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Bar 【都会のオアシス】ピンクのフラミンゴが目印。“クラフトビールの水場”にビール好きが集う理由

2019/11/19


代々木にはおいしいクラフトビールを求めて、連日ファンが集うビアパブ『Watering Hole(ウォータリングホール)』があります。訪れる人は、最近クラフトビールを飲み始めた人から、すっかりクラフトビールにはまってしまった人、同業者までさまざま。


どうしてそんなに人が集まるのだろう、その秘密を探るべくお店に行ってきました。ピンクのフラミンゴをモチーフにした、カラフルでにぎやかな店内には、クラフトビールのことを真剣に考える人々がいたのです。


大きなピンクのフラミンゴが目印


JR 代々木駅東口から明治通り沿いを新宿方面に向かって歩くこと5分、ガラスに描かれた大きなフラミンゴのイラストが目印です。毎日15時にオープンし、オープンと同時にお客さんがひとり、またひとりと訪れます。



2012年6月にオープンし、今年で7周年を迎えたWatering Hole。店名の“Watering Hole”には 「動物たちが集まる水場」という意味があり、のどの渇きを癒す人々が集まる場所になれたら、といったオーナーの思いが込められています。




店内にはピンクのフラミンゴがたくさんいます。水場に集まりくつろぐフラミンゴのように、ビールを楽しんでほしいと、フラミンゴをモチーフにしているそうです。


ずっと眺めていられるにぎやかな店内


店内の壁や天井には、ステッカーやビールのラベル、ブルワリーの看板などが、所狭しと飾ってあります。カラフルでおしゃれなデザインが多く、眺めているだけで楽しい気持ちに。



テーブル席の頭上には、オーナーがアメリカなどで入手したグラスがずらり。最新のものから、今は入手できないレア物まで、これまた眺めているだけでビールがすすみそう。


流行りだけにながされない、こだわりのビールラインナップ


タップの数は21(そのうちハンドポンプが2つ)。その日どんなビールがあるのかビールのラインナップはカウンター上の黒板でチェックしましょう。日本、アメリカ、ロシアなど、様々な国のクラフトビールが提供されています。


ほとんどのビールは、実際に飲んでみておいしいと思ったものを仕入れているとのこと。もちろん入手が困難なものや新発売のビールは事前に試飲できないこともありますが、これまでのブルワリーさんの実績や腕を考慮して仕入れているそうです。


ビールのラインナップにはどんなこだわりがあるのでしょうか?

店長の林ゆうやさんによると、「お客さんがどんなビールが飲みたいのか、どんなビールが流行っているのかなど、需要を考え調整しています。特別なイベント時を除いて、ビアスタイルが偏り過ぎないようにバランスよく用意しています。」とのこと。



とある日のラインナップでいうと、根強い人気のIPAは国内外のブルワリーで9種、最近人気が出てきたサワー系は2~3種、ヴァイツェンやホワイト系は1種はつないでおこう、とバランスをみているのだそう。


クラフトビールを最近知った人や、日常的にクラフトビールを飲んでいる人、ビールをつくっている人など、クラフトビールの飲酒歴や知識などは、人によってさまざま。また、新発売のビールが飲みたい、初めてのブルワリーのビールを飲みたい、定番のビールを飲みたいなど、そのときの気分で飲みたいビールは変わりますよね。


「Watering Hole」では、お客さんのすべての要望を叶えることは難しくても、お客さんが求めることを一つでも多く応えられるようにラインナップにこだわりを持っています。

長野県松本出身の林さんが持つのは「アルクマ」


さらに、林さんは「できる限り、同じ銘柄を長く提供できるようにしたい。」と言います。

皆さんはSNSで紹介されているビールを見て、そのお店に行った時、お目当てのビールが売り切れていたという経験をしたことはありませんか?

