Interview “未来の新たなビアカルチャーをつくる”
ビール女子トークセッション Vol.1 吉野桜子×瀬尾裕樹子(中編)

2015/04/17

キリンビールの新しいクラフトビールブランド「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」。本日 4 月 17 日(金)オープンのブルワリー併設店舗「スプリングバレーブルワリー東京」(代官山)で、同社でマーケティングマネージャーを務める吉野桜子さん×ビール女子編集長の瀬尾裕樹子のスペシャル対談をお送りしています。前編は吉野さんがビール業界に入った理由や、これまで開発に携わった商品を振り返りながらお話しをお伺いしてきました。中編はいよいよスプリングバレーブルワリー立ち上げ、二人の考えるクラフトビールついてなどトークセッションも熱くなってきました。

前編はこちら

 

スプリングバレーブルワリー

 

そろそろ一発当てなきゃヤバい!?新卒入社からずっと開発ビール女子の SVB 立ち上げ


瀬尾:この仕事で大小問わずいろいろなメーカーさんとお付き合いをさせて頂くようになってから、開発畑で女性が多く活躍していることに驚いています。

吉野:ここ10 年以内のことですね。私が開発の仕事を始めた時は、 20 代がほとんどいない職場でした。開発やマーケティングの部署は、営業で活躍したひとが来る場所という、そういう会社でしたから。

瀬尾:吉野さんは最初営業だったのですか?

吉野: 2006 年に入社して、研修してそのまま 2007 年から開発です。お酒をつくることしか考えてなかったので、面接でも「わたし一発当てます!」って言ったんですよね(笑)。

瀬尾:凄い!男前!

 

吉野桜子

 

吉野:「そこまで言うならやってみろ」ということで、最初はお試しだと言われましたが、そのまま開発の仕事させてもらっています。そろそろ一発当てないとヤバいです(笑)。

新卒から入って結構長く開発の現場にいるとひとつのサイクルを感じますね。味覚のブームは繰り返すと言われていて、甘かったり濃いモノが流行る時期とクリアなものが流行る時期があります。ずっと揺り戻しがありました。気付くと一周しています。一時期缶のカクテルが流行り、みんな甘いものを飲んでいたかと思うと、今度はハイボールや第三のビールなどのすっきり系に移行します。今はまた少しずつ濃いものに向かっている感じがしますね。そこにクラフトビールとかうまく乗ってきているのかなあと。

瀬尾: SVB 誕生に関しては、ご入社されてから一番の大きな波なのでしょうか?

吉野:そうですね。これほどのことは、わたしの仕事人生というよりは、キリンビールの社史の中でもなかなかなかったことなので。建築途中の現場へ初めて足を踏み入れた時に「できてる!」ではなくて、「あーやっちゃった…。もう戻れない」みたいな気がしました。本当にやってしまったんだと。

瀬尾:(笑)。側から見ていても感じてはいましたが、それほどの大事業だということが伝わりますね。

 

変わりゆくビールの立ち位置、クラフトビールの流れを見てきて


瀬尾:トライアンドエラーを繰り返しながら、商品開発をされていると思うのですが、クラフトビール自体は今後どのような流れになると推測していますか?

吉野:日本酒の業界が海外で評価されたり、今少し盛り上がってきていると思います。ビールも新しいステージであり、過渡期にいるのではないかと思っています。昔、地ビールブームがありましたけど、今のクラフトビールはブームというより、お客様の嗜好の変化がありますし、ビール業界の構造変化が起きる前触れのような気がしてならないですね。

瀬尾:一過性のブームとはとらえていない?

吉野:そうですね。この大きな勢いはいつまで続くかは分からないですけど、それが過ぎた後には今とは違うビールの市場や世界があるのではないかと思います。ビール市場全体が減っていることにも関係します。特に日本酒など、違うお酒の業界でも減ってきたところで何か新しいものが生まれ、見直される傾向があります。ビールも「若者のビール離れ」と長らく言われてきた中、違うものが受け入れられ始めているので、市場がガラッと変わっていくのではないかなと思います。

 

キリンビール

 

瀬尾:“地ビール”と“クラフトビール”について、吉野さんはどのように解釈していますか?

吉野:意味合いがイコールではなくなってきているなあと。地ビールというと、お土産ビールというかその地域にあることが一番ブランドの中で大事という捉え方をしますが、造り手の想いやもの自体に共感されるブランドが増えていますから、そこが地ビールとクラフトビールの違いなのかなあと思います。今は造っている人のこだわりや人柄、ビールに対する考え方に共感してお客様はビールを選んでいますしね。必ずしもどこかの県の小さなところで造っています、というのがクラフトビールの必須条件ではなくなってきているのかなあというのは思いますね。

瀬尾:規模感などいろいろな議論があるなかで、クラフトビールに関して間違いなくいえることは、私は信念をもって造っていることを飲み手まで伝えていることかなと思っていて。今後日本でビールの市場が変化していく中で、どこかで定義付けされる時期が来ると思いますが、「クラフトビールとはなんぞや」という議論が活発化することによって、結果的にその先にあるビールのステージがバラエティに富んで楽しいものになったらいいですよね。

 

後編はトークセッションも佳境。いよいよ今回の山場とも言えるビール女子どうしの“ぶっちゃけトーク”へ。

>後編はこちら

 

ライターの紹介

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平田亜矢子 ライター

日本ビアジャーナリスト協会事務局、ビアジャーナリストアカデミー教務課として、ビールの広く深い愉しさを伝えていく組織の運営に従事。「出張おかみ」として、和をとり入れたイベントを出張先でもてなすという個人活動を不定期で行う。過去には、料亭や庭園のある茶室で”ビア茶会“、”神楽坂フランスビールの会“、”朝落語“などを開催。

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