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Bar 【東京・幡ヶ谷】希少性の高い国産牛の焼肉とクラフトビールが10種類楽しめる、スタッフの好きが詰まった「肉と麦」に行ってきた!

2025/02/15

東京都渋谷区幡ヶ谷

渋谷区というと常に人が行き交いエンタメやファッションの文化の最先端で、多くのビルが立ち並んでいるイメージですが、ここ幡ヶ谷は昔ながらの商店街や公園などが駅前に広がり、どこか落ち着く街並みと活気が共存する街。

駅に降り立つと初めて来た気がしないようなあたたかさと懐かしさを感じます。


今回はそんな街の一角にある、焼肉とクラフトビールの店「肉と麦」に行ってきました。

オープンからわずか3年ほどで既に多くのファンを生み出している「肉と麦」の魅力を深掘りします!


自分の家のような温もり溢れる店内


代々木上原駅も徒歩15分くらいの距離。ナチュラルワインを提供している大人な雰囲気のおしゃれなお店もちらほらみかけます。

京王線幡ヶ谷駅で降りて徒歩1分ほど。駅を出てすぐの場所に、今日の目的地であるお店の看板が見えてきました。


店の入口の外にある靴箱。「肉と麦」ではまず、靴を脱いでお店に入ります。

珍しいスタイルですが、これは床や壁に樫の木を使用していて、傷がつきにくいようにするため。靴を脱ぐと何だか開放感があってお家にいるようなホッとする安心感があります。


見渡す限り木材の店内で、お店の中にいるのに自然でありのままの温もりを感じます。


スリッパも可愛い…「肉と麦」のキャラクター・むぎおくんが出迎えてくれます。


「肉と麦」の至るところにむぎおくんや猫のオニクなどのキャラクターがみられます。


このキャラクターたちは全て、デザインを担当するスタッフの方が描いているのだとか!かわいすぎるグラスやアパレルのグッズも店内で販売しています。


入り口を入ってすぐのところにはちょこんと置かれた火鉢とベンチが設置されています。そのときの気分で火を焚いていて、温まりながらここで飲むこともできるそう。

暖かい時期になったらこの窓を開放して半外でビールを楽しめます。争奪戦になりそうな席ですね。


ビールタップの前はカウンター席になっています。カウンターの板にも一枚の大きな杉の板を使っているのだとか。

ここではビールのサク飲みはもちろん、焼肉も焼いた状態で出してもらえたりと、幅広く利用可能です。


奥に長く続く店内を進むとロースターが置かれたテーブル席があり、足元の石には、青森の十和田湖で採れた石を使用しています。

店内外のデザインからインテリアなど、どこに目をやっても細部へのこだわりが感じられます


奥の席は大人数でくつろげる掘りごたつテーブルになっています。

幡ヶ谷はファミリーも多い街なので、週末はこの席が家族連れで賑わうことも多いそう。

なんと事前に相談すればワンちゃんも入店可能!家族みんなで気兼ねなく来れるのはありがたいですね。


店内でDJブースも発見。驚きなのは常連さんからのプレゼントだそう。たまに深夜にテンションが上がった時に音楽をかけているとか!遊び心が店内に散りばめられています…!

焼肉とビール、そしてナチュラルワインまで楽しめる

焼肉とクラフトビールという最高の組み合わせを楽しめる「肉と麦」。お店がオープンしたきっかけについてオーナーの伊藤清孝さんに伺いました。


伊藤さんは以前、日比谷のバーで3〜4年働いていてさまざまなお酒を提供するなかで、ウイスキーにどっぷりとハマっていたそうです。

その後、イタリアンレストランで店長をすることになりワインの勉強を始めるうちにワインの魅力に気づき、その後独立。最初にオープンした神楽坂のワイン食堂「Entraide(アントレイド)」、続けて焼き鳥とワインのお店「Gallo(ガッロ)」を開業します。

そんななか、8年ほど前から「焼肉屋をやりたい」という思いがあり、もしオープンするなら名前は「肉と麦にしよう」と心に決めていたそう。

筆者はてっきりビールは麦から作るから「肉と麦」なのかと思い込んでいたのですが、伊藤さんはずっとウイスキーが好きだったこともあり、当初は“焼肉とウイスキー(ハイボール)”で「肉と麦」の予定だったとか…!


