スーパーやコンビニなどでも見かけるようになり、より身近になってきたクラフトビール。「地ビール」という名前が一般的だった26年前と今とでは明らかに違う世の中で、ブームを通り越し日本の「文化」になってきているのではと感じる今日このごろ。自社の個性を出したクラフトビールが今この瞬間も全国で造られ、まだ見ぬ新しいクラフトビールも追っていきたいところだとは思いますが、日本におけるクラフトビール(地ビール)のはじまりって気になりませんか?
じつは、新潟を拠点とするエチゴビールこそが「全国第一号クラフトビール(地ビール)」であり、創業当時の想いを引継ぎながらビール造りを続けているんです。
今回は、2020年にパッケージを刷新したエチゴビール定番4種をご紹介!パッケージに書かれたメッセージには、今この時代を生きる人たちにエールを送りたいという思いが込められていました。
※Twitterキャンペーンは終了しました。沢山のご投稿ありがとうございました!
・日本のクラフトビールはここからはじまった
・長く愛されている4つの定番ビール
・パッケージに秘めた想いとは
・挑戦する人を応援!「#私にエールを」で挑戦したいことをつぶやこう
・前向きになりたい人にも寄り添うビールに
日本のクラフトビールはここからはじまった
エチゴビールのはじまりは、1970年代後半にまで遡ります。
エチゴビールの創業者は日本を離れ、欧州にて舞踊などを学び、演劇や映画に出演する日々を送っていたのだそう。そんな生活のなかで、ひとりの絵本作家のドイツ人女性と出逢います。
彼女の故郷ドイツ・レーゲンスブルグへ訪れた際、ドイツの豊かなビール文化を体験した創業者は、その後自身の故郷である新潟から日本全体にその文化を広めたいと考えました。
時は進み、1994年。
日本における酒税法の改正により、それまでビール製造免許を取るために必要な年間最低製造量が2,000キロリットルだったのが、60キロリットルまで引き下げられました。
この法改正により、大規模な醸造設備がなくともビール醸造ができるようになったため、中小の造り手によるビール製造が可能に。
このとき、どこよりも先にブルーパブを開き、全国第一号クラフトビール(地ビール)の製造をはじめたのがエチゴビール。つまり、エチゴビールのはじまりこそが、日本のクラフトビールのはじまりなのです。
長く愛されている4つの定番ビール
先駆者として日本のクラフトビールの道を切り開いたエチゴビールは、しっかりとした個性を持ちつつ繊細なバランスの取れた味わいを大切にしており、その定番商品は長く変わらない味わいで愛され続けています。
そして、2020年の3月から順次、定番4種の缶のパッケージを刷新。そこには「Let's be romantic, act on stage!」の文字と、指揮者やシンガーなどいわゆる“舞台で輝く人たち”のイラストが。
そんな4つの定番ビールについて、詳しくご紹介します。
『ピルスナー』
ピルスナーのオリジナルホップとされるチェコ・ザーツ産のアロマホップを使用した、麦芽100%のクラシックスタイルのラガー。黄金色の液色にもちもちっとしたきめ細かい泡。ホップの香りに爽やかな苦みと豊かなモルトの旨みと甘さを感じます。人物のイラストは、味わいのハーモニーという意味合いと、ピルスナーの故郷であるチェコの作曲家・ドヴォルザークの交響曲を演奏するオーケストラを表現。
『プレミアムレッドエール』
美しい赤色のエール。ホップ由来のしっかりとした苦味・柑橘系の香り。ミディアムボディの味わうエールです。2018年ニューヨーク国際ビアコンペティション金賞受賞。ビール自体もきれいな赤い液色なので、エレガントさを出すべく情熱的な赤のドレスをまとった踊り子が描かれています。
『エレガントブロンド』
アロマホップとエール酵母が生み出すフルーティーな香りとやさしく芳醇な味わいが特徴の、やわらかい口当たりのエール。グラスに注ぐとほんのり泡も液色に染まります。もともとは「ビアブロンド」という名前ですが、もう少しエレガントな名前にと変更。新潟は「ジャズの街」とも言われており、優しい味わいも含めて女性のジャズシンガーが描かれています。
『スタウト』
焙煎麦芽の香ばしさとホップの爽やかさ、贅沢なモルトの甘味と苦みのバランスが良い、アイリッシュスタイルの本格スタウト。「スタウト」は以前のパッケージもサックス奏者でしたが、力強い音色が、身体と心に響くというイメージから、今回もサックス奏者を採用しました。
そしてどの缶にも共通して、“ビールを片手に微笑む雄ヤギ”のイラストも描かれています。今では、エチゴビールのすべての缶の顔になっているこの“雄ヤギ”のイラストは、創業者の奥様であるドイツ人の絵本作家によるもの。雄ヤギはドイツやチェコでは、多産や豊作・商売繁盛のシンボルにもなっています。
「人生という舞台で輝くすべての人に届けたいビール」パッケージに秘めた想いとは
刷新されたパッケージのイラストやメッセージにはどんな想いが込められているのか、今回マーケティング室の別所弘章さんにお話を伺いました!
