Column 香港クラフトビール特集！日本で飲めるものから、現地でしか飲めないビール、ビアバーまで

皆さんは香港ビールを飲んだことはありますか？

海外のビールといえばアメリカやヨーロッパを思い浮かべがちですが、実はここ数年で香港ビールも日本国内で注目されています。

香港現地にてクラフトビール文化が盛り上がっていて、人気のブルワリーやビアバーが増えたり、日本では現在NGとされているホームブリュー（自宅でビールを醸造すること）にも積極的だったり。

そんななか日本に上陸するブルワリーも続々と増えていて、なんとCarbon Brewsは世界初の直営店を東京・赤坂にオープンさせたりと、香港のクラフトビール熱が日本にも浸透しているのです。


そこで今回、ビールのために香港に行ってしまうくらいの“香港ビール通”に、香港ビール事情を伺いました！

「日本で購入できるおすすめのビール3種」「日本には上陸していない、現地で飲みたいビール」そして「現地でクラフトビールを飲む・買う時のおすすめ店」の3本だてでご紹介します！


■ご協力：香港ビール通の「うさみ」さん
2020年まで約8年間クラフトビールメーカーに勤務。コロナ前は年3回ほどクラフトビールのために香港へ赴くほどの香港ビール好き。

日本で購入できるビール

まずは、日本で購入できる3種をご紹介！個性豊かな3ブルワリーからそれぞれ1種ずつ味わってみました！

1. 酸味あるフルーツポンチを食べている気分に

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『サワーパンチ』（Carbon Brews）


2018年に香港の工業地帯で誕生した「Carbon Brews」。“枠にとらわれない”ことを大切にし、ビール好きもそうでない人も楽しめるような、今までにない革新的なビールをさまざまつくってきました。冒頭でもお話しした通り、2022年1月には、東京・赤坂にCarbon Brews初となるタップルーム「Carbon Brews Tokyo」がオープンするほどの勢いです。


Carbon Brewsレギュラービールのひとつ「サワーパンチ」は、ラズベリーとグアバの香りに、パッションフルーツ、パイナップル、マンゴー、クランベリーなどのトロピカルフルーツの味わいが楽しめます。それぞれのフルーツの味わいがバランスよく調和しているので、まるでフルーツポンチを食べているような気分に。トロピカルフルーツの酸味と、のど越しの良さが特徴なので、これからの暑い季節にぴったりです。



ビールごとにSpotifyのプレイリストをつくっているCarbon Brews。「サワーパンチ」のプレイリストはこちら。



天気の良い日にはサワーパンチをお供に、オリジナルプレイリストを聞きながらピクニックしたい！

2. “どっしり”と“すっきり”が共存する定番のインペリアルIPA

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『1842アイランドIPA』（Young Master）


2013年に香港の南香港島で誕生した「Young Master」。名前の由来は、昔の香港を舞台にした「工廠少爺」（=工場の若旦那）という作品。この作品が、遊び心と強い労働意欲の両方を体現していることと自分たちの思いにつながりを感じたことから、この作品名がブルワリー名に。


「1842アイランドIPA」は、スパイシーでフローラルなホップの力強いアロマの香りが印象的。一方で、度数を感じさせない爽快な飲み口が魅力的の一本。一口飲むごとに複雑な味わいが広がり、その味わいは口の中に長く残ります。



アルコール度数も苦みも比較的強めですが、後味はすっきりな「1842アイランドIPA」。イオンリカーなどの身近な酒屋でも手に入れやすいので、試してみて。

3. 香港ならではの味わいを楽しめる

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『LION ROCK SIGNATURE Pale Ale』（LION ROCK）


『LION ROCK』は、香港にあるライオンロック（獅子山）と呼ばれる山の名前を由来とし、2015年に誕生したブルワリー。日本の富士山と同じように、香港の人にとってライオンロックは香港の象徴の一つとされています。勤勉さと忍耐を示すファイティングスピリットを大切にし、香港独自のフレーバーをもつビールを醸造しています。


「LION ROCK SIGNATURE Pale Ale」は、絹のような泡と、爽やかで複雑なフルーティーな味わい。ピーチ、グーズベリーのリッチな香りが、複雑さと深みを求めるビール好きに人気です。



香港ならではを大切にしているLION ROCKのビールには、やっぱり広東料理（香港でメインで食べられている料理）と合わせたい！広東料理を作って、お家で香港気分を楽しんじゃいましょう。

香港に行って飲みたいビール

以前に比べて、海外旅行も気軽に行くことができるようになった昨今。日本に上陸していない香港ビールを味わいに、ぜひ日本を飛び出し、現地で味わっていただきたいビールをご紹介します！

1. 酸っぱさと辛みを楽しめる面白いビール

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『AB-48 Michelada Gose』（hEROES Beer Co.）
3人の友人同士で、2016年に設立されたhEROES Beer Co.。自分たちのために架空の“ヒーロー”をつくろうと考えたことから、この名前がつけられました。hEROES "の小さな "h "は、すべてのヒーローは最初は謙虚であるという彼らの思想を表しています。

hEROESのコアビールの各スタイルは、異なるヒーローをベースにつくられています。缶には独特な絵が書かれており、裏話を知らなければ意味を知ることは難しいですが、理解すればするほど、そのビールをより深く味わうことができます。

