Event 米国No.1は伊達じゃない!アメリカのクラフトビール事情におけるブルームーン的視点

2014/10/17

米国の試飲会でこのビールを飲んだ人が、「Once in a blue moon!(極めて稀なこと、決してありえないこと)」と声をあげたことから名付けられたという、米国生まれのクラフトビール「BLUE MOON」(以下ブルームーン)。そんな新たなスタイルのクラフトビールの魅力を知ることができる『ブルームーンアカデミー』が、月が地球に接近し通常よりも大きく見える“スーパームーン”となった9月9日、コンラッド東京で開催されました。アカデミーの模様と合わせ、ビール女子編集部が独自に行ったブルームーンのヘッドブルワーであるキース・ヴィラ氏へのインタビュー内容も踏まえてレポートします。 

ブルームーン

  

グラスに添えたオレンジガーニッシュがスタイリッシュな余韻を提案

ブルームーンは1995年に米国・コロラド州デンバーで誕生したクラフトビール。2012年には全米No.1クラフトビールとなり、日本には2013年6月に上陸しました。クリーミーで滑らかな味わいや高品質の原材料もさながら、インパクトを与えるのはオリジナルのグラスにオレンジガーニッシュを添えるといったスタイリッシュな飲み方。背の高いヴァイツェングラスの縁にオレンジガーニッシュを添えると、オレンジの爽やかな香りが、シナモンのようなスパイシーな余韻を残すブルームーンにぴったりです。 

ブルームーン

 ビール評論家の藤原ヒロユキ氏は「オレンジを添えることで完成する飲み方は、ビールをこれまでにない斬新でおしゃれな飲み物にした。キレと喉越しを追い求めていたこれまでのビールの固定概念を刷新し、ビールが苦手という女性や食事に合わせたいという美食家にも新たなスタイルを提案した」と解説します。  

【BLUE MOON的視点】クラフトビール革命7つのポイントとは?

アカデミーに先立ち、冒頭でマネージャーのミッシェルさんは米国のクラフトビール事情を説明。ミッシェルさんによると、ここ10~15年は米国でもワインやスピリッツにシェアを取られつつある中、唯一成長しているのがクラフトビールなのだとか。市場全体のシェアの7.8%ながら、1000億ドルのビール市場の中で143億ドルを占めている非常に収益性の高いカテゴリーで、小売店にとってより高い収益率に繋がることになります。また、アジア太平洋地域では昨年クラフトビールの米国からの輸出は74%も増えていて、ブルームーンも昨年だけで200万バレル近くを出荷しているのだとか。また、こういったクラフトビール革命が起こった理由に7つのポイントが挙げられていました。  

ブルームーンによるクラフトビール革命7つのポイント!

①選択肢が多様 ②身近な存在 ③独自の材料を採用

④最高の職人技 ⑤最高品質 ⑥自己表現の方法 ⑦特別な体験

  日本と同様、米国でもピルスナーが95%を占めていますが、その中でも消費者は新しく、他のビールと異なるものを追い求めています。ワインに近い特別な体験を友人とシェアできるクラフトビールは、消費者行動をも変えつつあると言えそうです。  

ビールへのパッションから生まれた“ブルームーン・マジック”

いよいよお待ちかねのテイスティングタイムです。ヘッドブリュワーのキース・ヴィラ氏は、滑らかな手つきで“ブルームーン・マジック”という独自のサーブ方法を披露しつつ、「伝統的な製法に面白いひねり加えることで独自のワクワクするような商品を提供したい」とブルームーンの方針を説明します。 

ブルームーン キース氏

 BLUE MOONはベルジャン・ホワイトというベルギーの伝統的な製法を用いつつ、スパイス風味を出すためにコリアンダーを、フルーティーな風味のためにオレンジの皮を入れるといった新たな発想をから誕生したオリジナルのビールです。これが全米No.1となったのは①High Quality(高品質)、②Natural(自然派の原材料)もさることながら、③Passion(情熱)が大切だったとキース氏は続けます。1995年の誕生以来、自ら全米各地を訪れ、ビールにも多くのバリエーションがあることを理解してもらうよう努め、ブルームーンのサーブやスタイリッシュな飲み方を提案してきたキース氏。 クラフトビールは好奇心の強い消費者に、より目新しいビールを提供できるとともに、小売店とサプライヤーに高い収益率をもたらすことができます。しかし濁ったビールや、オレンジを添えるといった新しいスタイルを多くの消費者に理解してもらい、受け入れられるようになるには、そうした啓蒙活動が何よりも大切です。全米No.1は、そんなビールに込めたパッションが伝わった結果なのだと強調します。  

女性の繊細な味覚は、次のビールづくりの原動力

ブルームーンの消費者の男女比は1:1で、特に最近では女性の消費者が増えているそう。「食品と一緒に楽しむという形で、ワインと同じ位置づけになっていると感じています。クラフトビールを楽しんでいる人は男女問わずワインと同じ感覚でビールを楽しんでいて、そこに非常に価値があると考えています。」と話すキース氏。「例えば好きな男性がビールを頼まなかった時でもブルームーンは抵抗なく頼めます。やはりここでも啓蒙は非常に大事で、味や食品との合わせ方を知ることによって、高級レストランでもスタッフに注文し、より深く楽しむことも可能になります」。男女ともに魅力のあるビールを前面に押し出してきたことも成功の要因なのです。 


ブルームーン キース氏によると、女性は味覚が非常に繊細なので、男性よりも的確なフィードバックをもらえるのだとか。新しいビールスタイルが定着すると同業他社も追随してきますが、競争が激しいことはより良いアイデアを考えていく原動力となっているそうで、「彼女たちの意見をビールづくりに反映させたい」と、早くも新しいビールづくりへの意欲をにじませます。  

BLUE MOONが運んでくれる幸せ

ホテル28Fのラウンジでは満月の夜には“Full Moon Night”が開催されているということで、セミナー後にお邪魔してきました。ブルームーンとは、空中の細かいチリのため稀に月が青くなる現象で、“青い月を見ると幸せになれる”という言い伝えもあるとか。ぽっかりと都会の空を横切る大きな満月を肴に、大人の空間でいただくブルームーンは、新しいクラフトビール体験とともに、幸せも運んできてくれそうです。 


ブルームーン

キースさん、ありがとうございました!

ライターの紹介

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岡 美千瑠 編集ライター

春夏秋冬、ビールをこよなく愛する大和撫子。 夢は世界中のビールを味わい尽くすこと☆ 時にはふらりとバックパッカーに扮して旅に出ますが、高くそびえるビール・マスターへの頂は遥か彼方。。。 今日も美味しいビールに出逢うため奮闘中です!

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