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私がビール屋さんになるまで Column 【私がビール屋さんになるまで】醸造設備の輸入ってどうすればいいの?

2023/10/26

sponsored by エフシースタンダードロジックス株式会社

ブルワリーの立ち上げについて、詳しく紹介する連載「私がビール屋さんになるまで」。

2023年に舵を切ったばかりのブルワリー「Maruko Brewing」(10月よりブルワリー名を変更したため、以下より変更後の「AKANUMA ROMAN BREWING」と記載にお伺いし、ビール造りへの想いから醸造免許取得の道のり、タンクの輸入についてなど、0からビール屋さんになるまでのストーリーをご紹介します。


連載1回目のテーマは「地元でブルワリーを立ち上げた理由」、2回目は「醸造所の立ち上げって何をすればいいの?」と、醸造所オープンまでの軌跡を辿ってきました。

そして、3回目となる今回のテーマは「醸造設備を輸入した手順」について。


造りたいビールやブルワリーのコンセプトはスムーズに思い描き設計することができても、「醸造設備」「海外輸入」になると途端に専門外の分野になり、ネックになってくる人は多いのではないでしょうか?

そんな高いハードルを、AMANUMA ROMAN BREWINGはどう乗り越えていったのか。

ブルワリーを立ち上げたいあなたは、先輩たちの道筋を学ぶ教科書として。飲み手の皆さんは、ちょっと裏側を覗く読み物として。その道のりを一緒になぞっていきましょう。

「Maruko Brewing(マルコブルーイング)」は、2023年10月より「AKANUMA ROMAN BREWING(赤沼ロマンブルーイング)」に店名変更しました。詳しくは、ホームページよりご確認ください。
ホームページ:AKANUMA ROMAN BREWING

■連載1回目「地元でブルワリーを立ち上げた理由
■連載2回目「醸造所の立ち上げって何をすればいいの?



この連載は エフシースタンダードロジックス株式会社 のご提供でお届けします。

大阪府大阪市中央区に本社を置く総合物流会社「エフシースタンダードロジックス株式会社(以下、エフシースタンダードロジックス)」。中国や東南アジアをベースに、ヨーロッパ、北米など広範囲にわたり物流サービス事業を展開。多彩なネットワークを駆使し、オンラインで完結できてわかりやすい貿易が可能な「デジタルフォワーダー(※1)」として、迅速かつ効率的な物流を実現しています。

オンラインで完結できるその理由は、従来メールやFAX・電話でのやり取りが主流だった作業をすべてWEB上で手配できる独自のシステムを構築したため。 このシステムはPC、スマホ、タブレット端末など様々なデバイスに対応しています。さらに、世界中に広がる独自ネットワークがあり、最適な輸送手段を活用してコストと時間を節約できるためです。簡素化した手続きとリーズナブルな料金で、複雑な物流を迅速にできるようサポートしてくれます。その一環として、最近では新しくブルワリーを立ち上げたい方への設備導入を支援しています。

※1フォワーダー(forwader / a freight forwarder)とは…
国際貨物を扱う業種のひとつ。特定、または不特定のお客様から貨物を預かり、自社の船舶や航空機及び鉄道やトラックではなく、他の事業者の運送手段を有効活用する貨物利用運送業者のこと。国内外とのネットワークを構築し、通関やサプライチェーンなどの専門知識と併せて、貿易に必要な輸送サービスを提供しています。


公式HP・お問い合わせはこちら

もくじ
【おさらい】たまご屋さんからビール屋さんへ転身

醸造設備の輸入を徹底深堀り!コスト計算から書類作成、海外とのやりとりまで
【2022年6月】 筒野さんからエフシースタンダードロジックスへ初めての連絡
【2022年6月】輸入コストの計算
【2020年6〜7月】行政機関への相談・書類準備
【2022年8〜9月】船積みの準備
【2022年9月上旬】輸入通関に必要な書類の用意
【2022年9月上旬】船積み完了
【2022年9月中旬】東京へ入港
【2022年10月上旬】東京税関へ輸入申告
【2022年10月中旬】輸入許可・醸造所へトラックで輸送

醸造設備の輸入を助ける「エフシースタンダードロジックス」

【おさらい】たまご屋さんからビール屋さんへの転身


AKANUMA ROMAN BREWING(旧:Maruko Brewing)は、親子二代で立ち上げ、2023年5月5日に埼玉・春日部の地にてオープン。もともと野菜や米、卵、味噌などを生産・販売していた株式会社 筒屋「たまごくらぶ」が業態変更し、ブルワリーに転身しました(コラム第1回目参照)。

