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Bar 奥渋にあるサイダーへの入口「サイダーノート」でお気に入りを探求!知れば知るほど好きになる世界

2022/07/04

ビール女子読者の皆さんは、「サイダー」って飲んだことはありますか?日本でメジャーな言い方で「シードル」と呼ばれるりんごのお酒です。一度くらいは口にしたことがあっても、あまりよく知らないという人は多いかもしれません。


今回は、サイダーの専門店「サイダーノートでまだ知らぬサイダーの奥深い世界を覗いてきました。圧倒的ビール党の私も2時間ですっかりサイダーの世界に引き込まれてしまうほど、ビール好きならきっとハマる要素が詰まったサイダー。その魅力をたっぷりご紹介します。


文化が生まれる街・奥渋のオープンなサイダー専門店


渋谷駅から奥渋方面に徒歩8分ほど歩くと、ブルーの扉が目印のお店「サイダーノート」に到着。

暖かい季節はオープンテラスになっていて、おしゃれな落ち浮いた空間でありながら、開放的で誰でも入りやすい雰囲気があります。 わんちゃんも一緒に来店できるので、お昼の散歩がてら1杯楽しむこともできちゃいます。


店名のCidernautは「サイダーの探求者という意味。Astronaut(宇宙飛行士)をもじった名前で、ロゴにはサイダー探求者がりんごの上に着陸している様子が描かれています。

サイダーをまだ知らない人たちにサイダーの世界を探検してほしい」ーーそのような意味が込められています。


店内はカウンター6席、テーブルは9卓あり、手前側では明るく開放的に、奥のテーブルではじっくりサイダーを楽しむことができます。初めて来店する方はぜひカウンターでスタッフや常連さんにサイダーについて話を聞いてみて。一緒に好みのサイダー探求の手助けをしてくれます!

サイダーってどんなお酒?


サイダーとは、りんごの醸造酒のこと。イギリスやフランス、スペイン、アメリカ、オーストラリアなど世界各国で造られ飲まれているお酒です。

サイダー、シードル、シードラなど呼び方は様々で、国ごとに少しずつ違った名前で古くから親しまれています。

国ごとに使用しているりんごの割合が違ったり、味わいの特徴も違いますが、基本的にはフルーティーで重くなく、軽くスッキリ楽しめるものがほとんど。武田さんいわく「ビールは苦いしワインは重い」という印象を持っている方にも飲みやすいと好評だとか。度数も4〜8%で、アルコールを感じにくいものが多いのも特徴のひとつだそうです。

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お気に入りがきっと見つかるラインナップ


サイダーはビールほど“スタイル”という概念は強くなく、造っている国ごとにおおよそ味わいの特徴があることが多いです。

もちろんひとつ一つのサイダーによって個性はありますが、分類すると下記のようになります。


ヨーロッパ系=タンニンや酵母感(野生み)を感じる複雑さが特長
アメリカ系=逆にタンニン(渋み)をあまり感じずスッキリとした飲みやすさが特長
オーストラリア系=ジュースのようなフルティーなものが多いのが特徴


初めてサイダーを飲む人にはその日のタップリストの中で比較的バランスの良いものをお勧めしつつ、お客様との会話の中から味の好みをさぐっていくことが多いそう。


サイダーノートは12タップあり、そのうち2つは日本のクラフトビールが繋がっています。

サイダーを飲んだことが無い人にもタップの中から好みが探し出せるように、国と味わいのバランスを考えながら、日本のものも1種類は入れるようにしているそう。タップの1番はイギリスのものを繋げたいという思いがあり、だいたいバランスの良いイギリス正統派のサイダーが多く繋がっています。

2種繋がっているクラフトビールも、「他では見かける機会は多くないけどおいしい日本のビール」を繋げていて、ビアバーで働いていた経験もあるマネージャーの和田さんがビールの選定を担当しています。

今回は2種類あるビール飲み比べうち、1杯をいただきました。


Awesome Pale Ale』(松本ブルワリー)

ホップ由来の柑橘感が非常に爽やかですが強すぎず、モルト感とのバランスがいい一杯。苦みもそこまでないからサイダーと一緒に楽しんでも干渉しすぎないビールです。

ビール好きの方はビールもタップで飲みつつ、その前後にサイダーを飲んでみるのもおすすめ。飲む前にはドライ系のサイダーでスッキリ、ビールに疲れたら渋みが効いているサイダーで味を変えて、最後は甘めのサイダーでデザート感覚で締めるといった飲み方も提案しているそう。


サイダーのボトルはおおよそ30〜40種類揃っていて、ボトルのメニューには「甘み・渋み・酸味」の3つの尺度のグラフででそれぞれの味わいが分かりやすく表記してあるので、非常に分かりやすい!まずはスタッフさんにお話しを聞きながらタップに繋がっているもので好みを探って、その後は味わいの好みで気になるサイダーをボトルで注文する…という流れが良さそう。

個性溢れるサイダーを飲み比べてみた


この日私はほぼサイダー初体験だったので、好みを探るべくいくつか飲み比べさせていただきました!

