様々なスタイルごとに異なるビールのイメージを、キャラクターにしてみよう!!という、ビール女子オリジナルのコンテンツ、“ビール女子キャラクターズ”。
その彼女たちを一人ずつクロースアップしながら、それぞれのビアスタイルについてもう少し掘り下げてみようということで、【ビール女子キャラクターズと歩む、ビアスタイル】。まずは全5回に渡り、現在ビール女子に在籍しているキャラクターのビアスタイルについてゆるゆるっとご紹介したいと思います。
ビール女子キャラクターズのコンテンツと照らし合わせながらご覧いただければ幸いです。
さて、第一回目はピルスナーちゃん。
ピルスナーという名前はこの子の出身地、チェコのピルゼンという町に由来しています。(初めて地図で見るとき、Plzeň(プルゼニ)と書いてあって、なかなか見つからなかったのは秘密。笑)
さて、ビールの種類をザクっとと分けているのが、酵母による分類。それが、エールとラガーです。日本でも昨今のクラフトビールブームで知らず知らずのうちに多くのエールタイプのビールにお目にかかっているかもしれませんが、世界的にもまだまだ、圧倒的にラガー系が大半を占めています。
香味成分が多く、華やかな香りのビールが多いエール系よりも、がぶがぶっと飲みやすい、ということなのでしょうか?キャラ的にもどっちかっていえば優等生だけど地味タイプ。でもなんだかキラキラしてるんですよ、彼女。
ピルスナーちゃんの生い立ち
そんなラガータイプに属するチェコ生まれのピルスナーですが、初めて造ったのはドイツ人。チェコ・ピルゼンの市民醸造所に招かれやってきたバイエルン出身のヨーゼフ・グロル氏。彼の素行の悪さは評判だったようですが、その黄金のビールは世界的にも称賛され、今やたくさんの国でそのスタイルを真似たビールが造られています。
日本人になじみのある、あの、「とりあえずビール!」的なビールもスタイルはこのピルスナー。というわけで私たちのビルキャラ、ピルスナーちゃんはチェコ生まれの日本育ちなわけなのです。チェコ生まれチェコ育ちの純粋培養系とは違い、成長過程で日本で過ごすための性格を獲得していったわけなのです。要は転校生的なね。
意外や意外、日本とピルゼンの共通点
大手ビールメーカーのフラッグシップはどこもピルスナータイプ。世界には多種多様なビール文化があり、それが日本でも色々と楽しめる時代がやってきていることを知っている人などからすれば、大手のピルスナーはどこも同じような味で面白みに欠けると思われがちかもしれません。でも、ピルスナーが日本にやってきてから、日本に溶け込み、日本独自の発展を遂げ、現在の日本のビール文化を造り上げた歴史はある意味とても面白いものだったのです。
チェコのピルゼン地方
遠く離れた東欧の国、チェコと日本の共通点は実は「お水」。ヨーロッパは全体的に硬水のところがほとんどですが、ピルゼンでピルスナーに使われている水は軟水なのです。地下深く300m以上に眠る地底湖からの軟水をくみ上げて使っていて、その良質な軟水がこの黄金に輝くピルスナーを造りだしているのです。
まぁ、通りであの子もお肌が陶器のようなわけなんです。そして日本全土に流れるお水もほとんどが軟水。お陰で日本に来てからも彼女はその肌質をキープ。この、軟らかなお水が日本人の口に合う、ピルスナーを造りだしていたのですね。
地底湖の軟水の他に、ザ-ツというホップの産地を抱えていたチェコのピルスナーは黄金に輝き、ホップの香りと苦みや泡立ちのバランスが最高のビールとなったわけです。実際、日本にはドイツを経由して入ってきているので、ドイツスタイルの影響も受けながら最終的には日本で独自の発展を遂げます。要するに、転校生は空気を読むって訳ですよ。
ピルスナービールの代表格、チェコの『ピルスナーウルケル』
日本では独自に発展?!
その後日本では、現在の大手ビールメーカーが副原料に日本でも採れやすい米やコーンを用い、コクよりもスッキリとした味わい、喉越しを重視する傾向で研究。いわゆる、「とりあえず、ビール!」の味を確立していったのです。そこにはお金や法律、メーカー戦略の話が絡み合い、単純に日本の食文化として発展したと言い切れない部分がないとは言えません。ただ、どんな形にせよ多くの日本人が飲むようになった、日本のピルスナー。そこには、日本人の口に合う、私たちの食生活に溶け込める味があったのです。
やはり、水炊きや枝豆にはこゆーいビールよりもピルスナー、それが自然なのでしょう。そしてやっぱり蒸し暑い、東京の夏はビアガーデンでキンキンに冷えたピルスナー入りのジョッキでガチンと乾杯したいものですよね(笑)。ってオシャレなビール女子っぽくない??いやいや、それもビール女子。
「とりあえず、ビール!!」文化の日本から、「ビール、何から飲む??」の日本へ。
とは言え、美しい四季を織りなす日本。一年を通せば気候もさまざま。また、世界各国、たくさんの国の料理が手軽に食べられる昨今の日本。私たちが食べているのは水炊きや枝豆などの和食ばかりではありません。私は様々な思惑の上にある、ピルスナーベースの大手ビールを目の敵にするのでも、ビールの味をピルスナーだけだと思い込んで「ビール苦手なの」と食わず嫌いするのでもなく、多種多様なビールが選べるようになった日本の今のビール事情が何よりも幸せなことだと思うのです。
和食、フレンチ、イタリアン、アメリカン。日常的になんでも食べる、雑食の日本人だからこそ、ビール文化の多様性の恩恵にもっともっとあやかるべきではないでしょうか?
というわけで、ピルスナーから書いているこのビアスタイルシリーズですが、今、ビール女子キャラクターになっている5スタイルを順に紹介していく予定です。まずはピルスナーから攻めるもよし、新たな発見なんかしながら色んなビールを飲んでみたら、ぜひとも、ビール女子キャラクターズのページ下部にある、お気に入りキャラクター投稿フォームよりお気に入りをご投稿ください!!
結果が集まったらシリーズの最後には投票結果を発表しちゃおうかな・・・なんて思っておりますので。
そのうち、カード化されちゃったりなんかして・・・(笑)。なんてね。(まんざらでもありません。)
次回はペールエールちゃんをご紹介したいと思いますので乞うご期待!!