「音楽フェスで、クラフトビールが飲めたらなあ…」そんな夢を持つ音楽好きなクラフトビアバーの社長が、自らの手で実現したフェスがあります。
その名も「CRAFTROCK FESTIVAL」!
クラフトビアマーケットやCRAFTROCK BREWINGを運営する株式会社ステディワークスが手がけるフェスとして、2014年の晴海ふ頭からはじまり、今年は記念すべき10周年を迎え、盛大に開催されました。
筆者も音楽が好きで、他のフェスにも度々赴きますが、個人的に最も好きなフェスと言っても過言ではないくらい大好きなCRAFTROCK FESTIVAL。クラフトビールと音楽により、多幸感であふれるイベントです。
そんな「CRAFTROCK FESTIVAL'24」が2024年5月11日・12日で開催されたので、編集部で潜入してきました!どんな会場で、どんな風にビールや音楽を楽しめるのか。来年の参考としてご覧ください!
屋内外どちらも楽しめる、立川ステージガーデンで開催
2024年は、去年に引き続き、立川駅北口から徒歩11分の場所にある「立川ステージガーデン」が会場。
ステージは、音響設備抜群の屋内「ホールステージ」、ひらけた空の下心地よく音楽を聴ける「屋外ステージ」の2つのエリアに分かれています。
演奏が始まる前の屋外ステージ前は、広場のようにくつろげるので、座ってビールや食事を楽しみながら次の出演者を待っている人たちがたくさん。
屋内外どちらにも休憩できる芝生やベンチがあるので、混雑していてゆっくりできない…!という心配は入りません。各々の時間を楽しく過ごせます。
充実したビールのラインナップ
ブルワリーは、8店舗が出店。
これまでのご縁で出店ブルワリーを決めたのだそうですが、今年はさらに、CRAFTROCK FESTIVALを運営する株式会社ステディワークスの自社ブルワリー「CRAFTROCK BREWING」が最も影響を受けているブルワリーとして、アメリカの「Firestone Walker Brewing」も出店!ビール造りのお手本にもしているほど尊敬するブルワリーとのことで、気合いが感じられます。
《東京》CRAFTROCK BREWING
フェスを主催する株式会社ステディワークスの自社ブルワリー。「どこまでもクリーン、心地良く響く音楽のように心を踊らせる味わい。毎日でも、どんな時間帯でも飲みたいビール」をモットーに、音楽からビールを自由に発想し、醸造。
《東京》KUNITACHI BREWERY
東京・国立の醸造所。時代の移ろいとともに捉え直され、脈々と受け継がれていく音楽のようにビールが一つの文化として続いていくよう、「古いは新しい」を醸造哲学に掲げ、伝統的なビアスタイルに敬意を表し、探求を重ねるとともに、日本独自のビアスタイルの創造にも取り組んでいます。
《神奈川》Passific Brewing
「海を越え、山を越え、ビールと旅するブルワリー」をコンセプトとして、2021年9月より茅ヶ崎市にてビールの醸造を開始したぶるわりー。「歴史に学び、現代を生きる」をモットーに伝統に縛られず、流行に流されないビール作りをしています。
《栃木》USHITORA BREWERY
“自由と快楽を追求して本気でふざけるブルワリー”として、定番ビールをもたずに季節にあったビールを醸造するブルワリー。直営店を下北沢に2店舗、渋谷に1店舗構える。下北沢の一号店は2004年3月オープンと、下北沢にて20年も営業しています。
《長野》志賀高原ビール
1805年に志賀高原の麓で日本酒の蔵元として創業し、2024年に20周年を迎える志賀高原ビール。ホップや酒米などを自家栽培し「農」に直接関わりながら「この地ならではの、自分たちが飲みたいビール」を醸しています。日本ではまだ珍しい、ウィスキーやワイン樽熟成のビールへの挑戦など「遊び心」も持ち味。
《奈良》奈良醸造
2018年6月に醸造開始した、奈良市にある醸造所。地元奈良産の食材を使ったビールから、海外のビールメーカーとのコラボレーションなど、「ビールを選ぶ楽しみを!」をモットーに様々なビール造りを行っています。
《カリフォルニア》Firestone Walker Brewing Company(ナガノトレーディング)
全米最大級のビール品評会のWorld Beer Cupで4度、Great American Beer Festivalでも4度にわたりブリュワリーチャンピオンを獲得した全米最高峰のブリュワリーの1つ。ロゴに描かれているイングランドを代表するライオンとカリフォルニア州旗のクマは、カリフォルニア州のワイン農家で育ったアメリカ人のアダム・ファイアストーンと彼の義理の兄弟でイギリス出身のデビッド・ウォーカーにちなんだもので、クラフトビール造りに対するスタンスも表しています。
《ニューヨーク》Hudson Valley Brewery
アメリカ、ニューヨーク州ビーコンに位置するブルワリー。サワーIPAというカテゴリーでユニーク、かつオリジナリティ溢れるビールを造り出し、世界中のクラフトビール愛好家を熱狂させています。洗練されたオシャレなアートワークにも注目。
この日はたくさんビールを楽しみましたが、そのうち2種類をご紹介!