「AB-48 Michelada GoseAB-48」のヒーローは、hEROESの元社員で、AP-09というキャラクターとよく口論していた女性「AB-48」なんだとか。ブラッドオレンジとYu Kwen Yickチリソースを使った、スパイシーで酸味のある、AIBAメダル受賞のビールです。小さな唐辛子船で航海する唐辛子がかわいいですね。


hEROESのモットーは「内なるヒーローを解き放て」。自分自身のヒーローに想いを馳せながら、香港を訪れた時にはぜひ飲んでみたい一本です！

2. 道教の最高神の名を冠したビール

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『Jade Emperor IPA (玉皇大帝)』（Moonzen Brewery）

中国語で「扉の神様（＝門神）」という意味をもつMoonzenの名を冠したブルワリー。2013年に創業した家族経営の小規模な醸造所で、中国の民俗学の影響を受けつつ香港の文化に根ざしたブランドとして愛されてきました。なんとMoonzenのビールは、すべて無殺菌・無濾過でつくられているそう。

そんなMoonzenの主要ラインナップのビールには、中国神話の神や女神にちなんだ名前が付けられています。「Jade Emperor IPA (玉皇大帝)」もその一つ。中国の民族宗教である道教の最高神とされる玉皇大帝の名にちなんでいます。柑橘類とフローラルなアロマの香りと、どっしりとした苦みを持つ飲みごたえのある1本です。


香港の地下鉄「MTR」のKwun Tong駅のB1出口から徒歩5分の距離にあるMoonzen Brewery。hEROES Beer Co.と車で10分くらいの距離にあるので、はしごしちゃっても楽しそう！

香港でクラフトビールを飲む・買うならここ！

最後に、香港のビアバーやボトルショップをご紹介！観光客はあまり立ち寄らない穴場スポットや香港ならではのものが置かれたお店など、多彩なお店はビール好きなら気になるお店ばかりです！

1. ホームブリュー器具も品揃え豊富

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『HK Brewcraft』（ボトルショップ）
ホームブリューも楽しむビールへの情熱に溢れた仲間で運営する、香港のローカルショップ「HK Brewcraft」。ビールの種類は香港のビールはもちろん、ヨーロッパやオセアニア、アメリカ、アジアでは韓国、台湾そして日本のビールも！さらにビール以外のお酒、たとえばシードルや蜂蜜のお酒ミード、ナチュラルワインなども幅広く取り扱っています。

さらに彼らはホームブリューへの愛も深いので、高品質のホームブリュー用の材料や器具も豊富にラインナップ。ブリューマスター、ホームブルワー志望者、またはただ単に自分だけのビールを作って楽しみたい方、すべてのニーズに応えるワンストップショップ。残念ながら日本ではホームブリューはできないのでお土産にはできませんが、ビールだけでなく器具を見てみるのもきっと楽しいはず！

2. アットホームな空間、安心してビールを購入できるお店

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『The Bottle Shop』（ボトルショップ）

世界中の高品質なビールを品揃えることをコンセプトとし、手頃な価格で知識の豊富なスタッフがお酒を販売してくれる「The Bottle Shop」。アジア、オセアニア、アメリカ、カナダ、ヨーロッパのビール・ワインに加え、ジンやウィスキー、焼酎などの蒸留酒も幅広くラインナップ。

地元の市場が商品で飽和状態にあり、棚に並んだラベルの裏にある品質や価値を確認することが困難であることに気づいた創業者2人は、お客さんが自分たちで品質や価値を確認しなくて良いよう、高品質でお手頃な価格のお酒を販売しているそう。香港でどんなビールを買おうか迷っている時には、駆け込みたいお店。

3. 選択する楽しみを味わえるお店

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『CRAFTISSIMO』（ボトルショップ+ビアバー）

2013年に創業したボトルショップ兼ビアバー「CRAFTISSIMO」。「品揃えが多すぎる！」と言われてしまうほど豊富なラインナップを誇るお店です。選択できることこそ良いことと捉える彼らは、世界中の醸造所から300種類以上のビールをキュレートすることにほとんどの時間を費やし、お客さんに常に新鮮で思い出深い体験を届けています。ビール以外のお酒も取り揃えます。


気になったお酒はその場で飲めちゃうのも嬉しい。旅行中は何かと歩くので、疲れた身体にビールが染み渡ること間違いなし。香港島エリアで観光予定の方は、ショッピングの休憩がてらぜひ立ち寄ってみて。

Young Masterの直営ビアバー

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『TAP: The Ale Project』（ビアバー）

九龍（クーロン）初のクラフトビール専門のタップルームで、認定ビアジャッジ、プロのブルワー、上級ホームブルワー、ビールディスペンサーの専門家など、自称ビールオタクのグループによって設立されたYoung Masterの直営店。2014年創業。

2023年5月現在、シードルを1タップ、ビールを17タップの計18タップを提供しています。Young Masterが中心となりますが、他の香港ビールはhEROES Beer Co.のビールを提供。インポートビールはアメリカ、ニュージーランド、そして日本のWest Coast Brewingのビールが！九龍（クーロン）側を観光中、一息つきたい時にぜひ。

家飲みでも、香港旅行でも香港ビールを楽しんでみて

現地に赴き、五感でビールを実際に楽しむ時間は、何にも変えがたい素敵な時間。

おうちで楽しむだけでなく、ぜひ実際に香港へ行ってビールを楽しんでみてくださいね。気候や景色や匂い、自然の音も、ビールをより美味しくしてくれるはず。