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お酒は二十歳になってから。

Bar 大阪から渋谷へ!カオスな文化が混じり合い、個性的なビールを楽しめる空間「スタンドうみねこ SiB100」に行ってきた

2023/10/11

通天閣がそびえ立つ新世界からほど近い「大阪・西成」

大阪下町のシンボルであり、朝まで呑める生きた昭和レトロな街。そこでたくましく生きる人々


そんな混沌とした地域に溶け込み、“ニシナリ”を写し出すブルワリーの風雲児『ディレイラブリューワークス(以下、DBW)』の直営店であるビアバー「スタンドうみねこ SiB100が、2023年8月に東京・渋谷に進出しました!

大阪・京都・福岡にそれぞれ展開していましたが、東日本は初進出。大阪や京都の店舗にも足を運んだこともあり、DBWの大ファンである私は、東京にやってくることへの嬉しさと驚きを隠せないまま、どんな素敵な空間が待ち構えているんだろうと、足早に渋谷に向かいました。



キッチュな街の、キャッチーなビアバー


渋谷駅から歩くこと5分

道玄坂を登り見えてくる「渋谷百軒店」の門をくぐってすぐ左手の場所に、「スタンドうみねこ SiB100」は佇んでいました。


目の前にきて、最初のインパクトにびっくり。なんとお店の扉は2階にもつながる1枚の大きなガラス扉になっていて、1階に限らず2階までもが吹き抜けに

4坪というコンパクトな店内で、収容人数は20人ほどですが、立ち飲みならではの人がギュウギュウに入りガヤガヤした時でも窮屈に思わず、開放感のある中でビールを楽しんでもらいたい!という想いのもと、この外扉が完成したのだとか。設計士の先生からも『まるで劇場のようですね』と言われたのだそう。

確かに、断面図のように店内が丸裸な様子は、観劇をしている時に舞台を眺める景色と似ていて、ときめいてしまう。


中に入ると…


1階には、目の前にずらっとサーバーが並ぶカウンターが。ここは特等席!


そして2階は、カウンター兼ボトルショップになっています。カラフルなDBWのビールたちが綺麗にぎっしりに整列する冷蔵庫は、まるで宝箱のよう!


2階は、窓際のカウンター席がおすすめ。ビールを嗜みながら、渋谷の老舗たちや街ゆく人たちを眺めることができる特等席です。

ただ、足元も開いているので、落ちないように要注意!


店内のもう1つの見どころは、なんといってもDBWの世界観にどっぷり浸かれるアートたち

DBWはアートワークにも力を入れていて、それぞれのビールにストーリー、ポスタービジュアルを創作しています。それはポップでレトロでキュートなものから、かっこいい映画のワンシーンのようなものまで、さまざま。


これらは店内に飾られていた、過去にリリースされたビールのラベルたち。可愛すぎるやろーーー!!!


あまりの可愛さに、飲み終わった後にコレクションする人もたくさんいます。

私もそのうちの1人で、飲み終わった缶はもちろん、お気に入りの絵柄のTシャツも購入するなどDBWを生活に取り込み、日々のモチベーションを上げているほど大好き。というか、可愛すぎて缶を捨てるにも捨てられないのだ…


ちなみに、SiB100の店内では、空になった瓶まで「蚊取り線香入れ(置き?)」として活用していました。斬新なアイデア!


Tシャツやグラス、ビジュアルブックなど、グッズコーナーは1階と2階を結ぶ階段にあります。節約中だった私は、今日は我慢するぞと覚悟していたのに、思わず財布の紐が緩んでしまいそうに。


そもそも「ディレイラブリューワークス」って?


個性的なビールはもちろん、アートにも力を入れるDBWですが、なんと、母体はビールもデザインも関係なく、高齢者の介護や障碍者の就労支援をしている会社なのです。

ビール事業への参入は、就労支援の利用者の人々の一言から始まります

代表の山崎さんが、お酒の席で就労支援の利用者の人々から「もっとやる気になれる仕事がしたい。酒のことなら本気出す、いくらでも売ったる。」と言われたことがきっかけで、まずはラベルだけを自社製作したビールを販売したところ、本当にあっという間に売り切ったのだそう。

その様子を見て、「自分たちで造ればもっと誇りが持てるはず」と思い、2018年4月にクラフトビールの自社醸造をスタートしました。


実際、今も「西成のおっちゃん」たちと協力しながらビール醸造を行っていて、ビールのラベル貼りや検品作業など、おっちゃんたちの手作業によりビールが製品化されているのだとか。

ちなみに、“ディレイラ”はフランス語で「道を外す者=生き方を自分で選ぶ者」の意味。常識や一本道にとらわれない発想やマインドでビールを造り続けていく信念が現れています。



缶ビールとタップ、ともに豊富なラインナップ


そんなDBWのビールが渋谷で楽しめる、ここ「スタンドうみねこ SiB100」では、タップでは約20種缶ビールは約15~20種類を提供(今後増える予定)。タップビールも缶ビールも、店内利用・テイクアウト両方okです!