ビール造りのこだわりは、古代赤米で造った麹を使用していること。赤米の麹にすることでポリフェノールをより引き出し、すっきりとした味わいと赤みを帯びた液色になるのも特徴です。

(左から)AKANUMA ROMAN BREING 筒野広康さん、筒野隆広さん

ブルワリー始動のきっかけは2000年代に遡り、町おこしのため、“赤沼”という地名にちなんで日本の米のルーツである「赤米」を植えたこと。過去に赤沼でビールが造られていたことなどの歴史から15年もの間OEMにて『赤沼ロマンビール』を造り、その後自分たちでビールを造る道を選びました。

それからは、事業計画書の作成や醸造免許の取得に励みました(コラム第2回目参照)。

それと並行して進めていたのが、「海外からの設備輸入」。

しかし、初めてだと輸入の右も左もわからない。そんななか、エフシースタンダードロジックス株式会社と出会い、設備を導入を手助けしてもらうことになったAKANUMA ROMAN BREWING。どのようにして醸造設備を日本へ輸入したのでしょうか?

(左から)エフシースタンダードロジックス株式会社 柗村依里さん、山田俊哉さん

当時のエピソードを追求するために、AKANUMA ROMAN BREWINGの筒野広康さん・隆広さん、更に支援の担当をしていたエフシースタンダードロジックス株式会社 営業本部 マーケティング・新規事業推進部 部長の山田俊哉さん、通関・フォワーディング本部 東京フォワーディング部の柗村依里さんにも深くお話を聞きました。


導入までの過程について、時系列で記していきます。


醸造設備の輸入を徹底深掘り!コスト計算から書類作成、海外とのやりとりまで

設備導入後のAKANUMA ROMAN BREWING

■2022年6月 筒野さんからエフシースタンダードロジックスへ初めての連絡

希望する条件で輸入できる会社を探すなか、エフシースタンダードロジックスの「D2Dサービス」を見つけ、早速問い合わせた筒野さんたち。

D2Dサービスとは、「筒野さんのように、貿易の知識がわからないような方も、指先1つで簡単に輸入できちゃう」というシステム。日本で物を購入したとき配送業者をワンタッチで選べるように、海外からの輸入でも気軽に輸入ができてしまいます。ちなみに、「D2D」の“D”は、「Digital」「Door to Door」「Dot to Dot」「Delivery」など、いろんな意味が込められているのだとか。

しかし、

山田さん

筒野様はD2Dサービスから問い合わせをいただきましたが、筒野様の希望をお尋ねし、希望を一つひとつ伺うなかで、“D2Dではなく従来型の輸入方法が最適”と思い、そちらで対応させていただきました。

隆広さん

元々、アリババ(中国を代表するテクノロジー企業)で見つけた機材を、2つの会社からそれぞれ輸入する予定で、その旨を山田さんにお伝えしたところ輸入可能とお返事をいただき、やりとりを進めました。ただ、片方の会社に問い合わせたところ、HPには載っていない機材があることがわかり、結局一社からのみで購入できることになりました。


■輸入コストの計算

その後、エフシースタンダードロジックスがサポートを行うのが、輸入コストの計算。貨物量を基に概算で輸入コストを試算します。

山田さん

仕入先工場の所在地や、調達を予定している設備の概要を聞き、輸送方法やコンテナのサイズ、東京港到着後の輸入の手続きとお届け方法を相談します。これらの情報をもとに、輸入コストを試算します。


AKANUMA ROMAN BREWINGが実際に初めて輸入した機材がこちら。

【輸入機材一覧】
・ステンレス麦汁冷却器
・発酵タンク(200L)
・ホップ投入用の発酵タンク
・発酵タンク冷却装置
・冷却装置のコントロールキャビネット
・瓶詰め機
・ケグ洗浄機
・10Lケグ
・20Lケグ


マイクロブルワリーとはいっても、数も重量も相当な量だということが伺えます。慣れない言語でこれらの機材の輸入についてやりとりするのも、大変な苦労を要しますね。

さらに、貿易と物流には専門用語がたくさんあるそうで、言語が通じたとしても難しいことが多いのだそう。確かに触れる機会が多くなければ、「輸入」「税関」「検疫」と聞くだけで頭がクラクラしてきそうです。