焼肉屋開業の思いを心に留めながら次に開業したのが、浅草のクラフトビールと自家製ソーセージの店「THE DAY east tokyo(ザデイイーストトーキョー)※」。(※現在は株式会社THE DAY&LIFEsが運営)」

伊藤さんはこの店でクラフトビールの面白さに気がつき、“焼肉とクラフトビールのお店にしよう”と決意するのです!


これまでのイタリアンでの経験や知識を活かして、ビールだけではなくナチュラルワインも豪華なラインナップで取り揃えています。

店内中央にあるワインセラーにはずらっと300種類ほどのワインが並びます。ワイン好きな方も気になるラインナップが並んでいるはず!


冷蔵庫にもこんなにたくさんのワインが。どのボトルにも説明が手書きで書いてあるので、自由に手に取って選ぶことができます。ボトルで注文する以外に、グラスワインもオーダーできます。

その他にもウイスキーや、最近伊藤さんがハマっているという焼酎も取り揃えていて、お酒の好みに関わらず飲みに来れるところも魅力です!

素材そのものの肉のおいしさを広めたい


「肉と麦」で1番のこだわりはやはり肉。

肉と麦では、国産牛をイタリアン時代から信頼関係を築いてきた業者から仕入れ、冷凍を一度もせずに鮮度にこだわり提供しています

メニューを見るとあまり見慣れないブランドの牛の名前が目にとまります。


伊藤さん「焼肉の業態は初めてだったので、最初は国産牛ならいいだろうと思っていたのですが、肉について勉強していると今の焼肉業界に少し疑問を抱くようになったんです」

私たちが焼肉を食べに行った時などに1番よく耳にする「黒毛和牛」は高級ブランド牛として有名で、今の焼肉業界では不動の人気があります。しかし、一部の牧場では脂の乗りをよくするために特別な飼育方法をとったり、過度な飼育方法が牛に負担をかけることもあると言われています。

伊藤さん「無理して育てられた牛を仕入れて、そういった背景をお客さんに伝えないまま、美味しい美味しいって食べてもらうのって、なんか違うなと思ったんです。だから『肉と麦』では自然に育てられ、かつ本当に美味しいと思う牛にこだわって提供しています


例えば、乳牛で有名なジャージー牛は、当然乳が出るのはメスだけなので、オスは生まれてまもなく処分されてしまい、食用に出回ることはほとんどないそうです。しかし「肉と麦」では、ジャージー牛を餌を変えて肉食用に卸す酪農家から仕入れて提供していたり、「ジャー黒牛」という愛称の、黒毛和牛とジャージー牛と掛け合わせた「交雑系」の牛の肉を仕入れて提供しています

また、岩手の「短角牛」など、まだあまり知られていないブランド牛も積極的に仕入れています。短角牛は岩手の自然の中で放牧され牧草を食べながらストレスなく自由な環境で育っている牛なのだそう。牧草で育っているので脂身が真っ白ではなく少し黄色いのも特徴です。


伊藤さん「脂が多く柔らかくなるように育てられた肉と比べると、仕入れている肉の中には赤身で筋張ったところがある肉などもあるんですが、それは店側の提供の仕方次第でいくらでも美味しく食べられるので。カットの仕方を研究して、肉の種類によって切り方や大きさなどを変えています。提供する際にもそれぞれの肉が1番美味しく食べられる焼き方も伝えています」

伊藤さんは、実際に仕入れている肉が育っている牧場にも足を運ぶこともあるそうで、お店で提供する商品のことを深く理解して、正しい魅力を伝えることを大切にしているそう。提供する肉ひとつひとつにここまで思いがあるとは、驚きです。

こだわりの肉と全てが手作りのサイドメニュー

肉と麦が「もっと広めていきたい!」と考えるまだなかなか知られていない牛のひとつ。メニューには愛称で「ジャー黒牛」と書かれています。焼き方は、あまり焼きすぎないことがポイント。

