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お酒は二十歳になってから。

Bar オーガニックビールを造るブルワリーの直営店。奥渋エリアにひっそりと佇む、画廊のようなビール屋「暁グロウラーズ」

2022/08/15


慌ただしく過ぎてゆく日々の中で、ほっと一息つく時間はとても大切な時間。現代は日々様々な情報が飛び交い、知らぬ間に疲れてしまうことも少なくありません。そんな時、喧騒から離れ、自然豊かな環境に身を置くと心も体もリフレッシュされた、という経験はないでしょうか。

今回は、都会にいながらも日常から離れてゆったりとした時間を過ごしたい、落ち着く空間でビールをじっくり楽しみたい方におすすめしたい、まるで画廊にいるかのようなビール屋『暁グロウラーズ』をご紹介します。


都心の閑静なエリアにひっそり佇むビール屋


千代田線代々木公園駅・小田急線代々木八幡駅から4分ほど歩くと、今回の目的地『暁グロウラーズ』が見えてきました。大通りの交差点から小さな路地に一歩足を踏み入れるとすぐ見える、大きなイロモミジと木の温もりを感じる扉が目印です。一見、画廊やインテリアショップのような外観なので、通り過ぎないようにお気をつけください!


今回訪れた暁グロウラーズも、街に溶け込むような落ち着いた雰囲気で温かみのあるお店です。


店内に一歩足を踏み入れると、和を基調としたおしゃれな空間。中央に配置された大きな木のテーブルは一枚板で、漆を自分たちで塗って仕上げたのだとか。城壁のように石でできたカウンターなど、自然の温もりを感じます。


落ち着いた雰囲気を纏う統一されたインテリアやデザインは、すべて自社のこだわりのもと作り上げられています。それもそのはず、実は、暁グロウラーズを運営する株式会社太極舎は元々デザイン事業を行う会社なのです。優しい雰囲気のBGMも流れ、都心にいることを忘れてしまいそう。じっくりゆっくりビールを味わうことができる空間です。


店内でゆったりとビールを味わうのも良いですが、店の外にある小さなベンチでひと息がてら飲むのも至福のひととき。晴れている日は、モミジの木に癒されながら外ビールを楽しむこともできます。外であれば、ペットもokです!


はじまりは復興支援で出会った“ワカメ漁”


そんな暁グロウラーズは、「暁ブルワリー」の直営店。暁ブルワリーの新鮮なビールを楽しむことができます。

しかしなぜ、どんな想いでデザイン会社がビール屋をはじめたのか…。それは、会社の代表が東日本大震災後の復興支援でNPO法人を立ち上げ、炊き出しに訪れたことがはじまりでした。

支援に行った先はワカメ漁が盛んな地域。ワカメ漁は夜中のうちから漁に出るそうで、海上にいる夜明け(=暁)の時間帯は、地平線から太陽が昇り、光が空や雲を赤く照らす、印象的な景色を拝むことができるのだそう。


当時は、2004年に開いた、日本のクラフトビールの造り手を応援するビアバー「バーバー東京」を東京駅の八重洲地下街で運営していましたが(現在は閉店)、2016年から自分たちでもクラフトビール造りを開始。名前を「暁ブルワリー」と名付けます。


その“暁”こそ、ワカメ漁で見た雲と夜明けの太陽がつくりだす景色。優雅に形を変えていく空が、“絶えず生まれ変わる未来への可能性を感じさせる”ことから名付けました。ブルワリーのロゴも、夜明けに太陽の光があたった雲をイメージしてデザインされたのだとか。

そして、この光景に感化されつくられたのが、「暁ブルワリー」の原点ともいえるビール『暁RED(レッド)』。実際にワカメの酵素を分解してつくられていて、ほんのりと磯のようなワカメの旨みが感じられるビールです。


岩手と東京で醸す「暁ブルワリー」のビール


暁ブルワリーは、東京都世田谷区経堂の「東京ラボ」と岩手県八幡平市の「八幡平ファクトリー」の2か所に醸造所を構え、それぞれで違うこだわりを持つビールを造っています。


世田谷の東京ラボは、2016年開業。小田急線経堂駅にある、マンションの一室にあります。自然栽培農の果実や野菜を生かしたビールやスパイスの効いた個性的なビールや、その季節にとれる素材を生かして造られる季節限定ビールが魅力です。

