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南米クラフトビール探訪記 Column 南米ブラジルのビールフェスってどんな感じ?地元10ブルワリーが集結するフェスを徹底レポート!

2025/10/02


日本では真夏の8月。南半球にあるブラジルでは、ちょうど冬から春に向かう頃で、暑すぎず寒すぎず過ごしやすい気候になります。また乾期のため雨が降る心配もほとんどないことから、野外イベントには最適!

そのため、ブラジルではビールフェスもこの時期に多く開催される傾向にあります。


そこで今回、Nova Lima(ノヴァ・リマ)市のブリュワリー10社のビールを楽しめる野外イベント「Festival Mineiro da Cervejaに参加してきました。

南米ブラジルのビールフェスは、日本と比べてどんな様子なのか? ブラジル在住の筆者がレポートします。

会場の様子


参加したビールフェス「Festival Mineiro da Cerveja」は、ブラジル南東部の州都 Belo Horizonte(ベロ・オリゾンテ)市から車で30分の Nova Lima(ノヴァ・リマ)市のイベント会場で開催。Nova Lima市は、州内でも有数のブリュワリー集中地域です。

入場には専門サイトでチケットの事前購入が必要。今回の入場料は約R$25(=約700円)でした。


また、入場前には念入りな持ち物チェックがあります。ブラジルではこのようなイベントでは必ず厳しい荷物チェックがあるのが一般的です。会場は広く、簡易トイレも多数設置。

また、ブラジルの野外フェスタには欠かせない、生バンドのライブ会場も設置されています。生憎取材をした日は、この時期のブラジルには珍しく途中から豪雨になってしまい中断していましたが、通常はロックバンドが数組ライブを開催し、会場を盛り上げてくれます。


また、フードエリアにはテーブルや椅子も置かれているため、のんびりビールを楽しめる環境です。我々は混雑を避けるため、開始予定時間直後に行きました。

開催地の主要ブリュワリー10社が出店!


今回のイベントでは、Nova Lima市近隣の主要な中規模以上のブリュワリーが10社出店していました。これだけの数の地元ブリュワリーのビールを一度に楽しめる機会はあまりないので楽しみ!

出店ブルワリーは、次の10社。
Krug Bier
ここ、ミナスジェライス州で最初に生まれたブリュワリー。まだブラジルでクラフトビールの知名度がほとんどなかった1997年に醸造開始し、今では国内有数のブリュワリーに発展。

Verace
2015年に醸造開始。豊富なビアスタイルを造るだけでなく、ブラジルのフルーツと合わせたりとオリジナル性の高いビールを提供。

Stadt Jever
本格的なドイツ料理を提供するビアパブとして創業。現在はビアパブだけでなく市内スーパーで缶ビールを販売しているほどの人気。

Vinil
心地よい音楽を聴きながら友人と過ごす時間に飲みたいビールをコンセプトに2009年醸造開始。コンセプトの通り、「Vinil」とはブラジルでレコードを指します。

Kapitan Klaus
最高の原料を使い、最高のクラフトビールを造ることをモットーに掲げて2019年に醸造開始。規模の拡大よりもビール愛好家とより近い距離に在るブリュワーを目指す営業スタイル。

Confraria do Porão
ベロオリゾンテ市内郊外にある小規模醸造所。基本的にはビール専門店にて小ロットの瓶ビールを、また個人のビール愛好家向けにグロウラーにて販売している。サマーエールなどの珍しいスタイルも提供。

Albanos
2つの大規模工場を持ち、自社のブリューパブも経営。市内のスーパーでも必ず見かける、前述のKrug Bierに劣らないほど有名な実力派。2023年にはミナスジェライス州クラフトビールコンテストで「ミナス州ベスト醸造所」にも選出された。

Laut
2016年、当時弁護士だったオーナーが自分の弁護士事務所内でビールを試行錯誤して造り出すことから始まった醸造所。現在では州外にも販路を拡大し、ジンやウォッカなどの蒸留酒も造っている。