エル・ガイテロシードラ ナトゥラル』スペイン

スペインでのサイダーの呼び方は「シードラ」。味わいは酸味が際立ち、スッキリと飲めるものが多いとのこと。

「エル・ガイテロシードラ ナトゥラル」は、香りからツンとした酸味を感じ、りんごの甘みの部分よりは酸味がより引き立って感じます。非常に爽やかで余韻のない感じが美味しい!十分酸味を感じましたが、どうやらスペインのシードラの中では酸味は可愛い方らしい。


レヴァレンド・ナッツ/チェリーパイアメリカ


アメリカのサイダーは遊び心満載のものが多いとのことで、サイダーだけどチェリー色をした名前からなんともキャッチーな一杯。

チェリーパイという名前から結構甘いのかな?と想像していましたが、まずはしっかりとしたチェリーの甘みのあとに後味はりんごのスッキリさがくる、なんともバランスのとれた味わい。ごくごく飲めちゃう味でおかわりする人も多いとか。


ウィリースミス オーガニックサイダー』オーストラリア

こちらは酸味や甘み、渋みのバランスが取れたオーストラリアのサイダー。

少し濁りのある黄色で、りんごの香りが華やかに香ります。本当に酸味と甘みが丁度良くて非常に飲みやすい。少し酵母感も感じます。確かにこのようなバランスのサイダーはデビューにもよさそう。

レヴァレンド・ナッツ/リバイバル ハードサイダー』アメリカ


アメリカで造られているビール酵母を入れたサイダーです。ビール酵母にさとうきびを入れて造っている個性的な一杯。

香りが他のサイダーより複雑な感じ。味も飲むたびに様々な風味を感じるような奥深さがあります。甘さはしっかりですがくどくなく、飲みやすい。


オリバーズゴールドラッシュファインサイダー♯9 バレルエイジ』イギリス

バレルエイジという熟成させているサイダー。アルコール度数も6.8%と他のものよりも少し高めです。

熟成させているからか、タンニンの渋みがを1番感じる!ワインのような深い味わいでじっくり飲みたい。複雑みはありますが、ビールのバレルエイジより飲みやすいかも。


どれも個性が際立って同じりんご味なのに全く味わいが違うところが不思議。サイダーノートではドラフトはSサイズからオーダーできるので、飲み比べもおすすめです。

国によって味わいの特長があるところがサイダーを初めて飲む人にとっても意外と分かりやすく、案外すぐに好みを見つけやすいかも。私は酸味の際立つスペインのシードラがお気に入りでした!


サイダーと相性バッチリのおつまみメニュー


サイダーノートは、サイダーに間違いなく合うおつまみメニューも豊富なラインナップで用意しています。


「生ハムとリンゴ、クリームチーズ」(税込1,050円)リンゴとリンゴのペアリング、合わないわけがない!リンゴとハチミツの甘み、生ハムの塩っけ、クリームチーズのまろやかさが絶妙なバランスで、サイダーの美味しさが最高に引き立ちます。


「フィッシュ&チップス」(税込1,050円)は、魚のフライが最高にふわふわサクサク…美味しいと評判のタルタルソースソースも、食感と味のバランスが良い最高の引き立て役です。付け合わせのポテトは切り方が2種類あって、サクサク感、ほくほく感どちらも味わえます。


「ベーグルサンドイッチ・プルドポーク」(サラダ・フレンチフライセット/税込1,100円・単品/税込880円)は、ふわふわもちもちのベーグルにじっくり煮込んだプルドポークとりんごのソースがサンドされた一皿。豚肉とりんごの相性が非常に良く、サイダーとのペアリングもバッチリです。


おつまみ用にベーグルがスライスされたものもあります。ひと口ずつつまんでぱくぱく食べられます!

「とにかくうまいサイダー」の魅力を日本に広げたい

サイダーノートの魅力・楽しみ方を知ったところで、代表の武田さんに「サイダーに対する想い」についてもお伺いしました。


ーサイダーのお店を開こうと思ったきっかけは何ですか?

武田さん

「サイダーノート」ではサイダーとビールを提供していますが、実は僕自身は、お腹がいっぱいになっちゃうなどの理由で、ビールがあまり飲めないんです。僕は昔イギリスのロンドンに住んでいて、パブにもよく行っていたんですが、イギリスのパブでは当たり前にサイダーが提供されていてずっとそこでサイダーを飲んでいたんですよね。


ーサイダーが身近にあったんですね。

武田さん

日本でいうコンビニみたいなところにも缶ビールと同じくらいの値段で普通にサイダーが売っていて、毎日飲んでいたんです。そこからどんどんサイダーが好きになっていきました。

ーコンビニでサイダーが買えるのは熱いですね!