エフシースタンダードロジックスは、そういった専門用語が飛び交うやりとりも円滑に進められるようサポートを行います。

山田さん

今は「自動翻訳ツールでやりとりすることもできる」と思うかもしれませんが、貿易と物流には専門用語がたくさんあります。さらに、何かトラブルがあり保険対応が必要になると、さらに難しい言葉が飛び交います。私たちは、自動翻訳ツールでは正確な翻訳が困難なことも多い中国の醸造設備メーカーとやりとりする上で、コミュニケーションに必要な独特な言い回しや依頼事項は英語や中国語で併記し、輸入するうえでのコミュニケーションを円滑に進めるためのサポートを行います。

柗村さん

筒野さんたちが貿易の初心者であるということは事前に伺っていたので、会話内容や連絡手段などで、あまり専門的過ぎる内容にはしないよう気を付けていました。ただ、確認事項やご提出いただきたい資料がとにかく多かったので、 その辺りはなるべく弊社の通関士や税関からの言葉はそのままお伝えして、資料を確認する税関の意図を伝えられるようには気をつけつつ、わからないことは解消できるよう努めました。

エフシースタンダードロジックスは筒野さんに限らず、「あまりわからないです」という方には、なるべく電話を多くかけサポートできるよう心がけているそう。一緒に資料を見ながら、会話の中から新しい疑問が生まれ、その場で解決できるように、一度の電話で多くの情報を交換し合えるよう心がけているそうです。


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■2022年6月~7月 行政機関への相談・書類準備
東京港湾合同庁舎

今回のようなビール醸造設備を海外から輸入するときには、主に2つの官公庁への申請・許認可が必要となります。

【醸造設備輸入関わる行政機関と法律】

①税関
・準拠する法律 : 関税法
・管轄の行政府 : 財務省 税関
・相談した内容 : 東京税関業務部…筒野さんが輸入商品を説明し、輸入時の関税率や規制の有無を確認した

②検疫
・準拠する法律 : 食品衛生法
・管轄の行政府 : 厚生労働省 検疫所
・相談した内容 : 東京検疫所食品監視課…筒野さんが検疫所に提出が必要な資料や、実際に分析機関での試験を要する部品の有無を確認した


①の税関に関わる「関税法」とは、海外から輸入するときに関わる法律です。一定期間限定で免税になるものや、10%、20%かかるものなど、材質や産地ごとに厳密に定められているそう。それとは別に、海外から物品を購入しているため、輸入消費税10%がかかります。

山田さん

税金分が抜けてしまうと、事業全体の必要コストから漏れてしまうことになります。そのため、輸送料金に加えて各種税金の金額もあらかじめ計算しておかないといけません。それらも輸入のコストとして想定していただきます。



そして、②検疫に関わる「食品衛生法」は、飲食による健康被害の発生を防止するための法律です。食品が触れるすべてものに関わり、検査が必要なものとそうでないものを分けていきます。金属などのステンレス製品は検査対象ではありませんが、食器や調理器具をはじめ、お弁当箱や水筒、使い捨ての紙皿や割り箸、お菓子の包装材、意外なものでは対象年齢6歳未満の玩具などが検査の対象になります。

山田さん

厚生労働省への手続きが必要なことをあまりご存じではなかったので、筒野さんには問い合わせ先や書類の残し方などをお伝えしました。丁寧に一つひとつの役所に連絡をして確認してくださいました。

今回のビール醸造機材でいうと、タンクなどの金属部分は届出のみで検査対象ではありませんが、接続部分に使われているゴム部品が検査の対象になります。

山田さん

検疫で検査をすると、それだけ予算も時間もかかってしまいます。そのため、日本でも入手できるもの、例えば配管チューブなどは日本で調達していただき、検査に必要なものの輸入は避けていただきました。しかし、ゴム部品はどうしても避けることができなかったので、検査にまわす前提で時間とコストの計算をしました。