■オルタナティブIPA(CRAFTROCK BREWING)/税込700円
■pivo(Firestone Walker Brewing Company)/税込700円
ちなみに、ビールの楽しみ方はふたとおり。お店で用意されているプラカップでいただくか、グラウラー(持ち込み・現地購入どちらも可)にビールを入れて直接飲むか。
屋外ステージでは、プラカップでビールを持ったままステージを楽しむことができますが、ホールステージにはプラカップの持ち込みができないので、どっちでもビールを楽しみたい!という方は、グロウラー必須です。
グロウラーは普段使っているものの持ち込みもokですが、CRAFTROCK FESTIVALのオリジナルグロウラーが付いたチケットも販売しています(オリジナルグロウラーは現地受け取り)。
また、この日は、グロウラーブランド「REVOMAX」も出店していました!
キャップや滑り止めのゴムの色を好きなものにカスタマイズできるようで、とってもかわいい…!!!
フェスのお土産として購入していくのも思い出になって嬉しいですね。
ビールだけでなく、フードも充実。「CRAFTROCK BREIWNG」と、下北沢のホットドッグ屋「SUNNY HOP」の2つが、フードトラックで出店していました。
再入場もできて、会場付近には飲食店も豊富にあるので、一度休憩で抜けてもっとガッツリ食べたい!という方も安心です。
豪華な出演ミュージシャンたち
ビールとともにフェスの主役となったミュージシャンたちは、こちらのラインナップ。1日目(2024年5月11日)
2日目(2024年5月12日)
フェスって、観たいアーティストの出演時間がかぶってしまうことがあり、もどかしさを感じることもありますが、今回のCRAFTROCK FESTIVAL'24はどのステージも時間帯がかぶっていないのが嬉しい!
今回は、編集部が潜入した2日目のステージを、タイムテーブルごとに紹介します。
■ayutthaya
2日目のカンパイアクト(オープニングアクト)を務めたのは、オルタナティブロックバンド「ayuttaya」。真っ直ぐで柔らかな女性ボーカルに、爽やかなサウンドが響き渡る会場。気持ちを一気にフェスへ引き込んでくれるような、1杯目のピルスナーのように喉越し良いサウンドで、曇り空も気にならないほど晴れやかな気持ちに。
■YONA YONA WEEKENDERS
ホールステージのトップバッターは「YONA YONA WEEKENDERS」。メロコア・パンク出身の4人組バンドで、シティポップなサウンドと甘いボーカルがなんともビールに合って心地いい。メンバーもお酒が大好きで、観客にビールを楽しむようどんどん煽っていき、揺れる身体もビールを口に運ぶ手もずっと止まらない、最高な時間が流れていました。
■DENIMS
「DAME NA OTONA」でライブをスタートした、「DENIMS」。カントリーやファンク、ジャズなど、いろんなジャンルを盛り込んだ音楽を奏でる、大阪発の4人組バンドです。あまりの軽快でゆるいグルーヴ感に、ビールやフードを購入している途中で曲が始まってしまい、まだステージへ向き合えていない人たちも、列に並びながら思わず体を揺らしていました。
■YOUR SONG IS GOOD
オルガンインストゥルメンタルバンド「YOUR SONG IS GOOD」。ギターやドラム、キーボードに限らず、トロンボーンやサックス、フルートなどの管楽器を軽快に奏でる彼らの演奏形態は、今回のフェスでは唯一無二な存在で光り輝いていました。あまりのかっこよさに、自分の世界に入り込んで踊りまくる観客がたくさん。南国が幻覚で見えてきそうなくらい温かいサウンドでした。
■Keishi Tanaka
これまでのステージで上がり過ぎたボルテージを安らかにしてくれるような「I'm With You」で始まった、シンガーソングライター「Keishi Tanaka」のステージ。一度クールダウンしたと思いきや、後半にかけてポップな曲の連続!やはりどうしたって、ビールを飲む手を止めてくれないミュージシャンたち(嬉しい)。
■TENDRE