武田さん

あるときカンタベリーという街に行ったときに、タンクで醸造してそのまま出来立てを提供しているパブに行ったことがあって。それがめちゃくちゃおいしかったんです。僕はイギリスで経営を勉強していたことと、アメリカでクラフトビールが流行って、追随するようにサイダーの文化も流行っていったこともあって、日本でサイダーの店を開いて、サイダーの文化を作りたいと思ったんです。

ーサイダーノートでクラフトビールを提供しているのも、イギリスでの体験が理由ですか?

武田さん

クラフトビールが好きな方って、すごくオープンマインドの方が多いイメージで、新しいものに対してポジティブに挑戦してみようという方が多いと思うんです。クラフトビールが流行った当初は日本では新しいものだったけれど、すっかり根付いて、今でもさらに新しい文化を造り手も飲む人も一緒に作っていっているイメージで。サイダーも日本でそんな風に広がっていったらいいなと考えています。それでまずはクラフトビール好きの方にぜひサイダーを飲んでもらいたいと思って!

ービールも武田さんが選んでいるんですか?

武田さん

ビールは、もともと代々木のビアパブ・ウォータリングホールで働いていて、一緒にサイダーノートを立ち上げた和田が選んでいます。僕たちが最初に出会ったのがじつはイギリスだったんですが、その後共通の知人を通して日本で再会して、一緒にやってみないかと誘って今にいたります。


ー奥渋という場所を選んだのはなぜですか?

武田さん

日本ではまだサイダーの文化が全く無いので、まず文化を作り出そうと思ったときに、カルチャーの発信地でもある渋谷でやりたいと思いました。特に奥渋の方はクリエイティブで感度の高い人も多いし、もともとサイダーを知っている外国の人もいるので、受け入れてもらいやすいかなと。

ー最近の日本でのサイダー事情は?

武田さん

実は日本でもどんどんサイダーを造るところが増えてきました。最初は一部のワイナリーで造りはじめられ、徐々にブルワリーでも造るところが出てきました。最近では青森のブルワリー「Be Easy Brewing」さんが造ったサイダーがめちゃくちゃおいしかったです。造る工程でビールの要素を入れててブルワリーらしい個性があるサイダーで。そういう新しい風がサイダー界にもどんどん吹いたらなと思います。


ー多くの人がサイダーを身近に感じられるようになったら良いですよね。

武田さん

危惧しているのは、日本でクラフトビールが流行る前に起きていた状況。ビールもそうですけど、サイダーって、造り手のりんごを主とした原材料へのこだわりりんごのブレンドの仕方造り方などいろんな要素が合わさって一つの味が生まれるものなんです。

だから造り手みんながそんなプライドを持ちつつ、オープンマインドで、競争ではなく一緒にサイダー文化を創り上げていこう、という雰囲気にしていきたいです。そのために日々生産者のところを回って対話しながらその思いを伝えています。


サイダーのおいしさに共感し、日本でもここから文化を作りたいという思いで日々サイダーの美味しさを伝えているサイダーノートのスタッフのみなさん。サイダーを飲んだことがない人こそ、“サイダーの入口”としてここを選んでほしいと意気込みを語ってくれました。

サイダーってとにかくうまいんです」とサイダーの魅力を語る武田さんの話を聞いていると、どんどんサイダーの世界に引き込まれます。

ビール好きならきっとハマる魅力たっぷりのサイダー


ひとことにりんごのお酒といっても、非常に個性豊かで全く違う顔を見せてくれるサイダー。

ビールのようにスタイルのような明確なくくりはありませんが、国ごとに特長があり、初めて飲んでもお気に入りを見つけやすく、気分によって飲むものを変えられる。なんだかビールと似たような世界を感じました。造り手の想いも代弁してくれるサイダーノートでぜひサイダーの扉を開いてみてください。

夏期はサイダーの季節!ということでほぼ休みなく営業予定とのこと。詳しくはお店のインスタグラムでチェックしてみてください!

 Cidernaut(サイダーノート)

〇住所:東京都渋谷区神山町16-4 堀内ビル 1F
〇交通:JR渋谷駅、東京メトロ代々木公園駅、小田急線代々木八幡駅から各徒歩8分
〇TEL・FAX:03-6407-8848
〇営業時間:12:00~23:30
〇定休日:不定休(その他のお休みはInstagramでチェック)
〇座席数:カウンター6席、テーブル9卓
〇支払い形式:カード、電子マネー、ORコード可
〇喫煙・禁煙:全席禁煙(外に灰皿あり)
〇Instagram:https://www.instagram.com/cidernaut_shibuya/


【おすすめ情報】
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ビールにハマったきっかけは大学時代に見たガッキーのドラマでした。行きつけのビアバーでお気に入りのビールを片手に人生について語る…そんなガッキーに憧れて初めてビアバーに駆け込んでみたときに、ビールの奥深い世界と出会いました。特に好きなスタイルはIPAです。ちょっぴり苦めで香り強めが好きです。皆さんがここでたくさんのお気に入りの一杯に出会えますようにと願いを込めて、楽しい情報を発信していきます!

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