今回お話を伺った場所は、丸の内線新中野駅から少し歩くと見えてくる、ウッド調で暖かい雰囲気のお店「The Neighborhood Spot 204」。
クラフトビールやナチュラルワイン、テキーラなどを取り扱っており、クラフトビールのタップ数は2つ。居酒屋では出会えないようなお酒を展開し、地元の方や常連の方が多く訪れ、エチゴビールも提供しているカジュアルバーです。居心地の良い空間で、ゆったりとビールを味わいたくなるお店です。
ー定番4種のパッケージデザイン一新と、「Let's be romantic, act on stage!」というブランドメッセージの創造にはどういった背景があるのでしょうか?
別所さん:エチゴビール創業者の著書を読んで、そこに書かれていた“地ビールはローカルロマンティシズムだ”っていう言葉にグッときたんです。
ーロマンティシズムですか!感情や個性の自由を尊重する考え方のことですね。
別所さん:エチゴビールは、創業者が退き会社組織が変わって、一時とても厳しかった経営状況を、別の企業からビール醸造を受託するOEMなども積極的に行うことで、事業を立て直してきた経緯があります。そんな中でも、エチゴビールの顔ともいえる雄ヤギのイラストはブランドの顔として大切にしてきました。
ー経営母体が変わっても、大切な根幹ともなるものが受け継がれてきたのは、その時々の担当者の愛を感じますね。
別所さん:特にエチゴビールの地元である新潟には、このイラストや定番商品の味わいの根強いファンがいらっしゃいますから、それは大事にしたいですよね。
ーなるほど。
別所さん:そんななか、定番商品に加えて、龍のイラストでお馴染みの『フライング アイピーエー』のようなデザインの趣向が大きく異なる新しい商品も加わり、少しずつブランドの統一感が無くってきているなと感じていました。そこで、大正ロマンを感じさせる素敵なヤギのイラストをあらためてアピールしながら、全ての定番商品のデザインをブラッシュアップすることにしたんです。
ー確かに、雄ヤギのイラストを見ればエチゴビールだってわかります!
別所さん:定番4種のパッケージの話に戻りますが。
もともと「レッドエール」は鶴の絵が、「スタウト」はサックス奏者の絵が描かれていて。「ピルスナー」と「エレガントブロンド」(旧名:ビアブロンド)はそのスタイルの説明だけで裏面に絵は描かれていませんでした。
ーその裏面に大切な役割を持たせたということですね
別所さん:そうなんです。最初から順を追って話をしますと、2018年にエチゴビールのブランディングを見直すことにしたとき、まずは創業者の上原誠一郎さんに会いに行きました。ブランドの原点を知る必要があると思ったので。
そして、上原さんがヨーロッパに渡り奥様に出会いドイツの文化に触れるお話などを、直接ご自身からお聞きしました。上原さんは今も現役の芸術家で、ストリートパフォーマンスなどもされているんですよ。そんな話を伺っている中で、舞台役者をされていたということもあり「ステージの上に立つ」っていうキーワードが思い浮かんだんです。
その意味をもう少し広く捉えて、「みんな人間は人生っていうステージの上に立って、役を演じている」って、エチゴビールのメッセージとしてはとても良いなと思ったんです。エチゴビール自体も“ビール造り”というステージに立って精一杯役を演じているわけです。
みんな一人ひとりに、ステージに立つ夢とロマンを持っていて欲しい、そんな想いを、上原さんの著書に書かれていた“地ビールはローカルロマンティシズムだ”ということばと合わせて、「Let’s be romantic, act on stage!(ロマンを語ろう、舞台に立とう!)」というブランドメッセージに決めたのです。
