今回のお悩み:オクトーバーフェストの乾杯の歌が難しくてうまく歌えません。(のぞ、23歳)
- サビだけ歌えられたらいいんじゃないの?そのくらい覚えなさいよ。
- サビだけとは言えドイツ語ですからねぇ。
- オクトーバーフェストのサイトにカタカナの歌詞載ってたよ。
- 「アイン・プロージット」のところはなんとか頑張れますが、「ゲミュートリッヒカイト」は舌を噛みそうです。
- かえるは舌が長いからねー。
- いや、そこじゃなくて・・・。
- 音楽の「サビ」の由来って諸説あるらしいんだけど、松尾芭蕉の侘び寂びから来てる説とワサビ説、どっち派?
- いきなりどうでもいいことぶっこんできますねー。そもそも由来に諸説あることを知らなかったので、どっち派でもないんですが・・・。
- えっ!
- えっ?
- 私は絶対ワサビ派なんだけど!
- え、なんでワサビ派?
- 侘び寂び派が有力なのはわかってるんだけどさ、やっぱサビってグッとくるし、思わず目頭が熱くなって鼻の奥がツンとする感じなんてワサビそのものじゃない?だからやっぱりワサビ派かなーって。
- ええっと、侘び寂び派が有力なんですね・・・もちろんそれも知らなかったです。というか、乾杯の歌はどこへいってしまった・・・?
- つまりあれよ、心に響くほどの感動を味わえば歌えるようになるんじゃない?
- オクトーバーフェストの乾杯の歌でですか?
- たとえば、一人のドイツ人男性をイメージしてみて。
- は、はい。
- 身体は大きくて、無骨な感じで、でも目の奥はとても澄んだ色をしていて。
- (何の話だ?)
- 彼は小さい頃からオオカミに育てられてるの。
- (いきなりの飛躍!?)
- 自分はオオカミだと思って生きてきたんだけど、10歳の時に保護されて街の学校に通うようになるの。そこでクラスのいじめっ子に散々いじめられてね。身体が大きいから「熊だ熊だ」って言われて、深く傷つくわけよ。ある日ついに我慢の限界を迎えて、「ボクは熊じゃない!オオカミだ!」って怒鳴りながらいじめっ子に襲い掛かってしまうの。
- (人間の言葉はしゃべれるんですね)
- もちろん10歳の子供が襲い掛かっただけだから、オオカミに襲われるほどの怪我もなく、先生に見つかって職員室でこっぴどく叱られてしまうのね。
- あー、小学生あるあるですね。
- そこでロビー・コルトレーンみたいな先生から「君は人間なんだ。お父さんとお母さんがいて君が生まれたんだ。君は自分を見失ってはいけない」と諭されるわけ。
- ○リー・ポッターの校長先生!!
- そこで、自分を見つける旅に出かけて、10年くらいなんやかんやあってとある街のパブで一人の男性に出会うわけ。
- 「なんやかんや」が気になりすぎる!!
- そこで出会った男性と意気投合して、自分の過去について初めて他人に告白するの。「実は僕はオオカミに育てられたんです。自分と自分のルーツを探す旅の途中なんです」って。相手の男性は一瞬ハッとした顔をするんだけど、すぐに笑いながら「そいつは傑作だ!君の旅の成功を祈って、私が一杯おごってあげよう」と言うわけ。
- ハッとしちゃったよ!絶対フラグだ!お父さんパターン!
- そこで二人はビールジョッキを高々と掲げて「アイン・プロージット!」と乾杯するの。その後ろで酔いどれたちが歌っているのが乾杯の歌よ。「アイン・プロージット デア ゲミュートリッヒカイト」って。
- ほら覚えた!感動とともに覚えた!
- いや、全然覚えられないですし、何の話してたかわからなくなりましたよ・・・。オオカミの話?
- え!この感動秘話で覚えられないとか!人でなし!
- 私、人じゃないですから!
- まー、オクトーバーフェストに行ってる時は、だいたい酔っ払ってるから覚えられないだけだから、飲んでないときに覚えていけばいいと思うよ。
- 最初からそれをアドバイスしてあげて・・・。