『岩手 ジャージー牛×黒毛和牛 肩ロース』(税込1,680円)


旨みが凝縮された赤身に、脂の入り方もちょうど良く、噛みごたえも程よくありつつ非常に柔らかい食感。噛むほどに旨みや脂の甘みが口に広がります。食べやすく小さめにカットしてあり、これがちょうど良い大きさで、肉の味わいに全集中できます。「なるほどこれがカットのこだわりか」と納得してしまいました。

『岩手 短角牛 カルビ』(税込1,080円)


岩手の広大な自然で育った「短角牛」のカルビ。なんと国内和牛のシェア率で1%未満という希少性の高いブランド牛です。

食べてみると、カルビと聞いてイメージする脂の乗ったジャンキーな感じはほとんどなく、赤身の旨みもしっかりしていて食べ応えがあります。牛の種類の違いでこんなに味わいが変わるのかと驚きました。脂の甘みはしっかり感じるけれど全くしつこくないので肉を焼く手が止まらない…!

肉と麦ではサイドメニューもとことん手作りにこだわっています。中でもおすすめな、焼肉にはもはや欠かせない一品をいただきました!

『手作りキムチ』(税込500円)


伊藤さんの地元愛媛産の野菜を使った手作りのキムチの盛り合わせ!その時仕入れた旬の野菜を使用しているので毎回種類は違いますが、今回はレンコン、白菜、人参のキムチでした。食べてみると、買って食べるキムチのような甘みの強い感じではなく、しっかりと唐辛子の辛さがピリッとくる手作りならではの味。主役の野菜の旨みを引き出すちょうどいい辛さで、白米にバウンドさせてガッツリ食べたい…もちろん焼肉とも相性抜群で、これはぜひマストでオーダーして欲しい名脇役!


その他にも手作りのコンビーフ、サラミ、ベーコン、赤身とレバーのレアパテなど、元々ホットドッグのお店やナチュラルワインのお店でシェフをされていた方が手がける手作りのワインに合いそうなメニューも…!カウンター飲みにもちょうど良さそうです。

ランチも日曜と月曜以外は営業しています!昼から焼肉もぜひ。Instagramで、営業時間や毎回仕入れた肉の紹介や料理の紹介を細かく発信しているのでぜひチェックしてみてください!

繋がりの深いブルワリーで構成されたタップリスト


「肉と麦」では、基本10タップ国内産のクラフトビールが繋がっています。

肉と同様にビールもつくり手であるブルワーさんと直接話をし、思いを知った上で、繋がりの深いブルワリーのビールをチョイスしています。全部で20ブルワリーほどから仕入れていて、そのほとんどのブルワリーに直接足を運んだことがあるそうです。

伊藤さん「ブルワリーってどこもウェルカムな方が多くて、ふらっと行っても受け入れてくれて直接造っているところを見せてくれる。クラフトビールはそんなオープンなところも面白いですね」

肉もビールも実際に足を運んで、つくり手の温度感で魅力をお店に持ち込んで提供しているところがまさに「肉と麦」の魅力!

それでは、この日のおすすめビールを2種類いただきます!

『移転phobia』Totopia Brewing × WITCH CRAFT MARKET × AMAKUSA SONAR  BEER(小 税込1,200円)


九州にあるWITCH CRAFT MARKETというボトルショップが移転するという記念に造られた3社クロスコラボのHazy IPA!味わいは、これぞ王道Hazy IPAという感じのシトラス感の強いジューシーさが際立ち、ホップの苦みもしっかりあります。香りも味わいも濃厚でかなり飲みごたえと満足感があるけれど、意外と後味はスッキリ感もあって飲みやすい一杯。


『Cow boy』Teenage Brewing (小 税込1,200円)


