お酒は二十歳になってから。
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ビール党の皆さん、Ein,Prosit!（さあ乾杯だ！）私は今、ミュンヘンのオクトーバーフェストから成田へ帰る飛行機の中でこれを書いています。オクトーバーフェストとは、言わずと知れた世界最大のビールお祭り。最近では日本でもこれを模したイベントがあちこちで開催されていますが、やはり一度は本場を体験してみたい！ ということで、タイミングよくとれた連休を利用して、ひとりミュンヘンに弾丸旅行をしてきました。
結論から言うとね、もう、オクトーバーフェスト最高！ 世界中から集まったビール好き達と、午前中からビールを飲んで大盛り上がり。マースジョッキを高々と掲げながら皆で陽気に「乾杯の歌」を歌っていると、「こんなに楽しいことがこの世にあったのか〜！」と、ものすごくハッピーな気分になってしまいました。
だけど、ひとりで行ってそんなに楽しめるものなのか？ そう疑問に思った方もいるはず。いくらビール好きとはいえ、世界の酔っ払いの輪の中に入っていけるほどのノリと語学力は私も持ち合わせておりません。そこで実は私、海外旅行の仲間募集サイトなるものを初めて利用してみちゃいました！
「一緒にオクトーバーフェストに行きませんか？」というトピックを見つけ、そこに返信の書き込みをして知り合ったのが、今回ご一緒した同世代の女性２人と男性１人。みなさん旅好き＆ビール好きで、会場の最寄り駅で待ち合わせをすると、初対面にも関わらず、すぐに意気投合してしまいました。最初だけ、「本物の眞鍋さんですか!?」と驚かれはしましたが（笑）。
会場は想像していた以上のものすごい規模。広大な敷地の中に各ビール会社が出している数千人収容の超巨大テントが全部で14もあり、道沿いにはソーセージやクレープなど食べ物の屋台がズラリ。そこかしこに設営してある遊園地のアトラクションは「富士急ハイランドが何個できるの!?」というくらい凄い数で、あまりのスケールに飲む前から酔っ払ってしまいそう（笑）。
中でも一番のお目当ては、日本ではなかなか飲めないという「アウグスティナー・ブラウ」のテント。ミュンヘンで一番歴史が古く、地元の人たちに圧倒的な人気を誇っているんだとか。そのせいか、まだ開場したてだというのにフリーの席はすでに激混み。なんとか空いている席を見つけ、４人並んで座ることができました。民族衣装を着たお姉さんにビールを注文し、運ばれてきたビールとひきかえに10ユーロをお支払い。が、このマースジョッキがとにかくデカイ！ なんたってその量は１リットル、片手で持っていると飲みながら筋トレができそうなほど。こんなにたくさん、飲めないよ〜！ と思いきや、これが何故か、グイグイいけちゃうから不思議。炭酸控えめのまろやかな味わいはとても飲みやすく、白ソーセージなどの定番おつまみと一緒に飲めば、驚くほどビールが進む進む。テントとはいえ意外に料理も充実していて、豚すね肉の塩漬けを煮込んだアイスバインやローストチキン、顔がすっぽり隠れるほどの巨大プレッツェル……どれも最高に美味しい！ そして気付けば、あっという間にジョッキはカラに……。
完全にビール魂に火がついてしまった私たちは、アウグスティナーのテントを後にして、次々と他のテントをはしご。日本でも有名な「ホフブロイ」や「レーベンブロイ」のテントは観光客に大人気で、お昼を過ぎる頃にはテントの中は超満員になっていました。バンドの演奏が始まると、世界中の酔っ払いたちは大盛り上がり。私もはじめは盛り上がる外国人のお客に合わせて手拍子をする程度だったものの、アルコールがまわるにつれて何かのネジがはずれ（笑）、最終的には自ら椅子の上に立ち上がって大声で「乾杯の歌」を歌い、周囲を大合唱に導くという大胆な行動に出てしまったのでした……。
しかし、そうやって人種や言語をこえて、いろんな国の人が一体になれる空間こそがこのオクトーバーフェストの最大の醍醐味！ せっかくミュンヘンまで来たんだし、これくらい盛り上がらないとね（笑）。
そんなこんなで、初めてのオクトーバーフェストを十二分に楽しんだ私。正直に言いますが、今も機内で「ヴァルシュタイナー」を飲んでいます……。これはもう、完全にハマちゃったな。お酒はワインもウイスキーも日本酒も大好きだけど、しばらくは私、ビール党でいきます！ よし、書き終わったところでもう一杯おかわりしよっ。
この記事は『ビール王国 ワイン王国11月号別冊』に掲載されたものです。