ギターや鍵盤、サックスなどを演奏するマルチプレイヤー・河原太朗のソロプロジェクト「TENDRE」。リハーサルから『重ねちゃいますか』と言いながら「DOCUMENT」を演奏してくれたり、『みんなちゃんとビール飲んでる?』と客席とコミュニケーションをとりながら乾杯してくれたり。他のフェスでは見たことのないTENDREのお茶目な部分も垣間見ることができて、メロメロでした。
■DYGL
ニューヨーク・ロンドンで活動しつつ、数年前から東京を拠点に移した4人組バンド「DYGL(ディグロー)」。全編英語の歌詞とコンテンポラリーなサウンドで、穏やかに身体を揺らす観客たち。新曲だけでなく、初期に作って以降音源化されていない「Just say it Tonight」も披露し、贅沢すぎる時間に。
■chelmico
チャーミングな女性ラップユニット「chelmico」が登場するやいなや、満席になったホールからは大歓声が。自由に踊るように客席を煽ったり、コール&レスポンスをレクチャーしたり。観客全員がジャンプして手を挙げて振って、最初から最後まで一体感に包まれたアツいステージでした。
■ミツメ
東京を拠点に活動するバンド「ミツメ」。この頃には日が暮れてきて、同じ野外ステージなのに、DYGLの時とは雰囲気が一変。ビールを飲まずに演奏するミュージシャンも多い中、ビールを飲みながら演奏してくれるのが、観客との親近感をより高め最高なムードに。後半戦に入り、少し疲れてきた身体を休ませてくれるような柔らかいサウンドが心地よい。
■TESTSET
2021年、METAFIVEの特別編成として生まれた4人組バンド「TESTSET」。ステージ後ろに映し出される独特な世界観の映像と音楽が合わさり完成されたステージがあまりにも魅力的で、終始世界観に惹き込まれてしまいました。「屋外ステージでの彼らも観てみたいけど、それにしてもホールステージが似合うバンドだなあ…」とうっとりしている間に終わっていました。TESTSETライブレポ
— CRAFTROCK FESTIVAL (@craftrockfes) May 12, 2024
The HALL MAIN STAGEのトリ前を務めたのは、TESTSET!ステージバックに幾何学模様の映像が映し出されると、「El… pic.twitter.com/53dR1JYAUe
■toconoma
屋外ステージの最後を飾ったのは、4人組のジャムバンド「toconoma」。観客が思わずハンズアップやクラップをしたくなるようなリズミカルなサウンドを奏で、ずっと立ちっぱなし&お酒で疲れてきた観客の体を叩き起こしてくれました。大トリの「never young beach」へつなぐバトンもバッチリ。しっかりボルテージが上がった状態で、屋外ステージは幕をおろしました。
■never young beach
お揃いのハッピを着て登場した「never young beach」。最後はホールステージと屋外ステージを遮る壁が取り除かれ、屋外屋内が一体となる超巨大ステージに!体に染み渡りまくったアルコールと心地よいサウンドに踊らされる観客たちの多幸感・一体感が半端じゃなくて、2階席から全てを見渡していた私は思わず泣きそうに。最後アンコールでは「お別れの歌」で締め、最高のステージで終了しました。
20周年に向けて走り続けるCRAFTROCK FESTIVAL
大盛り上がりで幕を閉じた、CRAFTROCK FESTIVAL '24。
大トリを飾ったnever young beachのボーカル・安部勇磨さんがステージ上で話した言葉「これまで出演してきたステージの中で、一番すごい盛り上がりかもしれない(笑)」が忘れられないのですが、その言葉の通り、恥ずかしがって棒立ちになっている様子の人は1人もおらず、最後には全員が一緒に歌って踊っていて、会場には笑顔が溢れ返っていました。
会場全体がキラキラしていて、なんて多幸感に溢れているんだ…!と、筆者自身も2階席で会場を見渡しながら涙が出そうに。
当日の様子は、YouTubeでもアフタームービーとして公開されました!来年の予習としてぜひご覧ください。
来年は、どんなビール・音楽が楽しめるのか?「CRAFTROCK FESTIVAL'25」もお楽しみに!
CRAFTROCK FESTIVAL'24
○日時:2024年5月11日(土)・12日(日)○場所:立川駅 北口から徒歩11分 立川ガーデンステージ
〒190-0014 東京都立川市緑町3−3 N1
○公式HP:https://craftrock.jp/fes2024/