サボテン、リンゴ、ハバネロ、シナモン、レモンを使用したフルーティーかつピリッと辛いサワーエール。濃厚な少しトロッとした口当たりで、ほんのりベリーのような爽やかな香りと、味わいはリンゴ由来の柔らかい酸味が感じられて、酸味の強調されていない爽やかな甘みのサワーエール。美味しい〜とふたくちくらい飲んでいるとハバネロが全面にやってきて、しっかりと辛い!そして後味にはシナモン感も残る、何とも複雑な味わい。

これが焼肉と合わせると、肉の脂の甘みとハバネロのピリッと感が調和して、ちょうど良く口の中でマッチしていました。

肉と麦では周年祭のときに過去3回、毎年3ブルワリーとコラボしてオリジナルのビールを造ったり、定期的にタップテイクオーバー(一つのブルワリーのビールを全てのタップに繋げるイベント)や実際にビールを造っているブルワーさんを招いてイベントをしていたりと、ビール好きが目を離せないような魅力的なイベントを多く行っています!

これからもどんなワクワクを届けてくれるのか楽しみです。

好きなものを詰め込みながら変化していく


お話を聞いていて、「好きなもの」をとことん追求して妥協しないオーナーの伊藤さんの性格がお店に表れているところが、「肉と麦」の魅力に繋がっているような気がしました。


店内外を改めて見回してみて、良い素材で内装や外装を作ることで日々の手入れは大変になるのかもしれません。

しかし、素材からこだわっているところも、店内に入ったときにどこか空気が澄むような暖かさに包まれる感覚があるところも、素材から生み出される安心感が「肉と麦」の“居場所感”に繋がっている気がします。


そして焼肉屋とは思えない贅沢なワインセラーや店内に突如現れるDJスペース、窓際にちょこんと置いてある火鉢も、好きと楽しさを詰め込んだ店内で、来る人をいつでもワクワクさせてくれます。


また、働いている皆さんがそれぞれ好きなことや得意なことを活かしてアイデアを持ち寄りながらお店を見た目から楽しくしていたり、得意分野を活かした新しいメニューを考案していたりと、常にワクワクする方へ変化していく様子も、「肉と麦」に目が離せなくなる理由かもしれません。

伊藤さん「これからは、ビール屋としてはカウンターにもっと気軽に人が入って来てくれるように気軽に楽しめるようなメニューの考案もさらに力を入れていきたいと思っています。そして焼肉屋として、まだあまり知られていない“自然に育てられた美味しい肉”のことを発信し続けて、もっと認知を広げる役目ができたらと思います。あそこの肉あまり聞かない肉だけど美味しいって言ってもらえるように、食べにきてもらえるように、魅力を伝え続けていきたいです」


「肉と麦」では、ブルワリーや牧場に直接足を運んで生産者と対話しながら、仕入れている肉やビールにはどんな魅力やストーリーがあるのかを生産者と同じ温度感で吸収し、美味しさだけではない魅力を「肉と麦」を通してどのように伝えていくのかを日々試行錯誤しているのだと感じます

だからこそ、「肉と麦」に来る度に今まで知らなかった美味しさや楽しさを教えてもらえるかものかもしれないと、そんな期待に胸が高まるのかもしれません。


これからも好きなものをさらに詰めこんで、日々変化しながら新しい魅力を発信し続ける「肉と麦」に、ぜひ行ってみてください。あなたの新しい好きも、ここで見つかるかも。

 肉と麦

〇住所:東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-36-1-105
◯アクセス:京王線幡ヶ谷駅から徒歩1分
◯営業時間:
[日・月]17:00〜25:00

[火〜土]11:00〜15:00
          17:00〜25:00
◯定休日:不定休
◯決済方法:現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード
◯Instagram:https://www.instagram.com/niku.to.mugi/


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ビールにハマったきっかけは大学時代に見たガッキーのドラマでした。行きつけのビアバーでお気に入りのビールを片手に人生について語る…そんなガッキーに憧れて初めてビアバーに駆け込んでみたときに、ビールの奥深い世界と出会いました。特に好きなスタイルはIPAです。ちょっぴり苦めで香り強めが好きです。皆さんがここでたくさんのお気に入りの一杯に出会えますようにと願いを込めて、楽しい情報を発信していきます!

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