Slod
2018年、品質の良い原材料と安全性のあるビール造りを掲げて醸造開始。伝統的な製法と革新の融合を目指している。2022年以降、毎年創業月には自社工場で創業記念フェスティバルを開始している。

040
以前からクラフトビール造りに興味のあったオーナーが、製造技術の講習を受けたのち2016年に醸造開始。ビール造りにスポーツの精神を取り入れたいとのことから、すべてのビールの名前には地域の山のトレイル名がつけられている。


ビールはピルスナーが一律1杯R$20(約550円)、それ以外のビアスタイルは一律R$26(約710円)。それ以外に、イベント専用のリユースカップの購入R$7(約200円)がかかります。自分たちでコップを持ち込むことも可能です。


会場に待機している販売スタッフからチケットを購入し、店先でビールと交換する仕組み。屋台の料理も、事前にチケット購入が必要です。


そんななかから、この日楽しんだビールをいくつかご紹介します。

出店しているブリュワリーのうち、普段あまり見かけないブリュワリーを中心に楽しみました。

(写真左から)
Session IPA』(Slod
『Hop Holic's』(Klaus)

まずは、「Slod」が手がけるセッションIPAから。最初の1杯に相応しい、軽やかな飲み心地。飲んでいるうちに徐々に柑橘系の香りがはっきりと感じられるようになり、「もっと飲みたい」と思ってしまうドリンカブルな1杯。フェスのスタートにぴったり。

「Klaus」が手がけるアメリカンIPA『Hop Holic's』は、シトラス系の香りにうっとり。飲んでみると、ホップの強い風味と共に、わりと強めの苦みが印象的。その苦みとは対照的な、ちょっと繊細さも感じられる後味があってこちらもドリンカブルでした。

(写真左から)
『American Pale Ale』(Stadt Jever)
 『MTB』(040)


次は、「Stadt Jever」が手がけるアメリカンペールエール。きれいなゴールデンカラーが飲み欲をそそります。モルト由来のふんわりとした香ばしい麦の香りが口に広がり、ほんのり甘い余韻が残ります。午後にまったり飲みたいタイプです。

一方の「040」が手がけるプレミアムラガー『MTB』は好対照のビール。マウンテンバイクと名付けられたこのビールは、ブリュワリー「040」が掲げているコンセプト通り、スポーツ中でも飲めるのではないかと思えるほど爽快さと喉越しの良さの追求に完全に振り切っています。同じビールでもここまで違うのか、と改めてその奥深さを実感しました。


ビールに合わせて楽しめるフードの出店も盛りだくさん!Belo Horizonte市やNova Lima市の人気ピザ屋やバーベキューレストラン、郷土料理のお店までが出店していて、選択肢が多すぎて何を頼もうかしばし悩んじゃうほど。


ドイツ料理の1つ「豚の膝肉ロースト」はお肉が柔らかく、甘い脂が口の中でとろけて最高に美味しい。ほんのりと燻製してあるので香ばしさも感じられてビールと相性抜群。特にIPAのような度数強めのスタイルにバッチリ。


牛の胸部分のお肉を燻製にした「ブリスケ」もいただきました。赤身でさっぱりしていながらも強めの燻製風味がガツンと来て、まるで柔らかいジャーキーを食べているかのよう。付け合わせのシンプルなコーンやジャガイモと一緒に食べると尚良し!


今回は、ブラジルで開催されるビールフェスの1つを紹介しましたが、ブラジルでは他にも特徴的なビールフェスや、ドイツ・ミュンヘンで開催されるオクトーバーフェストを再現する祭りなど、多くのビールフェスが開催されています。

ぜひブラジルを旅する際の参考にしてみてください。

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ライターの紹介

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Ayumi ライター

ブラジル在住16年目。沖縄出身の夫と二人暮らし。ビールが主食。毎日のビールをいかにおいしく飲むかを常に考えて生きている。好きなスタイルはセッションIPA・ヴァイツェン・ピルスナー等。

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