃって、諦めて適当なコーヒーを飲む、みたいなことが度々あったんですよね。なので、同じ場所で一気に楽しめたらいいじゃん!と思って。コーヒーって消化を助ける作用もあるし。」とダンさん。

この楽しみ方を知ってしまってからは、エスプレッソはラーメンを食べた直後が一番美味しいなと思うくらいになったのだそう。

ラーメン屋の本格チャーシューをつまみに


フードは、「ピクルス」や「パパイヤの漬物」など、サクッとつまめるライトなものが多め。


中でもおすすめは、Life is Better...で提供しているチャーシュー柔らかしっとりで、最高のつまみです。

さらに、チャーシューの味付けを変えてタコライスを作ったり、カレーを作ったりと、試行錯誤してメニュー開発をしている段階とのこと。乞うご期待です!



二郎系ラーメン屋が、ビール屋をはじめたワケ


しかし、どうして二郎系ラーメン屋が、クラフトビールとコーヒーのお店を始めたのでしょうか。

その背景には、二郎ラーメンを介してボストンで出会った3人がいました。


1人は、ダンさんの師匠・西岡津世志さん(写真右)。「Life is Better...」「DREAMSPARK」の母体となる二郎系ラーメンの店「Yume Wo Katare」のオーナーです。

元々芸人だった西岡さんは、当時「ラーメン二郎 神谷支店」に感銘を受け、芸人を辞めて弟子入り。独立をして「ラーメン荘 夢を語れ」を京都でスタートした後は、ラーメン荘グループを数多く展開し、関西二郎系のパイオニアとして活躍します。その後ラーメン荘は後継者に譲渡し、2012年、アメリカ・ボストンに「Yume Wo Katare Boston」をオープン。真冬の-20℃の日にも行列を作るほどの人気店になりました。

そんな西岡さんは、ボストンへの出店を機に、アメリカのクラフトビールに出会います。元々ビールが好きではなかったものの、こんなにおいしいビールがあるんだ!これなら自分も飲める、と衝撃を受けたのだそう。

しかし、2012年頃の日本にはまだクラフトビールの醸造所は多くなく、「こんなビールがもっと日本でも飲めるようになったら」「自分でこんなビールを造りたい」という次の夢を抱くようになりました。

ボストン時代のダンさん
時を同じくして、「Yume Wo Katare Boston」にお客さんとして現れたのが、アメリカ留学中のダンさん

ダンさん「ラーメンが大好きだった僕は、留学中は日本の二郎系ラーメンが無性に食べたくなってしまったんですが、そんな時に「Yume Wo Katare Boston」の存在を知って。お店まで車で1時間半かかる場所住んでたんですけど、毎月通いました。その結果、西岡さんから『いつうちに入るの?そんな好きなら働きなよ』と声をかけてもらえて(笑)アルバイトから始まり、2015年に弟子入りしてから2017年までの3年間修行しました。


その時の常連客には日本人もいたそうですが、そのうちの1人が、のちに神奈川県横須賀市のGRANDLINE BREWINGでブルワーになる立花薫さん(写真右)でした。仲良くなった2人は、共通の友人が住むシェアハウスに集まり、一緒にクラフトビールを飲みながら、ビール談義をする日々を送っていたのだそう。


それからダンさんは、帰国後に沖縄で「Yume Wo Katare Okinawa」を開業。さらに数年後には、東京でお店を開きたいという夢を叶え、西早稲田で「Life is Better... from Yume Wo Katare」をオープンします。

ダンさん「Life is Better...をオープンしてから、僕自身が早稲田に馴染んできて。この街に愛着を持ち始めたと同時に、学生ありきな商売をしているお店が多いことを勿体なく感じたんですね。例えば、学生がいなくなる夏休みの時期は閉める店が多かったり。学生にずっと愛されてきた老舗があることも素晴らしいけど、ずっと若いままの学生に合わせた魅力的な新しいお店があまり生まれないのが残念だなと思って。ちょうどその頃、コーヒーの魅力にのめり込んでいたこともあり、『この街をもっとかっこよくするために、いつかビールとコーヒーのお店も出したい』と考えるようになったんです。


それが、師匠・西岡さんの「いつか日本でクラフトビールを造りたい」という夢と重なり、タッグを組むことに。

さらに、アメリカでビールを飲んでいた仲間であり、現在は日本でブルワーとして働く立花さんにはDREAMSPARKのビアコーディネーターとして入ってもらい、提供ビールの選定や、オリジナルビールのレシピの監修をしてもらうことに。

こうして、ボストンで出会った3人の縁と夢が交差し、「DREAMSPARK」が誕生しました。


店名の「DREAMSPARK」は、「Dreams(夢)」「Park(公園)」「Spark(火花)」を合わせた造語。夢にあふれた公園のような場所で、夢が火花のように生まれる場所であるようにという意味がこめられています。

ちなみに、ラーメン業態の「Yume Wo Katare」は、夢を語ることができるラーメン屋。自分の夢を語りたい人は、ラーメンを食べた後に店内で語る機会が与えられ、みんなで応援しあうという一風変わった文化があります。そんな“夢”を大切にする会社の理念が、DREAMSPARKの方にも表れています。