伝統的な製法を踏襲したシンプルなビールから、大阪名物「みっくちゅじゅーちゅ」をイメージしたミルクシェイクIPAのような変わり種まで、多様なビールを醸造・提供しています。他では見ないような個性あるビールばかりで、全タップ制覇したくなっちゃう。


サイズはS/M/Lの3種。ビールによって価格は変わります。

また、毎週火曜日にラインナップが変わりますが、そのタイミングで新作のビールがリリースされることも。新レシピは絶えず開発しているそうで、「今しか飲めない」という限定ビールも多く存在します。

さらに、自社以外のビールも提供していて、国内を回遊する渡り鳥“うみねこ”にちなんで、国内だけど、地場消費がほとんどであまり流通することのないマイクロブルワリー」に限定して、ピックアップしているのだそう。いつきても新しい発見や学びがあるビアバーって、とっても楽しいし嬉しいですよね。


この日、私が出会えたビールはこちら!


■NIGHT RIDER CLEAR WATER REVIVAL(Mサイズ 税込1,100円)
準定番ビールである『NIGHT RIDER ROUTE26』を、レジェンドブルワーである長谷川さん監修のもとブラッシュアップしたセッションIPA。新たに「Citra」「Amarillo」ホップを使用し、シトラス感が強く出ています。

バランスがよく飲みやすいので、「本日の1杯目」や「食事も主役にして楽しみたい」というタイミングで嗜むのがおすすめ!


■新世界ニューロマンサー(Mサイズ 税込1,100円)
大阪発祥の名物ジュース「みっくちゅじゅーちゅ」をイメージした、ミルクシェイクIPA。準定番商品として、タップにつながっていることが多い1杯です。黄桃やバナナ・ラクトースをふんだんに加え、小麦も使用することで、優しい甘さやヘイジー感を楽しめる仕上がりに。口の中がとろけます。

余談ですが、2階のカウンター席から撮影したこの写真。ストリップ劇場の看板が背景にうつることから、人気の撮影スポットなのだとか。西成と渋谷のカオスなコラボが収まった画角で、めっちゃエモいです。皆さんもぜひ撮影してみてください!



さらに、リンゴ果汁でつくる醸造酒「シードル」も自社で製造しているDBW。

この日も3種類のシードルがつながっていたのですが、アイスティーをイメージしたシードルや、紅生姜をスパイスに加えたシードルなど、個性が爆発していました。


ちなみに、提供グラスは「プラカップ」または「リユースカップ」で選べて、リユースカップはそのままグッズとして家にお持ち帰りすることができます。

まんまるで可愛いフォルムだけでなく、ちょっとの衝撃では割れなそうな強い素材、そして持ちやすい軽さも特徴的だったので、おすすめ!


ビールを活かしたフードメニュー


ビールと一緒に楽しむ食事も、唯一無二の個性が光ります。

麦芽粕を使用したフード、ビールが進むようにスパイスを効かせたフードなど  “ビールを活かした”フードに拘ったメニューが並んだり、「今週のおすすめ」というテーマで、旬の素材やビールがすすむ味付けの料理人が考案したオリジナルレシピの今後も新商品がどんどん登場する予定だったり。

飲み会前の0次会や、二次会のシーンで手軽に楽しめるフードが勢揃いです。


■気まぐれスパイスカレーライス
(税込880円)
カレー激戦区である大阪で試行錯誤し完成した、アルコールとの相性抜群なスパイスカレー!“気まぐれ”ということで、この日は「豚ひき肉とほうれん草のキーマカレー」でした。違う日には、「海老とココナッツのスパイスカレー」「鶏胸肉と生姜のトマトカレー」なども楽しめるそうです。

ちなみに、カレーはルーだけでも注文ok!「〆が食べたいんだけど、ちょっと満腹に近づいてきてるから、1人前の炭水化物もちょっと憚られるんだよな…」みたいなニーズまでも満たしてくれるのがありがてえ〜!!!


