ハナウタアヤノのビアバーノオト Column 『ハナウタアヤノのビアバーノオト』音と酒が“共存”!『赤星』推しのビール班長が作る“好き”が集まる空間【飲み屋えるえふる】〜後編〜

2017/08/06

「音楽にこだわりのあるビアバーの店主に、音楽とビールのこだわりを聞いてみたい!」という連載「ハナウタアヤノのビアバーノオト」。


第4回目は、京王井の頭線の新代田駅から徒歩2分、下北沢からも歩いて行ける環七通り沿いの「飲み屋 えるえふる」(http://listenandfood.red)です。前編はこちらから


良い音楽とおいしいお酒、ちょっとのおつまみ



ーお店で流すのはどんな音楽ですか?

會田:たまに好きなのをかけたりもしてますけど、基本的に売ってるものを流してます。うちはビンテージのレコードって全く扱ってなくて、最新のものが多いですね。


ーお客さんは、店内で流す曲のリクエストはできるんですか?

會田:リクエストは基本的には受け付けてないですね。でも、お客さんの雰囲気を見て変えたりはします。



ー曲の試聴はできるんですね。

會田:そうですね。結構女性一人で来る方も多いんですけど、入り口を入ってすぐ横の試聴ができる場所で、一人で飲みながら聴いてる方もいますよ。

ー一人の方とか女性も多いんですね。こちらではイベントやライブもするとのことなんですが、どういう風に行われるんですか?

會田:ちゃんとしたスピーカーもあるのでそれを使ってもらっています。あと、基本的にお客さんは立ち飲みのままですね。

ーこのドラム缶の机も置いたままですか?

會田:ちょっとは移動させますけど、置いたままですね。椅子で観るっていうスタイルはやってなくて、どちらかというと流しみたいな雰囲気で演奏してほしいなというコンセプトです。



ー流しのような雰囲気っていいですね。ビールが飲める場所のすぐ横にレコードがあったり、間近でライブができる空間だと思うんですけど、やっぱり音楽とビールの相性は良いと感じますか?

會田:僕個人としては、音が大きい場所とか、煙い場所でお酒を飲むのって、ちょっともったいないなって思ってるんです。良い音楽とおいしいお酒とつまみがあれば良いはずだっていう想いが元々あって、それがこのお店で実現できるかなとは思ったんですよね。

ーなるほど。「えるえふる」は禁煙なんですね。

會田:そうですね。それにうちは生ビールを出してないんですけど、大瓶だと人に注げるんです。例えば、ここで音楽の話とかしてると勝手に喉も渇いて、みんな注ぎ合っていると一人大瓶を5~6本くらい飲んでたっていうのも結構あるんですよ。

—一人5〜6本ですか…!?

會田:そうです。3人で飲んでたら十何本空いてたっていうことは結構あるんです。僕自身も、他のお店に行ったら生ビールじゃなくて瓶ビールを頼むし、大衆居酒屋とか立ち飲み屋のような雰囲気で、自分のペースで飲めるのが好きなんです。うちは立ち飲み屋にしたんですけどそれだと境界がないので、横のテーブルの人と仲良くなったりすることがあるんですよね。

ー飲みの場お酒を注ぎあったり、知り合いになったりするんですね。確かに、実際に立ってみると絶妙な距離感ですもんね。

會田:そうですね。「生ビールを入れませんか」っていう営業ももらって、夏の1ヶ月だけならいいかなって思うこともあるんですけど、でも基本的には瓶ビールスタイルがいいなって思ってるんです。結局、自分のペースでも飲むことができるし、人にも注ぐことができるっていう瓶ビールが好きなんです。


作り手の“好き”が集まる場所



ー自分でビールを造りたいって思ったりしますか?

會田:僕自身は造るつもりはないんですけど、それこそクラフトビール屋で働いてる友達が2人くらいいて、その友達は造りたいって言ってましたね。だから、もし本当に造ることができたらぜひ店に入れたいとは思ってます。

ー先ほどから伺っていると、色んな方の“好き”が集まってくる場所のような感じですよね。

會田:それができれば一番おもしろいですね。それこそ知り合いが静岡で大豆を育てているんですけど、豆腐とかができたらぜひうちで出したいし、そういうのが集まってくるといいかなって感じですね。




ーお料理もありますけど、どなたが作ってるんですか?

會田:料理は基本的に僕が作ってます。いやでも、僕本当に飲食経験がないので、最初は角打ちみたいなコンセプトでいいかなって思ってたんです。でも結局どんどん欲が出てきちゃうもので、ちょっとずつ作るようになりました。あと、刺身を毎日仕入れてますね。

ーそういえば、お寿司のブログも始められたんですよね?

會田:そうなんです。まあ、寿司はさすがにまだ握れないんですけど(笑)でもできたらちょっとずつやりたいですけどね。

ー日替わり店長といって、ミュージシャンの方とかが店長をする日もあるみたいですが、その時の料理はその日の店長が決めるんですか?

會田:日替わり店長の日は、その方に全部任せるって決めてます。意外とミュージシャンって、料理にこだわりを持ってる人がいるんですよ。カレーとかラーメンなんかも自分で作れる人とか。でもミュージシャンだと忙しくて飲食の仕事もできないし、料理をふるまう場面がないけど、ファンの人はそれを食べたがってるっていうのはなんとなくわかっていたので、そういう機会を作れたということで始めました。

ー料理が作れるミュージシャンとかって、Twitterに作った物を投稿したりして、ファンもそれを知っていたりしますもんね。他に今後やってみたいことってありますか?