暁ブルワリー・八幡平ファクトリーの外観


一方の八幡平ファクトリーは2020年にオープン。日本では珍しくオーガニックビールに拘ってビールを醸造しています。



主に『ドラゴンアイ』というブランドで、『ドラゴンアイ スカイ』『ドラゴンアイ サン』『ドラゴンアイ マグマ』『ドラゴンアイ スノー』の4種類を展開しています。

ちなみに、八幡平にブルワリーをつくったのも、震災の復興支援での縁があったから。当時、ビール造りに適したおいしい水を含め、醸造に適した場所をその周辺で探していたところ、名水100選にも選ばれている「金沢清水」という天然水が、なんと1時間に450トンも湧き出る場所が見つかったのだそう!金沢清水はビール造りの仕込み水としてはもちろん、つくる過程で液体を冷やすのにも使うため、豊かな自然の力を借りながらビールが造られています。


八幡平の様子

また、ビールの主原料であるモルトやホップはオーガニックのものを使用しています。そもそも、オーガニックビールを造る理由は、ブルワリーを運営する株式会社太極舎が「自然の理を大切にし、日本文化に根ざした会社でありたい」と考えているから。そして“自然にも自分の体にも優しくありたい”という本質志向に基づき、オーガニックのものだけを造る醸造所を構えるまでに至ったのだそう。


自然の理を大切にし、日本文化に根ざした会社でありたいと考える太極舎。はじまりは地域の工芸や旅館やレストランのデザインから、そしてクラフトビールの作り手を応援する立ち飲み屋の運営を経て、ビール造りへ。デザインとビールは一見関係ないように思えるかもしれませんが、すべて一貫した地続きの思いなんだと感じられました。


そんな2カ所で造られたビールを楽しめる暁グロウラーズでは、9〜10種類のビールを常設。どのビールもハーフパイントは税込¥700、パイントは税込¥1,200でいただくことができます。どんな味わいか気になる場合は、少量テイスティングすることも可能です!

この日は、天気に合わせておすすめのビールをいただいてきました。

ドラゴンアイ マグマ(八幡平ファクトリー)
火山国・八幡平をイメージして名付けられた「マグマ」は、シャープなホップの苦みと爽やかな香りが特徴。ビアスタイルは「オーガニックIPL」。飲み口は優しくありながら、苦みや香りもしっかり感じられます。すっと身体に染み込んでいくような飲みやすさで、いつまでも飲んでいたくなる…!

柚子エール(東京ラボ)
※季節限定商品のため、時期によって変わります
無農薬で造られた高知県産の柚子を使用したビール。柚子の皮をふんだんに使用していて、爽やかな柚子の香りがふわっと広がる優しいエール。フルーツ由来の甘さだけでなく、しっかり皮の苦みも感じられるので、柚子をそのままかじっているかのようなフレッシュさを味わえます。

暁ブラック(東京ラボ)
東京ラボで造られた黒ビール。焙煎香とカボチャのほのかな甘みが特徴。苦みはそれほど強くなく、深い味わいと優しさが感じられます。現在は、期間限定で燻製した麦芽をふんだんに使用して醸造しているので、スモーク好きな方にはイチオシ。

暁ブルワリーで造られているビールは、どのビールもアルコール度数が4〜5%なので、すっきりみずみずしさが感じられます。どれも優しい味わいなので、ビールだけはもちろん、お料理に合わせてお食事のお供としても楽しめます。シーンを選ばないビールって、気軽に楽しむことができてとってもうれしい。


自宅でも、アウトドアでも大活躍の「お持ち帰りビール」


店内で楽しめることはもちろん、お持ち帰りビールも推奨しています。グロウラー(ビールを持ち運ぶ水筒のこと)、もしくはお店で用意してあるペットボトルにビールを注いで提供。ml単位での量り売りなので、価格はビールの種類・容器・サイズによって異なります。


実際に私もグロウラーを持参し、ビールを詰めてもらいました!店内でタップビールをいただいて、その場で気に入ったビールをお持ち帰りするのも良いですね。

さらに、暁ブルワリーオリジナルグロウラーも販売しています。デザインもサイズも数種類あり、嬉しい迷いが生まれてしまう…

(画像左)容量:592ml 税込¥5,600 (右)容量:946ml 税込¥7,200

容量:1,892ml 税込¥19,500


グロウラーは、購入ではなくレンタルも可能です。「大容量で持ち帰って楽しみたいけど、グロウラーを持っていない…でも購入するのはハードルが高いな…」と悩んでしまう方も、1,892mlのグロウラーはレンタルも可能なので、気軽にテイクアウトできます。

【レンタル方法】

・レンタル期間は3日〜。

・¥4,110〜(ビール代¥3,610〜 + レンタル代¥500〜)で利用可能です。

・さらに保証金として、別途レンタル時に¥20,000が必要。保証金は返却時に全額返金されます。


グロウラーレンタルは、近隣にある代々木公園でのピクニックやキャンプなど、野外イベントでも大活躍。大きなサイズのグロウラーを購入するのはなかなか手を出しづらかったりもしますが、購入前のお試しや必要な時だけ利用することができるのはありがたい!