せっかくSNSで発信しているのであれば、できるだけ多くのお客さんが飲めるようにしたい。そのために、提供を始めたら、数日は飲めるようなラインナップを組んでいるとのこと。もちろん人気が高い銘柄はすぐに売り切れてしまうこともあるそうですが、開栓してみて、とてもおいしかったらすぐに追加で発注するなど、切らさない努力をしているそうです。


いろいろな情報をいろいろな人へ届ける


クラフトビールは、ビールをつくる人(つくり手)、飲む人(飲み手)、提供する人が近い距離にあることがよい点です。そのよさをもっと活かそうと、国内外問わず、積極的に情報交換を行っているそうです。


どんなビールなのか、どのような思いでつくっているのかなど、つくり手側の情報を飲み手へ。

飲んでみてどうだったか、どんなビールを飲みたいのかなど、飲み手側の情報をつくり手へ。


特に大事にしているのが、提供者同士での情報共有。

同じ時期に販売された同じ銘柄のビールあっても、提供するお店の設備や開栓時期などで、味わいが異なってきます。また、地域によりお客さんの反応も違うそうです。日頃から連絡を取り合い、情報を共有することで、つくっているビールの味わいや品質などの情報、日本や海外でののトレンド、お客さんの要望など、多くの知見が蓄積されていきます。


そのような活動をされてるからこそ、最近クラフトビールを飲み始めた人、すっかりクラフトビールにはまってしまった人、ブルワー、同業者など、さまざまな人がお店に集まってくるんですね。


WateringHole ウォータリングホール フラミンゴ 代々木


店長の林ゆうやさんは、全国の同業者のユニット“Yuya Boys”を組んでいてコラボビールつくりにも関わっています。そのうちの一つが『Norming Hybrid(Pint 1,250円、税抜)』です。日本で初めてハードサイダー用のリンゴを育てようとしているサイダリー「Son of the Smith(サノバスミス)」、松本市のブルワリー「松本ブルワリー」とコラボしてつくった「ビアサイダー」。ビールでありながら、サイダーの味を再現しようとしたとてもユニークなビール。新鮮なリンゴの香りが印象的で、飲んでみると甘さはなくキレがいいので、どんどん飲めてしまいます。


“Norming”には“普通”という意味があり、商品名の”Norming Hybrid”には、農民INGした飲みINGのボーイズとNORMING(新しい普通をつくる)という意味があり、これからもいろいろと新しい普通を作っていきたいとの想いが込められています。


合わせる料理が『山形牛のタルタル(1,800円、税抜)』。生の牛肉を細長く切ったものに、砕いたライ麦パン、ルッコラを添えて、オリジナルマヨネーズソースでいただきます。お肉の旨みを感じつつ、脂身は甘く、でも強すぎず繊細な味わいが、ビールの風味や味わいを引き立てます。



ビールを提供するだけにとどまらず、さまざまな活動をする「Watering Hole」。

一番大事にしていることは「お客さんに楽しく、気軽にビールを飲んでもらうこと」。


クラフトビールがおいしいのはもちろん、店長さんはじめスタッフさんとの濃密なクラフトビール談義が楽しめます。15時からオープンし、代々木駅から近いので、思い立った時にすぐに行けるのもいいですね。あなたもピンクのフラミンゴが待つ都会のオアシスへ喉を癒しに行きませんか?


◯文:きのこ(Kanako Kinoshita)
◯編集:酒井由実

今日飲めるビールをチェックする!

Watering Hole(ウォータリングホール)

〇住所:渋谷区千駄ヶ谷5-26-5-103
〇TEL:03-6380-6115
〇営業時間:15:00 ~ 23:30(L.O. Food 22:30、Drink 23:00)
〇定休日:不定休
〇座席数:30席(カウンター12席、テーブル18席)、スタンディングあり
〇喫煙・禁煙:分煙(店内に喫煙ブースあり)
〇お子様連れ:子供可、ベビーカー入店可
〇公式ホームページ:http://wateringhole.jp/
〇Facebook:https://www.facebook.com/wateringholeshinjuku/

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数年前に突然ビールの奥深さに目覚めて以来、寝ても覚めてもビールのことばかり考えています。全国の大手ビール工場や醸造所に通い、ビール関連の本を読み漁り、さまざまな勉強会やイベントに参加。日本地ビール協会公認「シニア・ビアジャッジ」として、IBC(インターナショナル・ビアカップ)の審査員を経験(2018年、2019年、2020年)。日本ビール検定2級。日本ビアジャーナリストアカデミー10期生。紙面協力:ライフスタイル情報『CHANTO』。

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