■2022年8月~9月 船積みの準備
積載図と、積み込んだ際の写真

実際に出荷時期が決まった後は、エフシースタンダードロジックスの青島オフィスのスタッフが、醸造設備の工場へコンタクトを行い、中国側の輸出の準備を始めました。

予定した船積み日に向けて、船会社へスペースの予約コンテナを醸造設備工場へ運ぶ日程調整輸出通関書類の確認海上輸送するための書類作成などを行います。

醸造設備工場がコンテナへ設備を積み込む時には、写真撮影するよう依頼しているそう。写真撮影をする理由は2つ。

【積み込み時に写真撮影をする理由】
・無事に積まれている事の確認
・海上輸送中の予期せぬ事故が発生した時に、保険会社へ提出する補償手続きのエビデンスとして備える


隆広さん

輸入に関する行政への確認や書類の準備、あらかじめ準備しておくものを揃えたら、青島側の準備に関してはすべてエフシースタンダードロジックスの青島スタッフの方にお任せしていたので、何も手がかかることがなくて本当にありがたかったです。


■2022年9月上旬 輸入通関に必要な書類の用意


青島側の準備が着々と進むころ、東京では輸入通関に必要な書類を揃え始めます

【通関で必要な書類(一部抜粋)】

・BILL OF LADING(船荷証券)
→貨物の運送条件、荷主と運送人の権利義務関係などが記載され、貨物の引き渡しの際に必要な「引換証」や貨物引き渡し請求権を立証する「有価証券」としての役割も果たす最重要書類のひとつ。

・ARRIVAL NOTICE(貨物到着通知)
→貨物を積載した船の入港予定日や貨物の明細を記載した書類。 海上運賃や付加チャージ等の請求書も兼ねる。

・COMMERCIAL INVOICE(商業送り状)
→海外に発送する際に準備しなければならない貨物の明細書。中国での輸出通関時と日本での輸入通関時に必要となる重要な書類。

・PACKING LIST(包装明細書)
→輸出入する貨物の梱包明細書。輸出入通関時に必要な書類のひとつで、包装形態や1つの包装に何がどのぐらい梱包されているのかが記載されている。

・CONTAINER VANNING PLAN (CONTAINER STAFFING PLAN)(積載設計図)
→貨物をどのようにコンテナ内に積載するかの計画書。

・商品情報

山田さん

これらの書類の中では、とくに商品情報の準備に時間と労力を費やします。商品情報とは、写真、図面、各部品の材質、塗料の有無や、輸送するものの展開図。展開図は、検疫所食品監視課から相当詳細な図案が要求されます。筒野さんには輸入元の会社から情報を取り寄せていただき、申請に間に合うようあらかじめ作成していただきました。


△展開図のイメージ

隆広さん

「日本での検疫には、これらの情報が必要なのでまとめてください」というアドバイスを山田さんからしていただき作成しました。輸入をする上では絶対に必要な書類なので、山田さんたちがいなかったらここで引っかかって止められていたかもしれないな…と思っています。

山田さん

日本ではよく「おまけに一個つけとくよ」って、良かれと思ってプレゼントをされることってありますよね。でも輸入の場合、おまけがひとつ入っていることによって、書類に書かれていないものが入っている=密輸になってしまったり、あるいは送り返すことになってしまったりする事案があるんです。だからこそ、何を何個輸入するのか、どんな材質なのかなど、適正に申告をすることが大切です。それが、正確に書類を作成しなければいけない理由です。


■9月上旬 船積み完了


醸造設備を積載したコンテナ船が中国・青島を出港した後は、山田さんたちはコンテナ船の動静を追跡し、東京港への寄港日を確認しながら、随時筒野さんへ報告。

当時は台風シーズンのため、本船スケジュールに変更があり特に注意が必要でしたが、実際には出港後3日間で東京港へ入港する予定が、遅延によって海上輸送は5日間要したそうです。

山田さん

輸送スケジュール遅延はあったものの、逐次状況確認と情報をご連絡し、その後の輸送工程についても適切な調整を行ったため、筒野さんにも安心していただけたようです。

隆広さん

色々と情報を聞き、不安を解消していただきながら進めてもらいました。資料の準備等がひと段落して、いざ荷物が積まれるくらいの段階になると、こちらの手は離れていき、その後はエフシースタンダードロジックスさんの方で対応して進めてくれました。そのため、輸入についてまったくわからなかったんですが、特に中国の方から発送してもらうところなどは、本当にお願いしてよかったなって思います。やっぱり、さすがだなっていうのをすごく感じましたし、安心してお任せしていました