ビールのギフトや、自家製のジンも

東京から、東北や八幡平の魅力を発信できるセレクトショップの役割も担えればと、ドラゴンアイの缶ビール、大瓶、ギフトセットなどもあります。

ドラゴンアイ スカイ 1本 税込¥385/マグマ・サン・スノー 1本 税込¥418
1本から購入できますが、お中元やちょっとしたプレゼントにもぴったりなボックスも。
ドラゴンアイ スカイ 1本 税込¥1,210/マグマ・サン・スノー 1本 税込¥1,320
どっしりした大瓶ビールも、高級感のあるボディでありながらもお手頃な価格でうれしい。ホームパーティなどに持っていったら、喜んでもらえそうだなあと妄想が膨らみます。


暁ブルワリーでは、ビールを再生したオーガニックジンも製造しています。山椒のようなピリッとした香りを持つ、シャープな味わいで、ジンが初めてという方にもおすすめ。


さらに、ちょっとしたおつまみも東北のものやオーガニックのものをセレクト。お土産としてお持ち帰りしていただくことも、店内でいただくこともできます。


岩手の絶景をまとったビールのデザイン


ところで、シンプルながらも洗練されていて、強い印象が残るこのデザイン。気になりませんか?


これは、ビールの名前にもなっている「ドラゴンアイ」という岩手県八幡平でしか見られない幻の絶景がモチーフとなっています。


「ドラゴンアイ」とは、八幡平山頂にある鏡沼という沼の雪面が、日光により溶けて押し上げられた様子が、龍の眼のように見える現象のこと。毎年5月末から6月初めの2週間程度しか見ることができない神秘的な光景です。自然が創り上げた、まさに奇跡の絶景。いつかぜひ八幡平にも訪れてみたい…!


画廊のような空間で、ゆったりとした時間を

営業担当・長谷部さん

「暁グロウラーズは、自分のニーズに合った量・形で、気兼ねなくビールを持ち帰ることができる環境が整っているので、より多くの方に生ビールの量り売りを体験してもらい、その楽しさを知っていただき、日本でのグロウラー文化を広げていきたいです。

みなさんの生活の中で“生ビールを汲みにいく場所”として気軽に足を伸ばせる、日常に溶け込むお店として楽しんでいただけたらと思います。もちろん、店内だけのご利用もウェルカムです!」と、暁ブルワリーの長谷部さんは言います。

まだグロウラーでの持ち帰りを体験したことがない方も、最初の一歩としてぜひ試してみてください。


日本の自然豊かな恵みがいっぱい詰まったビールをじっくり味わいながら、暁グロウラーズで過ごす時間は、時の流れが緩やかで心落ち着く優雅な時間。また明日から頑張ろうという気持ちにさせてもらいました。

お仕事終わりや休日に暁グロウラーズにふらっと訪れ、自然に癒されるゆったりとした時間を過ごしてみてくださいね。

 暁グロウラーズ

〇住所:東京都渋谷区富ヶ谷1−42−3 1F
〇交通:千代田線代々木公園駅、小田急線代々木八幡駅から徒歩4分
〇電話:03−5452−1337
〇営業時間:水・木・金:15:00〜20:00、土・日:14:00〜20:00
〇定休日:月・火
〇座席数:12席
〇支払形式:現金、カード、電子マネー可
〇HP:http://akatsuki-brewery.com (暁ブルワリーのHP)
〇Instagram:https://www.instagram.com/akatsuki_growlers/

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横浜生まれ横浜育ち、生粋のハマっ子。パンとチョコレートとビールがすき。趣味は旅行で、旅先ではいつもその土地のビールを探し求めてしまう。いつでも私をゴキゲンにさせてくれる魔法の飲み物、それがビール。ビールを通してヒト、モノ、コトなどのつながりを増やしていきたい。

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