ダンさん「でも、夢がないと来ちゃいけないなんてことは全くないです!夢があってもなくてもOK!とにかく気軽に来て欲しいです。

追々オリジナルビールを醸造する予定もあるため、店名には「Brewing」が入っています。造ったビールは、全国の「Yume Wo Katare」系列店にも瓶や樽で卸せるようにと考えているのだそう。「Yume Wo Katare」でビールとラーメンのペアリングを楽しめる日は近いかもしれません。


また、Life is Better...の理念も、DREAMSPARKに通ずるところが。

ダンさん「コーヒーもビールも、人間生きていく上で必須ではないんですよね。でも、なくても生きていけるものが何故こんなに世の中に溢れているのかというと、人生をより豊かにしてくれるからだと思うんです。それに対して情熱を注いでる生産者がいて、彼らが楽しんでいるとそれが僕らにも伝わって、僕らの人生も豊かになる。そうやって繋がっていく。

お店を営む上で、「Life is Better...(=“人生はより豊かになる”)」という思想が一貫している店主のダンさん。そのアツい想いが、ダンさんが提供するラーメン、ビール、コーヒー全てに溢れ出しています。

夢は、早稲田をより元気にすること


2025年2月にオープンし、自社ブルワリーの開設も控えているDREAMSPARK。今後の展望についてダンさんとあゆみさんにお伺いしたところ、「とにかく早稲田の街を盛り上げることに努めたい」という言葉が返ってきました。

あゆみさん「自分たちが営んでいるお店はもちろん、他にも早稲田にはたくさん良いお店があるので、早稲田の街の一部として、周りのお店と協力していろんな企画を打っていきたいです。例えば、他のお店の料理とうちで提供しているクラフトビールを一緒に楽しめる仕組みを作ったり、早稲田マップを作って配布したりとか。野望はたくさんあります。

ダンさん「いつかDREAMSPARKで早稲田のオリジナルビールも造りたいですね。


また、オープンから数ヶ月にも関わらずイベントも積極的に開催していて、これまではランニング後にビールで乾杯するイベントや、沖縄の人気かき氷店とのコラボイベントなど、幅広いジャンルのイベントを行ってきました。

テナーサックス奏者の中根佑紀さん (写真右) と、ドラム・海老原颯さん(写真左)によるJAZZLIVEは、定期開催を予定しています。

今後もいろんな角度から楽しんでもらえるイベントを定期的に開催する予定とのことなので、ぜひInstagramをチェックしてみてください。

Up to you!自由奔放に楽しんで



DREAMSPARKとLife is Better...の距離は徒歩15分程度なので、“ラーメン⇨ビール”のはしごにもぴったり。ラーメンを食べてお腹いっぱいになった状態でDREAMSPARKまで歩くと、程よくお腹が落ち着いたタイミングでビールやコーヒーを飲めて、有意義な楽しみ方ができます。

実際、はしごしているお客さんも多いそうで、これまでクラフトビールに慣れ親しんでいなかった Life is Better...のお客さんがビールの魅力を知ってくれたり、逆にDREAMSPARKにビールを飲みにきた人が二郎ラーメンを食べにきてくれたりと、相乗効果でそれぞれの間口が広がっているのが嬉しいと話してくれたダンさん。


ダンさん「それに、ラーメン屋って滞在時間が短いので、基本的にスタッフとお客さんのコミュニケーションが限られてしまいます。ラーメン屋の中に立っている人って黙々と作業をしているので、どんな人なのかわからないもんね。なので、Life is Better...のお客さんがDREAMSPARKに来てくれたとき、『実はよく喋る人なんだね!』と言われたこともあります(笑)そうやって、お客さんと仲良くなれている気がするのも嬉しいです。


もちろん、はしごせずに1杯飲みにくるだけもOK!仕事しても、勉強しても、お喋りしても、ペットもOK!

ダンさんとあゆみさんは、「うちでは、とにかく自分の好きなように楽しんでほしい。“Up to you”です!」と話してくれました。

こだわりのおいしいクラフトビールとスペシャリティコーヒー。そしてラフで優しい人柄のダンさんとあゆみさんが待つDREAMSPARKに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

 DREAMSPARK Brewing Waseda

〇住所:〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2丁目18−25(Googleマップ
〇アクセス:東京地下鉄副都心線 西早稲田駅から徒歩6分
〇営業時間:
[月・水〜土]13:00〜22:00
 [日曜]13:00〜19:00
〇定休日:火曜
〇Instagram:https://www.instagram.com/dreamspark_brewing.waseda/

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さっこ 編集長

「ビール女子」編集長。記事の企画・編集やイベントの運営を担当。小さい頃から、両親が毎日ひたすらビールを楽しそうに飲む姿を見てきたため、「私もきっとビール好きなのだろう」という根拠のない自信と、「大人になったらおいしく楽しくビールを飲みたい」という夢を抱いて育つ。そして、20歳の誕生日を迎えてすぐベルギービールの店で働きはじめたところ、案の定魅了されてビールの世界に溺れ、今に至る。

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