平成最後の日に平成ビール史を振り返る

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平成元年
酒類販売業免許等取扱要領 改正。これまでは町の酒屋さんから、“参考価格・メーカー希望小売価格”でお酒を買っていました。この改正によって規制が緩和され、大型スーパーやディスカウント店でビールが安く購入できるようになったのです。ちなみに、この年に消費税(3%)が導入されました。この頃はサザエさんのサブちゃんのように酒屋さんが家に配達してくれている家も。
平成2年
『キリン一番搾り〈生〉ビール』発売。日本の新たな定番となるべく「一番搾り麦汁だけでつくるビール」というアイデアのもと誕生しました。当初のデザインはこんなにシンプルだったんですね〜!
平成6年
ビールの最低製造数量の基準引下げ。ビールの最低製造数量の基準が2,000kLから60kLに引き下げられました。これにより、小規模な事業者もビールを製造することができるようになりました。この法改正以降、続々と全国各地に「地ビール」が誕生しました。
平成6年
日本地ビール協会設立。日本地ビール協会は、日本および世界のビール、地ビール(クラフトビア)の文化の普及と振興、及び消費者とビールを造る人との交歓を目的とする団体です。主催する資格は、ビアテイスター、ビアジャッジ、ビアコーディネイターの3つです。第1回目の講習会は1995年1月に開催され、現在の資格取得者は7,000人を超えています。
平成6年。  サントリー『ホップス〈生〉』発売。サントリーから発売された『ホップス〈生〉』はおいしさと低価格を両立し、発泡酒という新しい市場を創出しました。これをきっかけに大手ビール各社から続々と発泡酒が発売されました!
平成7年。※1995年に初めて瓶詰をした際に、関係者がみんなで寄せ書きをしたもの
新潟県の上原酒造が、
<br />全国初の地ビール「エチゴビール」発売。新潟県の上原酒造株式会社が、全国初の地ビール「エチゴビール」、及びブルーパブの営業を開始しました。(現在は、エチゴビール株式会社。)
平成15年
横浜・赤レンガ倉庫で
<br />オクトーバーフェスト開催。ドイツ・ミュンヘンで始まったビールのお祭り「オクトーバーフェスト」は9月から10月にかけて開催されます。この頃から日本でも、オクトーバーフェストを倣ったイベントが開催されるようになりました。広い場所で皆で乾杯の唄を歌いながら、美味しいビールを楽しむのは最高ですね〜!酒税法改正:発泡酒の税率が引き上げられる。麦芽や麦を使用しない“新ジャンル”と呼ばれる低アルコール飲料が登場。
サッポロビール『ドラフトワン』発売
今では当たり前の存在である“第三のビール(新ジャンル)”ですが、この市場を切り拓いたのが、平成15年にサッポロビールが販売した“麦芽を使わない新ジャンル商品「ドラフトワン」”です。この商品の販売を皮切りに各ビールメーカーからも続々と第三のビールが発売されることとなりました。
平成20年。横浜・赤レンガ倉庫でオクトーバーフェスト開催。「私にはビールです」のキャッチコピーで発売された新ジャンル。「ビールと間違う」ほどのうまさを強調したところがポイントです。当時よく飲んだな〜!
平成21年。『キリン フリー』発売。世界初のアルコール0.00%(ノンアルコールビールテイスト飲料)として発売されました。以降、各社から発売されノンアルブームに!
平成22年。ヱビスビール記念館オープン。ヱビスビールの発祥の地である恵比寿で、歴史や美味しさの秘密を知ることができる記念館。資料や映像の展示、ガイドツアーやテイスティングが楽しめます。ここでしか手に入らないオリジナルグッズの販売も。
平成24年。第1回日本ビール検定開催。日本ビール文化研究会が主催する「日本ビール検定」は、年に1回の開催。1級、2級、3級の3段階あり、1級はとっても難しい!100点満点を取るとビールが1年分貰えるという副賞あり。ビール好きなら目指そう、満点賞!
平成25年
「ビール女子」開設!。2013年にWEBメディアとしてスタートした「ビール女子」。様々な方々に応援していただき、今では月間80万人の方々に読まれるサイトとなりました。今後もビールを通じて人々を幸せにしていくべく、様々な情報を発信してまいります!