■2022年9月中旬 東京へ入港


東京へ入港後、コンテナから輸入設備一式を保税倉庫へ搬入しました。

ケグに使用されていたrubber packing(ゴムパッキン)は分析が必要だったため、ケグからゴムパッキンを取り外して検査機関へ渡す必要があり、倉庫で取り外しの作業を行いました。

作業に際して、山田さんのアドバイスを受け、筒野さんたちは事前に練習をしていたそうで…。

隆広さん

スピアーのゴム部品の取り外しについては、それ専用の道具などもないようでしたので、塩ビパイプを使って自作しました。実際指だとびくともしなかったので準備できたのは助かりました。醸造所を立ち上げたなかでの苦労ポイントのひとつではありましたが、あらかじめ取り外した検査が必要なことを山田さんにお聞きし、道具を用意して何度も練習していたので、当日は取り外しもスムーズで30分ほどで取り外すことができました。



エフシースタンダードロジックスの保税倉庫に機材を保管し、ゴム部品は検査へ。当初想定していた一週間ほどで問題ないという結果を受け取り、届出を提出して輸入の許可がおりたそうです。

検査機関での分析の後、成績証明書と併せて、東京検疫所食品監視課へ輸入届出を行いました。



■2022年10月上旬 東京税関へ輸入申告

東京検疫所食品監視課から食品等輸入届出済証が発行された後、東京税関へ輸入申告をしました。税関検査の対象となり、大型X線での検査を受けます。



■2022年10月中旬 輸入許可・醸造所へトラックで輸送


輸入許可が下りた後、AKANUMA ROMAN BREWINGへ設備を届けるための輸送手配を実施。コンテナ一本分の醸造設備一式はトラック一台では運べなかったため、数回に分けて輸送します。

輸送するトラックの車種やトラックが到着する時間を細かく調整し、設備を受け取るAKANUMA ROMAN BREWINGが、作業しやすいよう配慮することも大切です。

柗村さん

AKANUMA ROMAN BREWINGはとても特殊で、荷下ろしをする為のスペースとフォークリフトを元々お持ちでしたので、トラック車種と時間調整の対応をしました。たとえば、コンビニの配送で使用するようなボックス型より、荷台の左右が羽のように開くウィング車の方が作業がしやすいと考えて、ウィング車を手配しました。

広康さん

ウィング車を手配していただいたこともあると思うんですが、重いものであろうと覚悟していたものの想像していたより荷卸しは楽で、30分ほどで荷卸しできました

こうして、無事ブルワリー内に設備が到着!醸造の準備が整いました。




最後に、筒野さんに初めての輸入についての感想を伺いました。

広康さん

大変だったことは、ゴム部品を取り外す器具を自作し、何回も練習したことと、瓶詰め機が醸造所の入り口に入らなくて、どうしようか悩んだことですね。

心配だったのは台風でどれくらい遅れてしまうのかと思ったことです。つまり、輸入自体についてはエフシースタンダードロジックスがついてくださっていて本当に安心しきっていましたので、輸入はスムーズに行えて大変だったという実感はないですね。安心して輸入ができたのはエフシースタンダードロジックスの山田さん、柗村さんのおかげだったと本当に思います。


隆広さん

本当に、たまたまインターネットで検索して、たまたま巡り合ったというか。きっかけは本当にそんな感じだったんですけど。よかったなって率直にそう思います。本当にどうもありがとうございました。実はケグを輸入したいなと思っているので、 またご相談すると思います。引き続きよろしくお願いいたします。

山田さん

よろしくお願いいたします。

隆広さん

ケグだけなので、混載便になりますかねーー。

初めての輸入のあと、実は筒野さんはさらに追加で輸入のサポートをエフシースタンダードロジックスにお願いしたそう。山田さんとの何気ないやりとりを聞き、輸入にすっかり慣れた様子なのが印象的で、貿易がより身近になっているんだろうなと感じました(かっこいい!)。


第2回でも紹介していた「醸造仲間の中で、醸造設備を海外から個人輸入した人に話を聞いたところ、『輸入する際の検疫で引っかかってしまい、設備の保管料が想像以上にかかって予定していなかった出費が出てしまった』という話」もありましたが、エフシースタンダードロジックスにお任せすることで輸入周りで苦労や心配したことはあれど、輸入自体で大変だと思ったことがなかったというのが、手厚いサポート体制だったとわかるエピソードです。