■名物!ウフマヨ(税込680円)
ゆで卵にマヨネーズをかけたフランス料理「ウフマヨ」に、山椒とほうれん草のソースをたっぷりかけた小皿料理。山椒の痺れと、ペコリーノチーズがいいアクセントで、ビールが進む進む…


■おつまみカヌレ クミンorチーズ(税込380円)
おつまみとして食べられる、甘ジョッパイカヌ!カヌレって外カリカリ、中もっちりなものが多いですが、とってもフワフワしてました。クミンの香りがアクセントになっていて、新しい感覚のカヌレに感動。1日1個食べたいくらい。


大阪から、渋谷へ渡った「うみねこ」

「スタンドうみねこ」1号店

「スタンドうみねこ」は、大阪・心斎橋から始まり、京都・福岡と西日本を中心に展開し、そして今回念願の東日本進出を果たしました。

初の東日本進出は、いろんな世代や地域・国内・国外の人が交わるエリアとして渋谷を希望しているなか出会えた、今回の物件に一目惚れをし、導かれたのだとか。


第1号店を彷彿とさせる、4坪のコンパクトな店内。老舗や新しいカルチャーのお店がひしめき合い、負けじと輝くネオン街、猥雑な店舗。斜め前に見えるストリップ劇場『道頓堀劇場』。東京上陸一号店は、大阪店舗立ち上げの初期衝動アゲイン!ここしかない!という縁を感じました。

また、関東大震災後の渋谷の復興に重要な役割を果たした地域である渋谷百軒店は、新しいカルチャーと老舗の名店、猥雑に輝くネオン街など、混沌としていて一言で表すことがとても難しく複雑。でも、それがどんな時代を経てもカルチャーを牽引している『渋谷』という街らしい。今回は、全員で頭を悩ませたあげく『渋谷百軒店』から言葉をいただき、『SiB100』と名付けました。スタンドうみねこも、時代を経ても年代越えて愛される店舗になればいいなという願いが込められています。


と、スタッフさんが東日本進出に対するアツい想いを教えてくれました。


コンセプトも同様に、クラフトビールに馴染みのない方や、これから知っていきたい!という方が、『ビールって楽しい!』という体験ができる場でありつづけたいという思いが1号店と共通しています。

クラフトビールを好きになるきっかけのお店であるため、「お店への入りやすさ」「キッチュでキャッチーなパッケージデザイン」そして「スタイルの豊富さ」と、第一印象を大切にしています。


渋谷店オープン時にとても嬉しく励みになったのは、『うみねこのオープンを待ってたよ』というお声を沢山お客様からいただいたことだそう。

大阪・京都・福岡と既にオープンしている店舗へ、旅行や出張の際に来店した方々や、西日本の友人におすすめされてきました、という方など。全国でうみねこを知ってくださる方、クラフトビールを楽しんでいただいている輪が広がっていることはとても嬉しく思います。東日本でも、渋谷でうみねこを知っていただき、西日本に旅行や仕事で行かれる際は西日本の店舗に遊びに来ていただく、そんな循環ができると嬉しいです。」と話すスタッフさん。


進化が止まらない「ディレイラブリューワークス」そして「スタンドうみねこ」。

今後の展望も聞いてみると、ビール醸造の際に出る副産物『麦芽粕』を使用したアップサイクルプロジェクトの初の実店舗となるパンとベイクのカフェや、大人のビストロのオープン、さらに主催の無料音楽フェス「坂ノ上音楽祭」の開催、さらに新店舗出店のプロジェクトなど……ファンとしては嬉しすぎるほど企画が目白押しでした!休憩知らずの西成魂、すごすぎる。

あなたもぜひ、キッチュな渋谷の繁華街に佇む、キャッチーなビアバー「スタンドうみねこ SiB100」に、溺れてみてください。

 スタンドうみねこ SiB100

〇住所:東京都渋谷区道玄坂2丁目16−2
〇TEL:03-6416-9211
〇交通:JR渋谷駅から約徒歩5分
〇営業時間:17時〜23時
〇定休日:不定休
〇座席数:立席・約20人
〇支払い形式:カード、各種電子マネー、QRコード決済
〇喫煙・禁煙:全席禁煙
〇Instagram:https://www.instagram.com/standumineko.sib100/

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sakko 編集長

「ビール女子」編集長。記事の企画・編集やイベントの運営を担当。小さい頃から、両親が毎日ひたすらビールを楽しそうに飲む姿を見てきたため、「私もきっとビール好きなのだろう」という根拠のない自信と、「大人になったらおいしく楽しくビールを飲みたい」という夢を抱いて育つ。そして、20歳の誕生日を迎えてすぐベルギービールの店で働きはじめたところ、案の定魅了されてビールの世界にどっぷり浸かり、今に至る。

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