平成27年。東京・横浜でSPRING VALLEY BREWERYオープン。「ビールにワクワクする未来を」をテーマとしたブルワリー併設店舗。6種類のコアビールや限定ビールなど、多種多彩なこだわりのクラフトビールを楽しめます。
平成29年。キリン・タップマルシェ登場。3Lの小型ペットボトルの容器と専用ディスペンサーにより、1台で4種類のクラフトビールが提供できるタップマルシェ。タップマルシェ導入により、クラフトビールを扱う飲食店が増え、より手軽で身近に楽しめるようになりました。
平成30年
透明なビール『アサヒ・クリアクラフト』発売。透明なコーヒーや紅茶などが発売される中、とうとう透明なクラフトビアスタイルの発泡酒が発売され注目を浴びました。限定4店舗(東京3店舗、大阪1店舗)にて、数量限定で販売され、アンケートも実施されました。みなさん飲みましたか?
5人のビール人に聞く!あなたにとって平成はどんな時代だった?
ヤッホーブルーイング代表取締役社長。「てんちょ」こと井手 直行さん
クラフトビールはもっと身近な存在に平成6年に酒税法が改正されて大手以外がビールを造ることができるようになり「地ビールブーム」が起きた記念すべき時代。その後地ビールブームは衰退して厳しい時代が長く続きましたが、形を変えて「クラフトビールブーム」が到来してそのまま平成が終わるというのも面白い巡り合わせだと思います。今のクラフトビールブームが一息つき、今後令和の時代にも色んな形で「ブーム」が複数回到来し市場を底上げするだろう、と思っています。そしてアメリカのクラフトビールの市場に段々と近づいて行き、もっとクラフトビールが身近な存在になっていくのではないでしょうか。
サッポロビール(株)新価値開発部。北岡 宏さん
モノ(ユーザエクスペリエンス)の時代へこれからは「モノ」が主役の時代ではなくなると思います。この20年、各ビールメーカーは価格軸と機能軸で凌ぎを削り、価値創造に努めてきました。「黒ラベル」や「ヱビス」など、長きに亘りお客様から愛されてきたブランドは、酒税改正などの環境変更を追い風に、これからもその価値を高めていくことになると思いますが、一方で今後は新しい美味しさ、楽しさ、驚き、「現在、ビールが登場しないシーンにビールがある」ような提案とマーケティング。それは、必ずしも「モノ」でなくてサービスや体験も含めたユーザーエクスペリエンスそのものの提案になっていくのかもしれません。
いわて蔵ビール。佐藤 航さん
多くのファンに支えられた「平成」平成という時代はいわて蔵ビールにとって、お客様と共にクラフトビール業界をつくってきた時代だったと言えます。平成6年にビール醸造が解禁され、いわて蔵ビールは平成7年に立ち上げました。設立当初はエールビールに対して多くのお客様の理解がなく、少数のファンに支えられて過ごしていました。サービングする度、イベントを行う毎に当時のファンが地ビール、クラフトビールの良さを私たち以上にほかのお客様に伝えてくれ、徐々に人気が出ました。また、平成23年東日本大震災の際には当社の工場も壊れ、出荷もできずスタッフ全員が途方にくれていた時も多くのファンが励まし支えてくれました。多くの励ましのおかげでいわて蔵ビールは復活し前に進められました。平成という時代はクラフトビールにとって0から1に、だれも知らないところから知られる存在に、そしてそれには多くのお客様が支えてくれた時代だったと思います。
エチゴビール株式会社代表取締役。阿部 誠さん
一人ひとりがロマンを語る、生き生きとした時代へエチゴビールは平成6年に創業し、全国地ビール第一号として注目いただきましたが、その後、事業として困難を極めた時期もあり、ここに来るまでに多くの方々の力を借りてきました。お客様と関係者の皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。令和のビール業界は、単に多様なビールを造るという事だけでなく、より高い品質と、お客様に寄り添った提案が求められると思います。エチゴビールのブランドメッセージのとおり、一人ひとりが、ロマンを語り、舞台に立ってドラマを演じるような、生き生きとした時代にできればいいなと思っています。
Far Yeast Brewing代表取締役。山田 司朗さん
ビールはさらに楽しい時代へ日本で地ビールが生まれ、アメリカを中心としてクラフトビールの大きなムーブメントが起こるという大きな流れの中で、Far Yeast Brewingという会社を立ち上げ、なんとか今日まで存続させることができました。これからは、クラフトビールに投資が集まるようになり、今までの牧歌的でコミュニティベースの業界が、どんどん商業的になっていくと予測します。各社が競い合うことでビールを飲む人にとってはさらに楽しい時代になるはずです。ブルワリーとしては、クラフトビールの文化を守りつつ、商売としても成立させないといけないので大変厳しい時代です。ビールをもっと楽しくできるようにこれからも頑張ります。
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ビールは「令和」の時代へ!

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