山田さん

私自身、中国には30年ほど前から足を運んでいましたが、その頃は、実際に工場へ足を運んで情報を取ってくる以外情報の入手方法がほぼない状態でした。それが、10年ほど前にアリババができたおかげで、情報は入手できるように。でも、コミュニケーションが取れなかったんです。中国語か英語が絶対に必要で、コミュニケーションには問題がありました。

しかし、今は翻訳がかなり進化してきたおかげで、少しハードルが低くなったと思っています。『サイトに掲載されているこの商品が欲しいんです』といった感じで簡単にコミュニケーションを取れるようになってきたんです。でも、買った後どうするの?っていう貿易の部分については、やはりまだサポートが必要な分野なのかなと。

実際、他のお客様から「食品衛生法の観点で検疫が必要なのに、すでに荷物だけ日本に着いちゃった」という方が問い合わせがあって。そこから「では届出が必要です、書類の作成や検査が必要の場合は検査に時間もコストもかかります」といった状況に陥ってしまう方も多くいらっしゃるんです。

だからこそ、「正しく輸入をするとコストが下がる」というのは伝えていきたいですね。どのようにして流通させれば、最適なコストで、より安く・早く、物が入手できるのかって、この辺はまだプログラミングやAIでも計算できない部分です。輸入貿易では機械的な計算だけでは導き出せない、知識と経験に基づく柔軟な人間的判断も必要です。 サービスをオンライン化する一方で、従来式の細やかなサポートも得意としている弊社なら、最適な答えをお出しできると思っていますよ。

柗村さん

クラフトビール醸造設備の輸入に携わった経験は、私にとって新鮮でした。そして、貿易に不慣れな方や分析が必要な商品を輸入される方と、これから関わるうえでの大切な経験となりました。



私たちは、海外からのものを気軽に手に取ることができる時代に生きています。

でもそれは、先人たちが実際に現地へ足を運び、航路を切り開いてきたからこそなのだと、今回のインタビューを通じてひしひしと感じました。

そして貿易は、フォワーダーの知識や知恵、人脈を借り、ネットワークを通じてさらに気軽にできるものになっています。筒野さんが初めての貿易以降も気軽に輸入を続けているように、プロの力を少し借りれば、貿易は想像しているよりも身近に感じられるはずです。

ビール醸造を新しく始める方の負担が少しでも減らせるように、サポートしてくれるエフシースタンダードロジックス。貿易によって自分の理想の仕事や夢が実現できるとしたら、始めてみるに越したことはありません。

理想の醸造所、そして理想のビールをスムーズに造ることができるように、これからブルワリーを立ち上げるみなさんを応援しています!


醸造設備の輸入を助ける「エフシースタンダードロジックス



連載コラム『私がビール屋さんになるまで』は、大阪府大阪市中央区に本社を置く総合物流会社「エフシースタンダードロジックス」の提供でお送りしております。

エフシースタンダードロジックス」は、中国や東南アジアをベースに、ヨーロッパ、北米など広範囲にわたり物流サービス事業を展開。情報をデジタル化しサービスを提供することで、迅速かつ効率的な物流を実現しています。

私もブルワリーを立ち上げたくて、ビールの勉強は色々してきたけれど、設備の輸入はどうしよう。そしてコストは?何から動けばいいのかわからない…」と悩んでいるブルワリーの卵の方々を助けてくれる会社なのです。


初めて貿易をする方。
初めて製品を海外から購入する方。
初めて醸造設備を海外から調達する方。
とにかく、海外との取引が初めての方。

貿易が不慣れであっても、海外から商品を調達する手段はあります。

貿易と物流に関する専門用語は、自動翻訳がサポートしてくれますが、貿易のプロセスや物流の手配は、人の判断・知識・経験が必要。そういった知識や経験も豊富なエフシースタンダードロジックスは、「輸送コストの低減」「検疫所や税関への適切な申請・申告の助言」「輸送日数の短縮化の設計」「最適な輸入貿易のプランニングサポート」など、全面的に支援してくれます。

指先ひとつで商品が海を横断する。コーヒーやビールを片手に貿易を楽しめる。そして風通しのいい未来になり、誰もが世界を相手にとるプレイヤーになることを現実にするために。「エフシースタンダードロジックス」に設備の導入を相談してみてください。


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【第1回目】地元でブルワリーを立ち上げた理由

【第2回目】醸造所の立ち上げって何をすればいいの?

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山吹彩野 編集・ライター

好きなビアスタイルはサワー。犬が好き。

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