會田:このお店を起点に、周辺のお店を紹介するブログを始めたいなと思っています。うちの店ができた同時期に、コーヒースタンドもたくさんできたんですよ。

ー私今日、世田谷代田駅から歩いてきたんですけど、おしゃれなお店も結構あるなって思ったんですよね。

會田:そうなんですよ。今までは忙しくてなかなか始められなかったんですが、そろそろこの辺りの定食屋とかカフェもブログで紹介できたらいいなって。




—2店舗目って考えたりしますか?

會田:僕も辻くんも、2店舗目は全然考えてないですね。でももっとここを起点にして、音楽とお酒を繋げたいっていう思いはあります。辻くんも、レコ屋の方で本当はもっとやりたいことあるとは思うんですけど、忙しくてなかなか難しかったり、僕も毎日仕込むので結構いっぱいいっぱいになっちゃったりしてるので、もうちょっと余裕をもって、僕が繋ぎの役目ができたらいいなとは思ってます。

—今後やってみたいイベントとかってありますか?

會田:前にCDの特典で一回だけやったことがあるんですけど、新譜の特典でお酒一杯つけたりっていうのは、「えるえふる」だからできるかなとは思ってますね。

ーおーそれいいですね。まさに「えるえふる」だからこその着眼点ですよね。

會田:今もうCDとか音源の売り方も、今までとはちょっと違う方法にしなきゃいけないと思っています。それを、僕らが店をやってることで何か新しい売り方ができるんじゃないかなっていうのは考えたいんですよね。なかなか難しいことなんですけど。例えば、音源を作る人はもうmp3でしか販売しなくて、例えばコース料理3000円で音源プレゼントみたいな、そういうこともできるかなって。

ーなるほど。でも、レコード屋だけでやってるところは、本当すごいですよね。

會田:あとは、自分の好きなこの辺の飲み屋もあるので、スタンプラリーとかしたいなって。




ーいいですね。お店をまわって、コースターを集めるとか。

會田:そうそう、スタンプが集まったら、3店舗合同の栓抜きとか。あとは、DIYでえるえふるラジオ(https://soundcloud.com/user-945226142)っていうネットラジオをやって、いろいろな情報を発信しています。ちなみに僕はおぎやはぎさんのラジオが大好きで、たまにおぎやはぎのラジオを「えるえふる」でみんなで聞きながら飲もうっていうイベントもやってるんですけど、それをTwitterで投稿したらおぎやはぎさんがそれを捉えてくれて、「新代田のえるえふるっていうところで、集まって飲んでるんだってよ」って言ってくれたことがあって。その関係で最近では、おぎやはぎラジオリスナーのお客さんも来てくれたりしますね。

—お客さんは、常連の方が多いんですか?

會田:たまにふらっと近所のサラリーマンの方とかがいらっしゃいますけど、基本はここ目当てで来てくれる方が多いですね。あと、平日は基本的に19時からで、土日が17時からなんですけど、辻がいる時は14時から開けるんですよ。やっぱりレコ屋としても本当はできるだけ早く開けたいんで。

ーそういう情報は、Twitterで明日のオープン時間を投稿しているんですよね。

會田:そうです。申し訳ないんですけど、明日早く開けますとか、明日急に休みますとかの情報は、Twitterに投稿させてもらうようにしてます。

ー大変なことってありますか?飲食店経験がないとおっしゃっていたのでそういう点での苦労とか。

會田:大変なこと、実はあんまりないんですよ。

ーそうなんですか!

會田:たまに体力的に疲れることはありますけど、それは普通の話で。

ーでも、自分たちが好きな場所を作って、そこに好きな人たちが集まってくるっていう場所が作れたから、大変でも苦労とは感じないのかもしれないですよね。

會田:そうですね。大変なことが別にないとか言うとちょっとあれなんですけど、基本的には立ち飲み屋とレコード屋っていう、自分たちがただ好きなことをやっているだけだからなのかもしれませんね。



編集部一言コメント

「自分の好きなことを仕事にするのはよくない」というのを聞いたことがあります。しかし、物や情報に溢れ、多様性が求められている現代は、自分がどう生きていくかを選び、進んでいかなければいけない時代でもあると思います。

そんな中、さまざまな作り手の好きが集まった「えるえふる」という空間は、人と人、さらに作り手の愛に溢れた物と人をも結ぶ、居心地の良い場所。音楽を聴きに行くでも、お酒を飲みに行くでもきっかけは何でもよし。仕事帰りにでも、ふらっと立ち寄ってみてはいかがですか?

飲み屋 えるえふる(レコード屋:Like a Fool Records)

◯住所:〒155-0033 東京都世田谷区代田5丁目28-3
◯電話番号 :03-6883-7180
◯営業時間:【平日】19:00〜24:00【土日祝】17:00〜24:00(早めに店舗を開けることもあるため詳しくはTwitter{https://twitter.com/eruefuru}にて)
◯定休日:不定休
◯禁煙/喫煙:禁煙
◯公式ウェブサイト:http://listenandfood.red


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ライターの紹介

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山吹彩野 ライター

いつも無意識に鼻歌を口ずさむ鼻歌女子。音楽ライターとして「音小屋」に参加し音楽雑誌「MUSICA」元編集長の鹿野淳氏に師事。音小屋生たちと一緒に音楽メディア「MUSIUM」を主宰。子供のころの鼻歌に始まりピアノやリコーダー、トランペットにゴスペル、ウクレレなど、様々な楽器と友達。今はビールを飲みながら聞く音楽を日々考えるのが趣味。

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