Bonjour!!
すでにドイツに入国しているのでこちらでの挨拶はもっぱらGuten Tag!!ですが、ドイツのコラムに入る前に、ブリュッセルで立ち寄ったビアバーをご紹介しましょう。
以前、赤坂sansaさんで行われた造り手を呼んでのビアトークのイベントにてお会いした、スイス BFMのジェローム氏に「ブリュッセルに行くんだけれど、おすすめのお店ない?」と聞いたところ、教えてもらったのがこのお店、Moeder Lambic(ムーデルランビック)。
お店に入るなり、カウンターの長さとそこに並ぶサーバーの数は圧巻。せっかくなのでカウンターをリクエスト。ベルギー国内外を含め、常時タップで30種類以上が用意され、さらにもちろんボトルもあります。そのうち、私の大好きなサワーエールも数種類。日本でもごくわずかなビール愛飲家の中で苦味ブームの後に来るのは酸味だ!!とひそやかにサワーエールブームの到来が期待されていますが、ベルギーでは野生酵母を使ったランビックやそのランビックを数年熟成したものとブレンドしたゴーゼ(グースビール)、または果実を漬け込んだクリークなども一般的。その奥深さを知るとさらにベルギーの旅の世界が広がります。
まずは泡々のシンクの中にあるブラシにグラスをあててゴシゴシ、あわあわ・・・。
そしてきれいな水を張ったシンクにジャボン。
そしてとなりの台に逆さに置いて水を切る・・・。それだけ!!
美味しいビールを提供するための作業はいたってシンプル(笑)。
まずはブリュッセルの偉大な醸造所、カンティヨン醸造所のゴーゼをオーダー。辛口のランビックを造るカンティヨンならではのゴーゼで、熟成を経てマイルドになったものとブレンドされているとはいえ、鮮烈な酸味に目が覚めるようです。でも、この酸味、どこか懐かしさを感じる、わたしにとってはおじいちゃんの梅干に近かったりも・・・(笑)。
ベルギービール初心者におススメするなら・・・と店員さんが選んでくれた、コントレラス醸造所のヴァレイアー・エキストラ。とっても飲みやすく、でもどことなくスパイシー。ごくごくいけてしまいそうです。
そして、ちゃーんとしっかり、ありました、ジェロームのAbbaye de St.Bon-Chien。
しっかりした酸味とワイン樽で熟成されたブドウの香りが程よい複雑さを与えていて、高めのアルコール度数で気持ちよくほろ酔いに。
こうして、日本人の私が、東京で出会ったスイス人のジェローム氏に教えてもらったブリュッセルのお店でビールを飲んで、さらにベルギー人の店員さんにおすすめを教えてもらう、という、一杯のグラスを通じたインターナショナルな交流。言葉の壁はあっても、美味しいと思う気持ちは人の心を動かします。そこにはそれぞれの造り手が思いを込め、店員さんがグラスに思いを乗せた、とっても美味しいビールがあったのでした。
ビール女子