ここで缶デザインの裏面の話に戻るのですが、4つの定番商品に、そのビアスタイルが生まれた場所や味わいの特徴を表現する何かを入れることを考える中で、お店の商品棚に並んでいたら統一感があって「きれい!」と思ってもらうだけでなく、思わず手に取りたくなるような華やかさもあり、何よりブランドメッセージを伝えることができるものとして、「ステージに立つ人々」のイラストというアイデアにたどり着いたのです。
別所さん:じつはこのキャッチコピーを決めてからすぐにパッケージに反映したわけではなくて。まず最初に行ったのが、SNSの背景画像にこのメッセージを載せたこと。そこからHPに載せたり、限定商品のデザインに入れたりと、徐々に使うようにして、エチゴビールの社内でも「最近うちの会社この言葉使ってる」って浸透させていきました。2年かけて社内ブランディングをしたということです。今、工場のスタッフは、このメッセージが書かれたTシャツを着てビール造りをしています。
別所さん:今回パッケージを変えるにあたっては、ビールの中身は変えていないんです。先にお話ししたとおり、特に新潟に多くの長いファンがいらっしゃるので、味は変えないことにしたんです。でも、「なんだか最近前よりおいしく感じる」って聞くことも多いんですよ。面白いですよね。
今回のエチゴのブランディングは、ビール業界に長く携わってきた僕個人の想いも少なからず反映したものになりました。それは、お酒って、ただのモノではなく、人間のストーリーと共にあるものだということです。エチゴビールを手に取っていただくお客様の物語を彩りたいし、一人ひとりの人生が輝いていてほしい、そういう想いを大事にしながら、これからもビールを造り続けていきたいです。
挑戦する人を応援!「#私にエールを」で挑戦したいことをつぶやこう
エチゴビールに込められた深い想いを知り、私たちも挑戦するすべての人を応援したい…!ということで、7月21日(水)〜7月31日(日)の期間でTwitterキャンペーンを行います!
参加は簡単。記事のシェアとともに、「#私にエールを」のハッシュタグをつけてあなたが挑戦してみたいことについてツイートしてください!シェアしていただいた方の中から抽選で20名様に、「エチゴビール6本セット」をプレゼント!活力の源となるエチゴビールを飲んだら、舞台で輝く準備は万全です。
※Twitterキャンペーンは終了しました。沢山のご投稿ありがとうございました!
“自分”にエールを! Twitterキャンペーン
●概要:キャンペーン期間中、記事のシェアとともに「#私にエールを」のハッシュタグをつけ、あなたが挑戦してみたいことについて投稿。抽選で20名様にエチゴビール6本セットをプレゼント!
●期間:2021年7月21日(水)〜7月31日(金)
●当選発表:キャンペーン締め切り後、抽選の上、8月中旬までに当選者の方にTwitterのDMにてお知らせいたします。
●商品発送:8月下旬から順次ご連絡いただいた住所へ発送させていただきます。
前向きになりたい人にも寄り添うビールに
エチゴビールのパッケージが刷新された2020年3月は、奇しくもコロナ禍がはじまり、いつもの日常が失われてしまった時期。ダンサーやミュージシャンなど、舞台に立つ人たちの活躍の場が一気になくなってしまいました。しかし別所さんは、「エチゴビールはそういう人たちを応援するっていう使命も持ったんだと思う」と話します。
今、たくさんの人がストレスや悩みを抱えているなか、少しでも前向きなメッセージを発信したい。疲れた時の気分転換やハレの日、少しでも気持ちが前向きになる場にエチゴビールが少しでも寄り添えれば…と思っているそう。
一人ひとり、人生というステージに立つ人を応援すべく、のびのびと音楽を奏でたり、自由に踊るイラストたち。色とりどりのビールを並べたら、このアーティストたちのようにしゃんっと背筋を伸ばし、「よしっ!」と活を入れて一歩前に進めそうな気がします。
エチゴビール公式HP
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