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お酒は二十歳になってから。

Column まばたきと、手のひらサイズのビール世界

2022/05/24


1秒間に
日本では、缶ビール400本分、140Lのビールが飲まれています。

そのうち、最も飲酒が多い20%の人々が、全体の70%にあたる280本を消費しています。

コロナ前の2019年は缶ビール441本分の154L、1994年には缶ビール640本分の223Lが飲まれていました。


1秒間に
世界では、家庭用のバスタブ30杯分、6,058Lのビールがつくられ...

世界最大のビールメーカーが22万円、日本最大のビールメーカーが8万円の売上をあげています。

ちなみに、6,058Lのビールをつくるために家庭用バスタブ4,000杯分、80万Lの水がつかわれています。


1秒間に
日本のビール産業から、自動車で51km走ったときと同じ、14.3kgの二酸化炭素が排出され...

3分30秒で1世帯が1年間に排出する量と同じくらいになります。




新米ビール職人の髙羽 開(@kaitakaba)です。
連載コラム「拝啓、ビール職人になりました。」、今回のテーマは「1秒と1杯の世界」。

先日「1秒の世界 GLOBAL CHANGE in ONE SECOND」という本を読み、捉えどころのない大きな世界が、「1秒」という誰もが感覚的にわかる手触り感のあるスケールに落とし込まれていて、気づいたこと・ハッとしたことがありました。

その体験が面白かったので、今回「ビールの世界バージョン」を調べ、書いてみました。

それでは続きをどうぞ。



1秒間に
世界では、697kgの麦芽、4.5kgのホップが生産され...

酵母たちが糖を食べ192kgの二酸化炭素を排出しています。


1秒間に
日本では、1.2kgの麦芽が生産され...

15kgの麦芽が海を渡って輸入されています。

1975年には69gのホップが生産されていましたが、今は5.8gになりました。

ホップの生産が盛んなアメリカでは1.6kg、ドイツでは1.5kg生産されています。



アメリカでは、7秒間に1人、ビールを飲める人口が増え...

日本では、26秒に1人、増えています。

第一次ベビーブームに生まれた人たちが20歳を迎えた1970年は、12秒に1人がビールを飲めるようになっていました。


おいしいビールを飲める若者が少しずつ増える一方で...

世界では、90秒に1人、10代から20代の若者が過剰飲酒で命を落とし...

10秒に1人が飲酒が原因で亡くなっています。

そのうち4分の3以上が男性で、世界の全死亡者の5%を超えています。


日本でも、25秒に1人が痛風で、40分に1人がアルコール依存症で病院に行き...

15分に1人が飲酒が原因で亡くなっています。



1杯のビール(※)には
160gの麦芽と、6gのホップが使われ...

それぞれ0.5㎡と、300c㎡の耕地が必要になります。
(※500mlのイングリッシュIPAのいちレシピで計算)


1杯のビール
夫婦でわけて1日1本飲み続ければ...

1年で4コースある25mプール分、190㎡の耕地を使うことになります。




1杯のビールには
無ろ過であれば、およそ50億もの酵母が入っています。


1杯のビールを買うと
酒税として100円が国に支払われます。
日本の酒税の高さは、世界でもトップクラスです。




ここまででおよそ1000文字。読むのにかかる時間は2分くらい。

120秒がたちました。







────────────


刻々と変化する世界に思いを馳せながら目の前の1杯に目を向けると、これまでと違った景色が見えてくるような気がします。


それぞれの数字の参照元・計算は、こちらのシートにまとめているので、気になる方はぜひ見てみてください。


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拝啓、ビール職人になりました。


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ライターの紹介

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kai takaba ライター

新米ビール職人。高知県の『Mukai Craft Brewing』での修行を経て、現在、自身の醸造所とブランドを立ち上げ中。ビールづくりを通して「調和を生み出す補助線を引くこと」を目指しています。

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