やわらかな日差しに、春の気配を感じはじめる3月。道ばたの花が咲きはじめたり、風の匂いが少し変わったりと、季節が確かに動いているのを感じます。外で過ごす時間も増えてくるこの頃、散歩のあとに飲む一杯は、どこか軽やかで前向きな気持ちを運んでくれます。
2026年3月も、イラストレーター・natsuruによる、ビールとの日常を描いたビールカレンダーをお届けします。月はじめの気持ちの切り替えとともに、スマートフォンの画面をビールで染めてみませんか。
連載「いつもの日常に、わたしとビールと。」
おうちでゆったりとくつろいでいるとき、はたまた外へでかけたとき。いつでも、どんなときでも寄り添ってくれるビールたち。そんなビールと過ごすなにげない日常を、イラストレーターnatsuruが描きます。

(これまでの「いつもの日常に、わたしとビールと。」はこちら)
おうちでゆったりとくつろいでいるとき、はたまた外へでかけたとき。いつでも、どんなときでも寄り添ってくれるビールたち。そんなビールと過ごすなにげない日常を、イラストレーターnatsuruが描きます。

(これまでの「いつもの日常に、わたしとビールと。」はこちら)
春のはじまりでの出会い
上着を羽織らなくても、ぽかぽかとした陽気のなかを散歩できるようになった。いつもの散歩道にも、ふとした変化が増えてきた。道端の小さな花、やわらいだ日差し、風に混じる土の匂い。冬のあいだ縮こまっていた体が、ゆっくりほどけていくのを感じる。
角を曲がった先で、白い猫と目が合った。塀の上にちょこんと座り、こちらをじっと見つめている。私もじっと見返しながら、「ひなたぼっこを邪魔してごめんね。すぐ行くからね」と心のなかでつぶやく。たったそれだけのやりとりなのに近づいても逃げるでもなく、なんとなく心が通じているのかもと感じた。猫はやがて伸びをして、春の光のなかへと消えていった。
家に戻り、散歩の余韻をまとったままグラスに注いだのは、香川県にあるSETOUCHI BEERの『SETOUCHI SHIRONEKO WEIZEN』。バナナを思わせるほのかな甘い香り。ひと口飲めば、まろやかな口あたりと軽やかな余韻が広がる。その白くやさしい味わいが、さっき出会った猫の姿と重なる。
いつもの散歩でのほんの一瞬の出会い。そして、静かに味わう一杯。そんな、春のはじまりでの出会いで、ほろほろと心も体もほどけていく。
Illustration:natsuru(@NaTsuRuuuu)
Text:山吹彩野
\待ち受けにしてみて/


お酒は二十歳になってから。
